人を伸ばす、明日を創る、世界と歩む

あけましておめでとうございます。

本学教職員、学生諸君、同窓生の皆様はもとより、すべての関係者の皆様におかれましては、平素から名古屋大学に対しましてご指導、ご鞭撻、そしてご支援をいただいており、心から御礼を申し上げます。

私は平成27 年4 月に名古屋大学総長を拝命してから今年で3 回目の新年のごあいさつを申し上げることになりますが、時の経つのは本当にはやいものと実感しています。年の初めにあたり、昨年を振り返りつつ、新しい年への思いを皆様にお伝えしたいと思います。

 

私が総長就任時に掲げた6 年間の目標「NU MIRAI 2020」では、①世界の学生が学びたくなる教育の実現、②世界屈指の研究成果の創出、③世界やアジアとの連携による国際化の推進、④本格的な産学連携の進展とイノベーションへの貢献を4 本の柱とし、これらを実現するために、ガバナンスやマネジメント、そして組織の改革の推進を5 本目の柱として学内外に公表しました。これらを実現するのは容易ではありませんが、すべての本学構成員が知恵と能力をフルに発揮しながら連携して取り組むことで可能になるものと考えています。もちろんそれは人海戦術や長時間労働で達成されるべきではなく、多様な財源を確保しつつ、無駄を徹底的に排除して効率的な組織運営に変えることによって成し遂げる必要があります。

 

日本の科学研究や高等教育の実態をつぶさに見たとき、多くの大学人や識者が現状と将来に強い危惧を抱いています。一方、わが国は世界一の超高齢社会であり、少子化とともに高齢化は一層進みます。大学入学年齢である18 歳人口もどんどん減少します。国と地方を合わせて巨額の借金を抱えるわが国が、今後も持続的な発展を遂げるためには、わが国を代表する高等教育機関のひとつであり、また、世界有数のものづくり産業の集積地に位置する名古屋大学が、人材育成、先端研究、国際化と多様化、そして社会連携をどのように進めるか、極めて大きな関心と期待が寄せられています。名古屋大学は、積極的に大学改革を進め、未来へのロールモデルになることを心がけていきたいと思います。

 

一方で、昨今、国からの基盤的な運営費交付金の持続的削減や、企業や社会からの大学に対する大きな期待とそれに連動して大学改革の圧力が増す一方で、世界的な高等教育機関の間でのグローバル競争が加速度的に進んでいます。この中で名古屋大学が世界屈指の大学を目指すためにはNU MIRAI 2020 は最低限の目標です。この目標を達成するためには、未来志向の組織改革、エビデンスに基づく管理運営システムの確立、学内における資源配分の見直し、多様な外部財源確保策の確立等が必要であり、何よりも名古屋大学の関係者全員、とりわけ構成員全員が、名古屋大学をより高い地平に押し上げていこうという志を持ち続けることが必要不可欠です。総長及び大学執行部は、そのような問題意識の下、学内環境を整え、目標の実現に向けてリーダーシップを発揮していく責任があります。また、実際に大学が変わるためには大学内での意思疎通は不可欠であり、情報や目標を共有して構成員全員が積極的に課題に挑んでいくシェアドガバナンスが必要です。

 

昨年、名古屋大学を含む国立大学法人をめぐって重要な動きがありました。国立大学法人の中からトップレベルの大学を、国が「指定国立大学法人」として認定することにより、これまでトップブランドであった「旧帝大」が、今後「指定国立大学法人」というブランドに代わってしまう可能性があります。文部科学省はこの申請にあたって高いハードルを課し、応募に至ったのは名古屋大学を含む7 大学のみでしたが、第一次認定では東大、京大、東北大の3 校が指定を受けました。指定から漏れた4 大学(名大、阪大、東工大、一橋大)は指定候補として、現在、再チャレンジ中です。指定国立大学法人への応募にあたり、名古屋大学は、これまでの成果や様々な重要プロジェクトで学内外に公約しているコミットメントを確認し、これを発展させながら、学内での検討と新たなビジョンの共有を行い、改革に取り組むことを提案しました。その要点はNU MIRAI 2020 で掲げた柱をベースにさらに内容を発展させたものです。大変チャレンジングな課題ですが、名古屋大学では国の大型補助金プロジェクトである研究大学強化促進事業やスーパーグローバル大学創成支援事業などにおいて、既に大きな改革に足を踏み出しており、指定国立大学法人指定に向けた取り組みは、これまでの方向性と矛盾するものではありません。

 

名古屋大学では世界に誇る最先端研究拠点や産学官連携拠点が複数存在し、活発に活動しています。国のWPI 世界最先端研究拠点であるITbM(トランスフォーマティブ生命分子研究所)は、全国9 拠点のうち東大拠点と並んで数少ない最高評価(S)を、また、産学官連携研究拠点であるCOI(センターオブイノベーション)では「超高齢社会におけるモビリティー研究」を大規模な産学官共同で行い、中間評価では高い評価(A)を受けました。これらに続く世界最先端研究拠点あるいは産学官連携拠点を次々に生み出せる構造を作ることが必要です。

国際化は名古屋大学が最も力を入れている課題の一つであり、これまで海外からの留学生、名古屋大学から海外に行く学生ともに着実に増えています。また、英語のみによる授業で学位が取得できる秋入学のG30 プログラムは年々応募者が増加しており、学生の質や教育の質が有意に向上しています。今後、カリキュラムの継続や全学展開を図るには優秀な教職員の継続雇用とその財源の確保がどうしても必要になります。また、海外著名大学とのジョイント・ディグリープログラムは他大学の追随を許さず、外部から高い評価を得ています。

財源の確保という意味では、競争的資金の確保がきわめて重要です。名古屋大学では学術研究・産学官連携推進本部や事務局、さらには昨年新設したIR(インスティテューショナル・リサーチ)本部がデータに基づく分析をして、競争的資金獲得に向けた組織的な支援を行っています。このためURA を活用し、部局や専攻を超えた組織的・戦略的な取り組みを進めているところです。

名古屋大学基金に関しては使用目的を明確にした特定基金をスタートさせる一方で、寄附を集めるための専門組織DO 室(Development Office)を総長直下において活動させるなど、平成29 年4 月~12 月の9ヵ月で、すでに一昨年度実績の2.5 倍の寄附を集めています。これに現在、国で検討されている国立大学への寄附税制の一層の緩和措置(株や土地などの評価性資産寄附時の税制優遇、大学の持つ資産の有効活用等)が実現すれば、さらなる財源増加が期待されるため、その時に備えて準備を進めています。

 

以上は名古屋大学の活動のほんの一部です。名古屋大学には優秀な研究者と高い志を持った教職員が大勢います。最も重要なことは、目標達成のための戦略や戦術を共有し、多様な活動を組織的・戦略的に進めていくこと、自発的な創意工夫を大事にして能力を最大限に発揮してもらうこと、また、必要な財源の確保や資源配分の効率化だと考えています。総長としての私は、まだまだ未熟なところが多々ありますが、名古屋大学を飛躍的に発展させたいという意思はだれにも負けないと自負しております。名古屋大学及び関係の皆様方には、ぜひ、忌憚のないご意見、ご指導、ご鞭撻をいただければ幸いです。

2018 年が名古屋大学と関係者全員にとって輝かしい年になるよう、前に進んでいきますので、本年もよろしくお願いいたします。

 

総長

名古屋大学総長
総長

 

「オークマ工作機械工学館」寄附に関する共同記者会見

「オークマ工作機械工学館」寄附に関する共同記者会見

ジェンダー・リサーチ・ライブラリ開館記念式典

ジェンダー・リサーチ・ライブラリ開館記念式典

大学院人文学研究科看板除幕式

大学院人文学研究科看板除幕式

情報学部・大学院情報学研究科看板除幕式

情報学部・大学院情報学研究科看板除幕式

天野・小出共同研究ラボ開設

天野・小出共同研究ラボ開設

あいち・なごや強靭化共創センター開設記念式典

あいち・なごや強靭化共創センター開設記念式典

松坂屋名古屋店との包括連携協定締結

松坂屋名古屋店との包括連携協定締結

東海地区の8国立大学法人による大規模災害対応に関する協定締結

東海地区の8国立大学法人による大規模災害対応に関する協定締結

東山総合運動場人工芝フィールド改修工事完工式

東山総合運動場人工芝フィールド改修工事完工式

 

 

Copyright ©2018 Nagoya University All Rights Reserved.