2019年、創立80周年の節目を迎えて

新年明けましておめでとうございます。学生、教職員はもとより、同窓生はじめ本学に関係するすべての皆様には、平素から名古屋大学の活動にご理解、ご協力、ご支援をいただき、心から感謝申し上げます。

 

昨年は、名古屋大学の将来にとって大変重要な節目の年であったといえます。3月には、わが国における新しいトップ大学ブランドである「指定国立大学法人」の指定を受けました。本学が今後、日本及び人類社会の幸福と持続的な発展に貢献し、世界の研究大学として発展するという目標を達成するための、新たなスタート地点に立ったものといえます。国際化については、一昨年、世界トップレベル研究拠点(WPI)事業の本学拠点「ITbM」が中間評価で最高のS評価を獲得したのに続き、「スーパーグローバル大学創成支援事業」中間評価でもS評価を獲得しました。また、新たに始まった卓越大学院プログラムで、本学の採択件数は全国15件のうち2件となるなど、快進撃が続いています。さらに、GaN研究拠点(C-TEFs及びC-TECs)が完成したほか、工学部7号館地区の再開発も始まり、教職員、学生の素晴らしい活躍により「未来に向けて果敢に挑戦し実績をあげている大学」として、本学は国や社会からの評価を高めています。皆様の努力に心から敬意を表します。

 

2004年の国立大学法人化以降、運営費交付金は総額で10数%減、また、第3期中期目標計画期間(2016年度~)に入り、国立大学法人全体で毎年1%(名大の場合は1.6%)が評価に基づく再配分に充てられる制度が導入され、大学の基盤的経費となる人件費並びに部局への物件費の配分を持続的に減らさざるを得ない状況があります。他方で、大学の機能を支える様々な部門の強化も図っており、基盤的な財源を運営費交付金だけに求めるやり方では限界があり、大学経営はかなり厳しい局面を迎えています。本学のミッションを達成し、これまで積みあげてきた活動を持続し、発展させるためには、我々自身のマインドを変え、大胆な戦略とアクションプランを策定して実行する必要があります。指定国立大学法人構想で掲げたビジョンは、現在の厳しい状況を打開し、大学の機能を一層強化することで、社会と人類に貢献できる大学になる基本戦略です。そのビジョンとは、①世界屈指の研究成果を挙げること、②世界標準の教育を創り上げること、③世界に開かれた大学として国際化を推進すること、④社会や産業界との連携により大学の成果を社会イノベーションにつなげることです。そして、これらを達成するためには、大学の運営基盤となるガバナンス、人事給与システム、財務経営を見直し、シェアドガバナンスの考えに立ちつつ、迅速な意思決定と効率的な実践のシステムを確立することが必須です。また、東海地区の中核としての本学の責任を考えると、発展の基盤をこの地域に置くことこそが重要であり、そのために近隣の国立大学法人との連携・統合を実現して、東海国立大学機構として一法人複数大学化を目指すことを提起し、昨年末、まずは同じ志を持つ岐阜大学と基本合意書に調印したことはご存知のとおりです。

 

このような基本方針の下、昨年、執行部から具体的な改革プランを学内に提案し、各部署からの意見を聴取しながら、現在、最終的な集約作業を行っているところです。教職員からは不安の声や具体的な課題も出ていますので、しっかりと耳を傾けながら問題を解決していきたいと思います。本学にとって最大の収入源である運営費交付金が年々削減される中での改革には、それなりの痛みを伴いますが、私としては、国や社会に対し支援を強く要請する一方、自律的かつ精力的に外部資金や競争的資金の獲得、地域社会や産業界との共創プラットフォームの構築を行っていきたいと考えています。そして、本学は病院部門を除いても全体の予算規模を着実に伸ばしており、一層の発展が可能である、と考えています。むろん、収入増加にはそれに対応する経費が必要になり、大学が自由に使える財源は間接経費などの一部に限られます。それでも大学全体の事業規模は拡大し、社会に対する貢献度はそれだけ大きくなっているといえます。今後、各国立大学法人に対しては、運営費交付金への依存度を一層下げ、外部資金をしっかり確保することによって大学機能を強化するようにという圧力が以前にも増して強くなるものと想定されますが、自律的な改革の推進、強力な情報発信、そして、社会への説明責任の履行によって、国や社会の支持・支援を得ながら、この難局を乗り切ってさらに大きな飛躍につなげたいと、決意を新たにしています。

 

現代は、デジタル革命あるいは第4次産業革命といわれる大きな曲がり角にあります。人類社会は、農業革命(狩猟社会から農業社会への転換で人口が大幅増)、産業革命(農業社会から工業社会への転換でモノの大量生産時代となり社会経済構造が一変)、情報革命(パソコン、オートメーションなど情報が個人レベルで簡単に手に入る時代となり生産様式も大幅に変化)を経て、第4次産業革命により実世界のあらゆる情報がデジタル化されようとしています。それがIoTを通じてサイバーシステムに集積され、AIなどによる解析を通じて実世界に戻され、課題解決や新しい価値創造につながる時代に入っています。その変化は大規模かつ猛烈なスピードで進行しています。大学は、知の拠点として、このような劇的な社会の変わり目でどのような役割を果たすのか、その在り方が問われています。これに応えるためには、あらゆる領域の知の総動員が必要で、総合大学としての本学の価値が問われていると思います。人類社会や日本社会の未来像を様々な領域やセクターの人たちと共に創り上げる、その駆動力となるような大学をいかに構築することができるか、叡智を集めてデザインし、実践することが必要です。

 

このような果敢な挑戦をしようとしている本学には大きな期待と注目が集まっています。私は名古屋大学が自らの将来を自らの手でつかみ取るために、皆さんと共に、高い志と意気込みで、この1年間を過ごしたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

総長

名古屋大学総長
総長

 

学生ベンチャー代表との対談

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カンボジア日本法教育研究センター設立10周年記念式典

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指定国立大学法人指定書交付

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人文学研究科附属超域文化社会センター看板除幕式

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三菱UFJ銀行と産学連携に関する協定を締結

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中国・吉林大学にて行われた第9回AC21国際フォーラムに出席

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エネルギー変換エレクトロニクス実験施設(C-TEFs)開所式挙行

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シンガポール国立大学と学術交流協定締結

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名城大学との連携・協力に関する協定締結

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第14回名古屋大学ホームカミングデイを実施(中部フィルハーモニー交響楽団によるコンサート)

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名古屋大学レクチャー2018におけるレクチャーシップ楯授与の様子

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岐阜大学との東海国立大学機構設立に向けた基本合意書締結式

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