2020年、国立大学法人東海国立大学機構の幕開け
~更なる飛躍のためのチャレンジ~
MAKE NEW STANDARDS.

新年あけましておめでとうございます。年の初めにあたり、皆様にごあいさつを申し上げます。

 

昨年の年頭あいさつでは、名古屋大学が国立大学法人の新しいブランドである指定国立大学法人に指定されたこと、それに相応しい成果を生み出すために大学の機能を強化する必要があることを強調しました。また、情報のデジタル化や科学技術の急速な進歩により、社会がかつてない規模とスピードで変化している時代にあって、本学の構成員一人ひとりが、より広い視野と高い志を持ち、ビジョンを共有しながら、領域や組織の壁を越えて共に進むことの重要性を述べました。

 

このような気持ちで臨んだ昨年は、あっという間に過ぎ去りましたが、大きな成果が3つありました。第一は、指定国立大学法人構想で公約した岐阜大学との法人統合による新しい国立大学法人「東海国立大学機構」(以下、東海機構)の設立準備が、国会での法律改正も含め順調に進んだことです。第二は、このような大きな組織改革を契機として、本学における人事・評価・財務・企画戦略・施設・産学連携など多岐にわたるシステムの見直しが、これまでにないスピードで進んだことです。そして第三は、このような改革の成果を内外に発信し、「改革を進める名古屋大学」というイメージが政府、アカデミア、産業界等の関係者に刷り込まれたことです。イメージだけでなく、実際に多くの成果が挙がっています。本学構成員の皆さんの努力は素晴らしいものがあり、総長として心から感謝いたします。

 

しかし、大学を取り巻く内外の状況は厳しく、かつ変化が激しいゆえに、我が国、地域、本学が共に持続的に発展するためには、より高い目標を設定して、常に考えながら不断の努力をする必要があります。世界では、デジタル革命や科学技術イノベーションにより、社会産業構造が急速に変化しており、都市や地域の創生についても、スタートアップエコシステムの構築によって強力に進んでいる例が数多くあります。その中心には、必ず有力な大学ないし大学群が存在しています。国内では、少子高齢化の影響が重くのしかかっています。日本の総人口は、既に減少局面にあり、18 歳人口は1992 年に205 万人であったのが2017 年には117 万人、今から15 年後には、ついに100 万人を切ってしまうと予想されています。従って、今後、日本の社会や経済の姿、そして、大学の姿は一変するでしょう。

 

このような認識の下、本学が、指定国立大学法人構想で掲げてきたのは、国立大学法人の未来像構築に果敢に挑もう、ということでありました。外にあっては、日本、そして東海地域が、今後、どのように産業構造転換を図り、未来に向かって持続的に発展する礎を築くことができるかを、国や関係機関と協議してきました。内においては、本部と部局との対話による大学と部局のビジョンの明確化と共有を1 年以上かけて行ってきました。今年は、これらを踏まえて、いよいよ具体的に未来像の構築を実践していく年と位置づけられます。既に、一部は実行されていますが、これからの具体的な目標を示します。

 

第一に、本学の構成員、とりわけ執行部と部局幹部が、大学のミッション達成のために、自由な発想で行う基礎研究、知的成果を社会実装するための応用研究、そして、それらを社会に広め、イノベーションを起こすための産学官連携やスタートアップエコシステム、これら全体のバランスをとりながら、包括的かつ戦略的に発展させていくことが不可欠であるとの全体認識を共有し、協力・連携して大学の活動を進めることです。

 

第二に、本学は、地域創生に貢献する力と国際的な競争力を同時に強化するという目標で岐阜大学と法人統合し、各々が単独ではなし得ない未来への大きな可能性に挑戦することを掲げ、いよいよ4 月から東海機構を始動させます。今年は、この新しい大学組織の基盤をしっかりと創り、東海機構及び各大学の機能強化を図る重要な年です。既に、様々な面において、両大学関係者間で協議が進んでいますが、構成員一人ひとりが、将来につながる具体的な未来像や連携の姿を描いていただければ幸いです。

 

第三に、大学の重要な使命は次世代を担う人材を育成することです。東海機構では、激変する社会の中で、未来を創り牽引し、社会から求められる人材を育てたいと考えています。そのために、東海機構の下でアカデミック・セントラルという組織を立ち上げ、リベラルアーツ、数理データサイエンス、語学(英語)、トランスファラブルスキルなどを全ての学生を対象に実施したいと考えています。新たな教育システムを取り入れて学生中心の教育を展開し、高等教育のモデルの一つにする構想です。このシステムでは、地域のみならず日本全国とネットワークを組み、学生が必要とする多様な教育を享受できる仕組みを生み出したいと考えています。

 

第四に、国際化は今後、大学にとって一層重要になります。本学は、これまでも全国の大学の先頭に立って国際化を推進してきました。特に、アジアの途上国支援では成果も大きく挙がっています。一方で、途上国自体も大きく変化し、多様化しています。経済発展が著しい国もあります。これからは「途上国支援」という目線ではなく、「共創による価値創出」という観点へと発想の転換が必要です。東海機構設立を契機として、本学の国際戦略を抜本的に構築し直す好機であると捉えています。

 

最後に、このような大学の改革や機能強化には財源が必要です。基盤財源となる運営費交付金が徐々に削減されている中、リソースの有効な活用と効率化などの内部努力が必要ですが、同時に、外部資金を大幅に増やすことも求められています。本学のみならず日本の大学は、世界の研究大学と比べると、圧倒的に資金が足りないのが現状です。総合的に大学のマネジメント力を強めることは、重要な課題です。東海機構の下で、経営と教学を分離分担しながら、具体的なマネジメント体制を構築していくことは、大きなチャレンジのひとつです。

 

以上、今年の目標を述べましたが、大事なことは構成員がビジョンを共有しつつ、各自が置かれた領域や組織でベストを尽くすことができる体制を創ることです。今年も1 年間、活発かつオープンに意見交換しながら、昨年以上に成果の挙がる年にしましょう。

 

総長

名古屋大学総長
総長

 

岡本佳男 特別教授が2019年日本国際賞を受賞(写真提供:公益財団法人国際科学技術財団)

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