大学からのお知らせ

国際化拠点整備事業(グローバル30)構想責任者による共同声明

2010年11月25日

行政刷新会議「事業仕分け」での国際化拠点整備事業「グローバル30」評価(評価結果:「一旦廃止し、組み立て直す」)に対し、11月25日(木)、東京大学本部棟12階大会議室において、学術研究懇談会(RU11)と共同記者会見を行い、国際化拠点整備事業(グローバル30)構想責任者による共同声明が発表されました。


国際化拠点整備事業(グローバル30)が平成23年度以降も中断されることなく、必要な予算措置がなされるよう強く要望します

国際化拠点整備事業(グローバル30)構想責任者
東北大学理事 根元 義章
筑波大学理事・副学長塩尻 和子
東京大学理事・副学長田中 明彦
名古屋大学副総長渡辺 芳人
京都大学理事・副学長赤松 明彦
大阪大学理事・副学長辻 毅一郎
九州大学理事・副学長倉地 幸徳
慶応義塾大学常任理事阿川 尚之
上智大学副学長ジャン-クロード・オロリッシュ
明治大学副学長勝  悦子
早稲田大学常任理事内田 勝一
同志社大学副学長田端 信廣
立命館大学学長川口 清史

私たちは、平成21年度に開始された文部科学省事業国際化拠点整備事業(グローバル30)に採択されている13大学の構想責任者です。同事業が、平成22年11月18日、行政刷新会議「事業仕分け」において同会議ワーキンググループAによって、「一旦廃止し、組み立て直す」との評価を受けたことについて強い衝撃を受けるとともに、大変当惑しております。

21世紀の世界の中で日本が生き残るため、世界から優秀な人材を獲得するとともに、国際的に活躍できる日本人の人材を養成することは不可欠です。そのために大学の国際化が必須であること、とりわけ英語で学位を取れるコースを設置することは、多くの国から留学生を受け入れることのみならず、海外の大学との双方向の交流を通じ、日本人学生の国際人材育成にとって決定的に重要であることを、日本政府におかれても認識されていることと信じます。私たちは、現に進行中で、かつ国内よりもむしろ国際的に認知度が高まっているグローバル30を、着実に実施・継続することが必要であると繰り返し主張してきました。(その内容は、11月16日発表の「国際化拠点整備事業(グローバル30)の強化を要望する」に詳述してあります。)

今回のワーキンググループAの評価の中に、「大学の国際化・留学生の受入は、大学教育に極めて重要」との指摘や、「目的の重要性は理解できる」などという指摘があったことは、事業主体となっている大学にとっては、元気を与えていただいたと感じております。しかし、大学教育、とりわけ高等教育の国際化の実態に全く理解されていないようなコメントがあったことについては、納得できず遺憾に思っております。

言うまでもなく、「事業仕分け」で指摘されたように「組み立て直す」ことによって、より実効的な大学の国際化が進むのであれば、私たちも歓迎するところであります。しかし、私たちが大変危惧し、恐怖しているのは「一旦廃止し」という部分であります。ワーキンググループAの枝野座長は、取りまとめに際して「一旦白紙」と結論されましたが、現在配布されている発表文では「一旦廃止」となっております。一体、これはいかなる意味なのでしょうか。

私たち13大学は、同事業の開始とともに、印刷物上でも、ウェブサイト上でも、世界各地で行う留学フェアでも、そして採択大学が世界各地に設置した海外共同利用事務所においても、グローバル30という名称で、今後、日本の大学は、日本政府のバックアップのもとで留学生を大々的に募集すると宣伝しております。また、教育の国際化を担う外国人教員の採用を積極的に進めてきました。このような活動の効果は大きく、世界の高等教育関係者や日本へ留学を希望する学生たちの間で、グローバル30は、日本の大学のみならず日本社会の開放化のシンボルとして受け入れられつつあります。同時に、日本人学生の意識をも変えようとしています。このように、グローバル30の実施は、日本が国際社会に対して行った国際公約の一つと言えます。

それにもかかわらず、「一旦廃止」という評価を受けて、私たち採択大学は、これらの印刷物、ウェブサイト、留学フェア、そして海外共同利用事務所で、一斉にグローバル30は「一旦廃止」されたと掲示しなければならないのでしょうか。11月末から12月にかけては、グローバル30の多くのプログラムが行う秋入学を目指して世界中の留学生が願書を提出する時期です。これらの留学生に対して、「私たちは、あなたたちの応募しているプログラムは、グローバル30という政府のプログラムの支援を受けてきたが、この政府プログラムは「一旦廃止」された」と伝えなければならないのでしょうか。

「一旦」とはどういう意味なのでしょうか。これが、通常の辞書にあるように、「しばらくの間」というような意味だとすると、グローバル30というプログラムは、しばらくの間、消滅することになります。そうだとすれば、すでに海外からの留学生が正規の学生としてグローバル30のプログラムに入学してきている大学においては、それらの留学生やそのご家族、ひいては彼らを送り出した国々を欺いていたことになります。同時に、私たちは、全ての印刷物やウェブサイトからこの言葉を削除し、留学フェアでも海外共同利用事務所でもこの言葉に言及するのをやめざるをえません。「どうしてか」と聞かれるのは必然ですが、私たちは、それは「政府がお決めになったことです」としか答えようがありません。

このようなことになったら、日本はどうなるのでしょうか。私たちが添付の声明文で懸念したとおり、日本政府は「大学の国際化は必要ない」、「英語で学位の取れるプログラムを作ることは無駄である」と考えているとの誤ったメッセージを送ることになってしまいます。日本は「開国」ではなく「鎖国」に向かっているという象徴的な政策変更だととられるでしょう。何よりグローバル30で弾みのついた日本の大学の国際化が停滞するだけでなく、長期的に見て国際社会における日本の立場に決定的なダメージを与えることを、教育者・研究者として心底懸念します。

私たちは、「組み立て直す」その間も、グローバル30という、日本がすでに国際社会に発信した国際公約と言うべきメッセージを傷つけることはすべきでないと思います。繰り返しになりますが、同事業が1日でも中断するとのメッセージが出てしまえば、これを取り返すことは至難の技です。一度傷ついた国際的な信用を修復することがどれほど大変かは、最近の日本を取り囲む国際関係を見ても明白です。

私たち13大学も、グローバル30をさらに良いものにしていくため、今後も政府との連携・協力を一層緊密していく所存です。しかし、そのためにも、「一旦廃止し」という文言が国際社会において持つ負のメッセージ性に着目し、再考していただくことを強く要望します。事態は、国内における補助金事業の一つにとどまらないものと確信します。

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