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生物学

2021.02.19

神経再生の抑制を解除するしくみを発見 ~新たな治療法開発の一助になる可能性~

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院理学研究科の久本 直毅 教授の研究グループは、モデル生物である線虫を用いて、切断された神経の再生を内部で抑制するタンパク質を新たに発見しました。さらにそのタンパク質を分解するしくみも発見し、そのしくみが切断された神経で働くことで、抑制が解除されて再生できるようになることを明らかにしました。

本研究は、神経再生を抑制する新たなタンパク質の発見、およびそれによる抑制の解除方法を分子レベルで解明したものであり、神経再生の新たな治療法開発の一助になる可能性が期待されます。

この研究成果は、2021年2月16日付米国科学雑誌「The Journal of Neuroscience」オンライン版に掲載されました。

 

【ポイント】

・神経の再生を抑制するタンパク質を、神経自身が分解することで再生を促進するしくみを見出し、その分子メカニズムを解明した。

・神経再生の新たな治療法開発の一助になる可能性を期待。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

 

【論文情報】

雑誌名:The Journal of Neuroscience

論文名:BRCA1–BARD1 regulates axon regeneration in concert with the Gqa–DAG signaling network (BRCA1–BARD1複合体はGqa–DAGシグナルネットワークと協調して神経軸索再生を促進する)

著者:酒井芳樹、花房洋、清水達太、ストラヒルパストゥホフ、久本直毅、松本邦弘(全て名古屋大学大学院理学研究科)

DOI:10.1523/JNEUROSCI.1806-20.2021                            

 

【研究代表者】

大学院理学研究科 久本 直毅 教授