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生物学

2023.08.23

発光トビムシの正体を解明!土に潜む、緑色に光る陸上最小の発光節足動物 ~独自に考案した方法で、発光トビムシを次々と発見~

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院理学研究科・高等研究院の別所-上原 学 特任助教は、大平敦子博士(多摩六都科学館学芸員;当時横浜国立大学社会人大学院生)を中心とする横浜国立大学・多摩六都科学館・中部大学の研究チームとともに、300年以上謎だった発光トビムシの正体を世界で初めて突き止めました。また、トビムシの発光能を試験する方法を考案し、既知種の中から新たに3種が光ることを発見するという快挙を成し遂げました。加えて、トビムシが発光する様子の動画撮影に世界で初めて成功し、緑色に光るということを科学的に確かめました。これらの成果はニュージーランドの科学雑誌「ズータクサ」に8月7日に公開されました。

 

【ポイント】

1. 謎の発光トビムシの正体がザウテルアカイボトビムシであることを解明。
2. 今まで別の種が間違ってザウテルアカイボトビムシと呼ばれていたことが判明。その種を新たにオニイボトビムシと命名。
3. アミメイボトビムシ属の種が光ることを世界で初めて発見。この属は同じ属に発光種と非発光種が含まれるという稀な事例。
4. 世界初、トビムシが発光する様子の動画撮影に成功。名前が特定された種で緑色に光るという科学的証拠が得られたのは世界初。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【論文情報】

・掲載誌:Zootaxa [ズータクサ]
・タイトル:Contribution to the taxonomy of Lobellini (Collembola: Neanurinae) and investigations on luminous Collembola from Japan [アカイボトビムシ亜科の分類の整理および日本産発光トビムシの調査]
・著者:Atsuko Ohira, Taizo Nakamori, Sachi Matsumoto, Manabu Bessho-Uehara, Takumi Kato, Yuichi Oba [大平敦子、中森泰三、松本幸、別所-上原学、加藤巧己、大場裕一]
・研究協力:澄田智香(横浜国立大学)ほか多数
・DOI: https://doi.org/10.11646/zootaxa.5325.1.4

 

■動画
・DOI: https://doi.org/10.6084/m9.figshare.23702907

 

【研究代表者】

高等研究院/大学院理学研究科 別所-上原 学 特任助教
http://bbc.agr.nagoya-u.ac.jp/~junkei/new/index.html