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工学

2024.05.28

GaN半導体デバイス製造をブレークスルーする最先端技術 ~名大発のラジカル制御技術で、低コスト化と脱炭素社会へ新たな道~

名古屋大学低温プラズマ科学研究センターの堀 勝 特任教授、石川 健治 教授、Arun Kumar Dhasiyan(ダシヤン・アルン・クマール)特任講師らの研究グループは、従来工業的に使われていたMOCVD法に代わるプラズマを用いたGaN半導体の新しい結晶成長法を開発しました。
従来法のように有毒な大量のアンモニアガスを使用せず、低温でかつ高速で窒化物半導体が成長できるため、現在注目されている低消費電力であるパワー半導体であるGaN半導体デバイスの高品質化、低コスト化が可能となり、脱炭素社会の発展に多大な貢献ができます。
本研究成果は、2024年5月13日付国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。

 

【ポイント】

・従来のMOCVD法注1)に代わるGaN半導体注2)の新しい結晶成長法を開発した。有毒なアンモニアを用いず、低温で高速成長ができ、低コスト化、高品質化が可能となり、低消費電力GaN半導体の実用化を進展できる。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【用語説明】

注1)MOCVD法:
有機金属化学気相成長法
注2)GaN半導体:
III族元素のガリウム(Ga)と窒素(N)から成る化合物半導体

 

【論文情報】

雑誌名: Scientific Reports
論文タイトル: Epitaxial growth of high-quality GaN with a high growth rate at low temperatures by radical-enhanced metalorganic chemical vapor deposition
著者: Arun Kumar Dhasiyan, Frank Wilson Amalraj, Swathy Jayaprasad, Naohiro Shimizu, Osamu Oda, Kenji Ishikawa & Masaru Hori    
DOI: 10.1038/s41598-024-61501-9
URL: https://www.nature.com/articles/s41598-024-61501-9

 

【研究代表者】

低温プラズマ科学研究センター 堀 勝 特任教授
低温プラズマ科学研究センター Arun Kumar Dhasiyan (ダシヤン・アルン クマール) 特任講師
https://www.plasma.nagoya-u.ac.jp/