ごあいさつ

 名古屋大学は、西洋の近代教育研究機関を目指して明治維新直後の1871(明治4)年に開設された仮病院・仮医学校を創基とし、今年で147周年を迎えました。また、1939(昭和14)年に、総合大学として名古屋帝国大学が創立されてから79年を経て、今日に至っています。名古屋大学では、大学の憲法ともいうべき学術憲章(2000(平成12)年制定)において、「自由闊達」な学風の下、人間と社会と自然に関する研究と教育を通じて、人類の幸福に貢献する「勇気ある知識人」の育成を使命として掲げております。21世紀に入り、6名のノーベル賞受賞者を輩出し、世界に誇る研究成果と幾多の優秀な人材育成により、中部地域の基幹的総合大学として人類社会の発展に貢献してきました。本学ではこれまでの教育研究などの成果を継続し、さらに発展させるために"NU MIRAI 2020"を公表し、教職員一丸となってその実現に努力しています。一方で世界は今、急激に変化し、将来への不安は増大するばかりです。名古屋大学には多様な人々が集い、人類社会が持続的に発展できる明るい未来の創造のために、叡智を結集して挑んでいます。名古屋大学は、来年創立80周年、3年後に創基150周年を迎えます。また今年3月には、文部科学大臣より、世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる大学として「指定国立大学法人」に指定されました。今後、「世界屈指の研究大学」を目指し、名古屋大学をこれまでとは違った次元に高めていくために一層努力し、社会のために貢献してまいりたいと考えております。

 

 さて、名古屋大学ホームカミングデイは、卒業生・教職員OBの方々との緊密な連携強化、保護者の皆様との相互理解、並びに本学の優れた教育・研究の成果を地域住民の皆様に広く発信することを目的に、2005(平成17)年度から毎年開催しており、今回で14回目を迎えることができました。これもひとえに、本学の長い歴史を支えてくださった卒業生・修了生、教職員OB、そして地域の方々をはじめとする多くの皆様のご支援の賜物と心から厚くお礼申し上げます。

 

 今年度の名古屋大学ホームカミングデイは、メインテーマを『社会の中の大学』とし、より一層社会へ貢献していくため、社会の中で大学がどのような役割を果たしていけるのかについて皆様と共に考えていきたいと思います。主な行事としましては、特別企画「人生100年時代に向けた社会と大学の協働」(詩人・伊藤 比呂美氏による講演会)、中部フィルハーモニー交響楽団によるコンサート、キャンパス内各施設の公開・見学ツアー等、皆様に楽しんでいただける多彩な催しを実施いたします。また、各学部・大学院では、同窓生・保護者等の方々を対象とした多彩な行事やイベントを実施いたします。

 

 ホームカミングデイでは、現在の名古屋大学の姿、そして未来に挑んでいる名古屋大学の姿、をぜひご覧いただきたいと思います。ひとりでも多くの皆さまにお越しいただき、未来に向けて発展している名古屋大学の魅力を発見していただければ幸いです。今後とも温かいご支援とご理解を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

平成30年8月

名古屋大学 総長