TOP   >   工学   >   記事詳細

工学

2021.03.31

AIも木から落ちる! 不確実な予測情報でも精密にシステム制御できる新技術

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科の東俊一教授は、大阪大学大学院工学研究科の南裕樹准教授らとともに、AIが予測した不確かな情報を自動制御システムの信頼性が低くならないように、システムの特徴を考慮して適切に修正する技術を開発しました。

電力システムや自動運転システムなどでは、AI予測技術を利用して、意思決定・制御に必要な情報を予測します。しかし、現実には、完全な予測はできず、間違うこともあります。この予測の不確実性は、システム全体の信頼性に影響を与える可能性があります。

今回、本研究グループは、予測情報を適切に整形して、意思決定・制御の精度を高める技術「予測ガバナ」を数理的なアプローチに基づいて開発しました。これは、自動制御システムの数理モデル※3と過去の実績情報を利用して、予測情報を積極的に整形するもので、対象とするシステムに特化した最適な整形が可能になります。また、電力システムの需給バランス制御のシミュレーションを行い、本結果を利用することで、制御の精度が約55%向上することを確認しました。

本結果により、予測が不確実である場合において、意思決定と制御の信頼性を向上させるための主要技術の1つになり、電力システムや自動運転システム,医療システムなどへの応用が期待されます。

 

【ポイント】

・ AIは間違った予測をすることがある。そのような不確実な予測情報※1を利用して、自動制御システム※2の意思決定と制御を行う場合、システム全体の信頼性が低くなる。

・本研究では、きめ細やかな意思決定と制御を実現できるように、AIが予測した予測情報をシステムの特徴に合わせて修正する技術を数理的なアプローチに基づいて開発した。

・ 本結果は、予測が不確実である場合において、制御の信頼性を向上させるための主要技術の1つになり、電力システムだけでなく、自動運転システム、医療システムなどへの応用が期待される。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

 【用語説明】

※1 予測情報

センサで直接計測できない信号をデータから推定したもの。予測精度の高い機械学習技術などが開発されているものの、現実世界において予測誤差を完全になくすことはできない。

 ※2 自動制御システム

運転計画を立てること(意思決定)とそれを実行すること(制御)をコンピュータを利用して自動的に行えるようにしたシステム。

 

【研究代表者】

大学院工学研究科 東 俊一 教授 

http://www.ctrl.mae.nagoya-u.ac.jp/