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工学

2021.06.17

大型放射光施設SPring-8での「はやぶさ2」サンプルカプセル内の粒子のPhase2キュレーション高知チームによる分析開始について

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学シンクロトロン光研究センターの櫻井 郁也 特任准教授、岡田 育夫 アドバイザーが参加するPhase2キュレーション高知チーム(国立研究開発法人海洋研究開発機構超先鋭研究開発部門高知コア研究所の伊藤元雄主任研究員が代表)※1は、6月20日(日)から「大型放射光施設SPring-8※2」で小惑星リュウグウの粒子分析を開始します。

本分析はSPring-8長期課題「はやぶさ2サンプルのX線CTを用いた初期分析:技術開発、分析手法評価と分析:代表・土`山明(立命館大学・教授)」の一環で行われます。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【用語解説】

※1 Phase2キュレーション

JAXA宇宙科学研究所の地球外試料キュレーションセンター(ESCuC)は、「はやぶさ」をはじめとするサンプルリターンミッションによる地球外惑星からの帰還試料の受入れとその管理を主な目的として設立されました。「はやぶさ2」では、ESCuCとJAXAキュレーション専門委員会が選定した連携拠点機関(JAMSTEC高知コア研究所を中心とした多研究機関、岡山大学惑星物質研究所)がPhase2キュレーションを行うための協力体制を作っています。Phase2キュレーションでは、ESCuCと協働でキュレーション活動に資する大気非曝露環境下での試料配分容器、輸送・搬送機器や分析技術などを開発しています。また、それぞれの機関が開発した高度分析技術により「はやぶさ2」試料の詳細な物質科学的記載を進め、小惑星リュウグウから得られる科学成果を最大化することも目的としています。

※2 大型放射光施設SPring-8

兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出す理化学研究所の施設で、その利用者支援等は高輝度光科学研究センターが行っています。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8GeVに由来します。SPring-8による電子の加速エネルギー(8GeV:80億電子ボルト)の場合、遠赤外から可視光線、真空紫外、軟X線を経て硬X線に至る幅広い波長域で放射光を得ることができ、国内外の研究者の共同利用施設として、物質科学・地球科学・生命科学・環境科学・産業利用など幅広い分野で利用されています。 

 

【研究代表者】

シンクロトロン光研究センター 櫻井 郁也 特任准教授

http://www.nusrc.nagoya-u.ac.jp/