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数物系科学

2022.03.29

アメリカ・アラスカ州でオーロラ観測ロケットの打ち上げに成功 -明滅するオーロラとキラー電子の関係を探るー

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学宇宙地球環境研究所の三好 由純 教授、能勢 正仁 准教授らは、宇宙航空研究開発機構の浅村 和史 准教授、東北大学の 坂野井 健 准教授、電気通信大学の細川 敬祐 教授らと共に、2022年3月5日午前2時27分30秒(現地時間)に、アメリカ・アラスカ州のポーカーフラットリサーチレンジにおいて、アメリカ航空宇宙局(NASA)の観測ロケットLAMPの打ち上げを行いました。激しく変化するオーロラにロケットを命中させることは容易ではありませんが、LAMPロケットは、明滅するオーロラに命中し、オーロラが光っている場所での電子や光、磁場の詳細な観測に成功しました。
本研究では、謎に包まれている明滅するオーロラに関して、オーロラの中にロケットを打ち込んで観測することによって、明滅しているオーロラの起源を明らかにします。更に、本研究グループが提唱する、明滅オーロラとともに、キラー電子と呼ばれる超高エネルギー電子が同時に大気へ降っているという仮説の検証を行います。
本ロケット実験は、2015年度から始まった科学研究費補助金 基盤S「極限時間分解能観測によるオーロラ最高速変動現象の解明」等の支援を受けて、日米の国際共同研究として実施されたもので、名古屋大学、宇宙航空研究開発機構、東北大学、電気通信大学、九州工業大学、アメリカ航空宇宙局(NASA)、ニューハンプシャー大学、ダートマス大学、アイオワ大学の研究者や大学院生が参加しました。
本研究は、科学研究費補助金 (15H05747, 16H06286, 18KK0100, 21H04526, 17K18804)、村田学術振興財団研究助成、宇宙航空研究開発機構、名古屋大学宇宙地球環境研究所、京都大学生存圏研究所の支援のもとで行われたものです。

 
【ポイント】

・アメリカ・アラスカ州で、アメリカ航空宇宙局(NASA)のオーロラ観測ロケット実験 LAMPの打ち上げに成功。
・明滅するオーロラの中に飛び込んで、電子やオーロラ発光、磁場の変化を詳細に観測。
・理論的に予測されている、明滅するオーロラと、キラー電子とが同一起源であるという仮説の実証が期待される。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【参考】

LAMPロケット実験プロジェクトホームページ
https://lamp-mission.sites.uiowa.edu/

 

ロケット発射時の動画 (YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=B3c08YCAXlg

 

脈動オーロラプロジェクトホームページ
http://www.psa-research.org/

 

NASAによるリリース
https://www.nasa.gov/feature/goddard/2022/sun/nasa-rocket-team-to-chase-pulsating-aurora/

 

アラスカ大学によるリリース
https://uaf.edu/news/nasa-rocket-launches-from-poker-flat-in-search-of-aurora-answers.php

 

【研究代表者】

宇宙地球環境研究所 三好 由純 教授
https://is.isee.nagoya-u.ac.jp/