国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学生物機能開発利用研究センターの辻 寛之 教授らの研究グループは、横浜国立大学の児嶋 長次郎 教授、横浜市立大学の田岡 健一郎 博士、及び神戸大学、大阪大学、京都大学、鹿児島大学、名城大学との共同研究で、植物の花の発生を誘導する最強の運命決定因子であるフロリゲンの機能を直接制御できる化合物を新たに発見しました。
このことにより、 花と実りをもたらす新しい技術の開発への応用が期待されます。
本研究成果は、2022年10月26日付イギリスの科学雑誌「The Plant Journal」に掲載されました。
・植物の花の発生を誘導する最強の運命決定因子であるフロリゲンの機能を直接制御できる化合物を発見した。
・発見した化合物はフロリゲン活性化複合体注1)の形成を阻害した。
・フロリゲンの機能を人為的に制御する新技術の開発につながる。
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注1)フロリゲン活性化複合体:
フロリゲンの活性本体となる転写複合体。フロリゲンFTタンパク質、フロリゲン受容体14-3-3タンパク質、転写因子FDの3種類のタンパク質によって構成され、核内で花の発生を誘導する遺伝子の発現を活性化する。
雑誌名:The Plant Journal
論文タイトル:Multifunctional chemical inhibitors of the florigen activation complex discovered by structure-based high-throughput screening
著者:Ken-ichiro Taoka*, Ikumi Kawahara, Shoko Shinya, Ken-ichi Harada, Eiki Yamashita, Zenpei Shimatani, Kyoko Furuita, Tomoaki Muranaka, Tokitaka Oyama , Rie Terada, Atsushi Nakagawa, Toshimichi Fujiwara, Hiroyuki Tsuji*, and Chojiro Kojima* (* Corresponding authors) 下線は本学教員
DOI:doi.org/10.1111/tpj.16008
URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/tpj.16008