TOP   >   生物学   >   記事詳細

生物学

2023.04.21

メラニン生合成には、亜鉛も必要だった!

メラニンは紫外線から肌を守る重要な物質です。一方で過剰なメラニンはシミの原因となるため、メラニン生成を抑制する成分は美白化粧品に使用されています。メラニンの生合成にはチロシナーゼと呼ばれる酵素群が機能することが知られており、チロシナーゼの活性化には銅が重要であることが知られていました。橋本寿史 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院理学研究科講師は、神戸大朋 京都大学大学院生命科学研究科准教授、我妻拓実 同博士課程学生、木下政人 京都大学大学院農学研究科准教授、安藤秀哉 岡山理科大学教授、Michael J. Petris ミズーリ大学教授らの研究チームとともに、メダカと培養細胞を用いて、メラニン生合成には銅のみならず亜鉛が重要な役割を果たすことを世界で初めて明らかにしました。これは、70年以上前より銅のみが重要であると信じられてきたメラニンの生合成に、他の金属も必要であることを明確に示した成果になります。
本研究成果は、2023年4月18日(火)18時(日本時間)に国際学術誌「Communications Biology」にオンライン掲載されました。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【論文情報】

タイトル
Pigmentation and TYRP1 expression are mediated by zinc through the early secretory pathway-resident ZNT proteins(色素形成とTYRP1の発現は、初期分泌経路局在型ZNTタンパク質により輸送された亜鉛により媒介される)
著  者
Takumi Wagatsuma, Eisuke Suzuki, Miku Shiotsu, Akiko Sogo, Yukina Nishito, Hideya Ando, Hisashi Hashimoto, Michael J. Petris, Masato Kinoshita and Taiho Kambe
掲 載 誌
Communications Biology
DOI
https://doi.org/10.1038/s42003-023-04640-5

 

【研究代表者】

大学院理学研究科 橋本 寿史 講師
http://bbc.agr.nagoya-u.ac.jp/~junkei/new/index.html