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国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学宇宙地球環境研究所の金田 幸恵 特任助教は、東京大学の岡英太郎准教授、東北大学の杉本周作准教授、東京海洋大学の小橋史明教授らの研究グループとともに、北太平洋亜熱帯域の深さ100~500mに広く分布する水温均一な水塊「亜熱帯モード水」が、厚くなるほど海洋表層の水温構造を押し上げる効果(「持ち上げ効果」)を通じて海面付近を冷やし、さらには台風を弱めること、また逆に、薄くなるほど台風を強めることを明らかにしました。

 

【ポイント】

◆日本の南の海の深さ100~500mに広く分布する水塊「亜熱帯モード水」の厚さの増減が、海面付近の水温を通じて台風の発達・減衰に影響していることを発見しました。
◆この水塊の厚さの増減は、海洋表層の生物生産にも影響していることが期待されます。
◆将来変化としてこの水塊の縮小が予測されており、上記の結果から、地球温暖化に伴う海面水温上昇、台風強化、海洋貧栄養化、生物生産減少がさらに強化されることが示唆されます。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【論文情報】

〈雑誌〉Science Advances
〈題名〉Subtropical Mode Water south of Japan impacts typhoon intensity
〈著者〉Eitarou Oka*, Shusaku Sugimoto, Fumiaki Kobashi, Hatsumi Nishikawa, Sachie Kanada, Tomoe Nasuno, Ryuichi Kawamura, and Masami Nonaka
〈DOI〉10.1126/sciadv.adi2793
〈URL〉https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adi2793

 

【研究代表者】

宇宙地球環境研究所附属統合データサイエンスセンター 金田 幸恵 特任助教
http://www.rain.hyarc.nagoya-u.ac.jp/