総合理工
2023.10.27
ナノカプセルに閉じ込めた金ナノ粒子を使って三次元構造を組み立てる新しい技術を開発 ~ 高感度のマルチカラーセンサーなどへの応用に期待 ~
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学未来材料システム研究所の桒原真人准教授と東邦大学の桒原彰太准教授らの研究グループは、シリカ殻を持つナノカプセル内に閉じ込めた金ナノ粒子を用いて、ナノ物質による三次元構造を作り出す技術を新しく開発しました。ナノ物質同士を組み立てることにより新たな物性の発現が期待され、その三次元構造が持つ特徴的な光学特性を利用することで、高感度のマルチカラーセンサーなどの技術開発に繋がることが期待されます。
この研究成果は2023年10月25日に英国王立化学会が刊行する「Nanoscale Advances」誌に発表され、同誌のOutside Front Coverとして選出されました。
● 光学特性を利用してバイオイメージング、光触媒などへの応用が期待されている、金ナノ粒子を用いた三次元構造を構築することに成功しました。
● 得られた金ナノ粒子の三次元構造の電子エネルギー損失分光(EELS)マッピングに関する計算結果から、外部から入射する電磁場のエネルギーに依存して異なるプラズモンモードが発生し、入射光のエネルギーに依存して、様々な位置に強い電磁場が発生する構造体を構築することができました。
● 本研究成果は、多種類の金ナノ粒子の三次元構造を組み合わせた高感度のマルチカラーセンサーなどの技術開発に繋がることが期待されます。
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雑誌名:「Nanoscale Advances」(2023年10月25日)
論文タイトル: Three-dimensional building of anisotropic gold nanoparticles under confinement in submicron capsules
著者:Ryuichi Yamada, Makoto Kuwahara, and Shota Kuwahara*(*責任著者)
DOI番号:10.1039/d3na00683b
アブストラクトURL:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2023/na/d3na00683b