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情報学

2025.04.24

世界初、CT画像をAIが比較・解析し日本語の所見文を生成 ~放射線科医の経過観察支援に期待~

名古屋大学大学院情報学研究科の森 健策 研究室、情報・システム研究機構 国立情報学研究所医療ビッグデータ研究センターの共同研究グループは、経過観察のために撮影された2つの3次元X線CT画像注1)を解析し、自然な日本語所見文を生成する世界初の生成AI注2)を開発しました。本生成AIを利用し、2つの異なるCT像画像を比較して、その結果を日本語文章として出力することができるようになりました。これによって、放射線科医の正確なCT画像読影所見文の作成を支援することが期待されます。
本研究成果は、2025年4月30日に開催のSIP第3期「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」公開シンポジウムで発表されます。

 

【ポイント】

・ 経過観察のために撮影された2つの3次元X線CT画像を解析し、自然な日本語所見文を生成する世界初の生成AIを開発。
・ 経過観察のために2つの3次元CT画像と所見文を生成するための質問文を入力し、所見文を生成する生成AIモデルを開発。
・ 大規模医用画像データベースの3次元CT画像と付随する所見文を用いて生成AIモデルを訓練。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【用語説明】

注1) X線CT画像/3次元X線CT画像
X線CT画像はX線を用いて人体の輪切り断面画像を撮影する装置。3次元X線CT画像は、人体輪切り断面画像を積み重ねて得られる3次元画像。
注2) 生成AI:
文章・画像などを作り出すAIのこと。

 

【研究成果の外部発表】

2025年4月30日に開催のSIP第3期「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」公開シンポジウムにて、デモンストレーション発表の予定です。

 

【研究プロジェクトについて】

本研究は、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「統合型ヘルスケアシステムの構築(課題番号:JPJ012425) テーマ2 研究代表者 東京大学 教授 原田達也 主たる共同研究者 名古屋大学 教授 森 健策 主たる共同研究者 国立情報学研究所 特任准教授 村尾晃平 / テーマ4 研究代表者 情報・システム研究機構 教授 合田憲人 主たる共同研究者 名古屋大学 教授 森 健策 主たる共同研究者 国立情報学研究所 教授 相澤彰子 および、テーマE-2 研究代表者 京都大学 特定教授 黒橋禎夫 主たる共同研究者 名古屋大学 教授 森 健策 主たる共同研究者 国立情報学研究所 教授 合田憲人」の支援を受けました。

 

【研究代表者】

大学院情報学研究科 森 健策 教授
http://www.newves.org