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工学

2025.09.25

溶液成長法による6インチp型SiCウエハおよび6インチ・8インチn型SiCウエハの試作に成功

【ポイント】

株式会社オキサイドパワークリスタル(本社:山梨県北杜市、代表取締役社長:古川 保典)、Mipox株式会社(本社:栃木県鹿沼市、代表取締役社長:渡邉 淳)、株式会社UJ-Crystal(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:宇治原 徹)、アイクリスタル株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:髙石 将輝)、国立研究開発法人産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター(チーム長:児島 一聡)、ならびに国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学 未来材料・システム研究所(教授:宇治原 徹)の開発グループは、名古屋大学で長年培われた溶液成長法(注1)のシーズ技術を基盤とし、さらにAI技術であるデジタルツイン(注2)を活用することで、6インチp型SiCウエハおよび6インチ・8インチn型SiCウエハの試作に成功しました。とりわけp型SiCウェハについては、従来の昇華法では大口径化が困難であり、超高耐圧パワーデバイス実現の最大の課題とされてきましたが、今回の成果により直流送電や大規模データセンター向け電源システムなど、次世代社会インフラを支えるキーマテリアルへの道が大きく拓かれました。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【用語説明】

1.溶液成長法とは、溶媒に溶け込んでいる溶質を種結晶上に析出させ結晶成長させる方法です。SiC の場合、炭素(C)製坩堝内にシリコン(Si)を投入、加熱して液体とし、坩堝材の C が Si 溶媒中に溶け込みSiC 溶質が作られます。その SiC 溶質を SiC 種結晶に析出させ、SiC 単結晶を成長させます。従来の昇華法に比べ、原理的に欠陥が少なく高品質な単結晶育成が可能な方法です。

2.デジタルツインとは実験や製造工程を仮想空間で再現し、条件探索や最適化を高速に行うシミュレーション技術です。

 

【研究代表者】

未来材料・システム研究所 宇治原 徹 教授
https://ujihara.material.nagoya-u.ac.jp/