・海鳥の血液中水銀濃度を用いて、世界規模の海洋水銀分布推定手法を新たに構築した。
・4カ国12機関による国際共同研究により、海鳥108種・11,000個体以上の成鳥データを統合解析し、世界で初めて生物由来の実測データを用いて全海洋における水銀の空間分布を推定した。
・種ごとの食性や生息域の違いが血中水銀濃度のばらつきに与える影響を定量化し、種間差を考慮した「海鳥ベースモデル」を構築した。
・沿岸から外洋、熱帯から極地まで広く分布する海鳥を用いることで、地球規模の海洋水銀汚染を網羅的に評価できることを示した。
・本手法は、水俣条約など国際的な水銀排出規制の効果検証に資する新たなモニタリング基盤となる。
名古屋大学大学院環境学研究科の大門 純平 研究員、庄子 晶子 教授、国立研究開発法人 水産研究・教育機構の西澤 文吾 主任研究員を中心とする研究グループは、4カ国12機関による国際共同研究を先導し、海鳥108種・11,000個体以上の成鳥から得られた血中総水銀濃度を解析し、世界で初めて生物由来のデータに基づいて全海洋における水銀の空間分布を推定しました。
海鳥は、沿岸から外洋、熱帯から極地まで広く分布し、餌をとる水深も多様であるため、地球規模の海洋環境を網羅的に監視することが可能です。海鳥のモニタリングは、水俣条約のような国際的取り組みの効果を評価する上で欠かすことができません。
本研究成果は、2026年1月14日付で環境科学分野の国際誌「Science of the Total Environment」にオンライン掲載されました。
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雑誌名:Science of the Total Environment (出版社:Elsevier)
Five Year Impact factor:8.7(Web of Science、2026年1月5日確認)
論文タイトル:Global drivers of variation in blood mercury of seabirds revealed by a meta-analysis
著者:Okado., J(本学研究員)., B. Nishizawa, J. H. Fischer, O. C. Rowley, Y. Toquenaga, Y. Niizuma, C. Nakajima, F. Ujiie, T. Kawai, S. Whelan, S. A. Hatch, P. Bustamante, G. Elliott, G. C. Parker, K. Rexer-Huber, K. Simister, G. Tocker, K. Walker, H. U Wittmer, I. Debski, A. Shoji(本学教員).
DOI:10.1016/j.scitotenv.2025.181317
URL:https://doi.org/10.1016/j.scitotenv.2025.181317
大学院環境学研究科 庄子 晶子 教授, 主著者;大門 純平(研究員), 西澤 文吾(国立研究開発法人 水産研究・教育機構 主任研究員)
https://www.eps.nagoya-u.ac.jp/ecology.html