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工学

2021.04.26

名古屋大学、名大発ベンチャー、三井化学(株)がウイルス除去効果の高いインナーマスクを開発・市場販売開始!

国立大学法人東海国立大学機構  名古屋大学大学院工学研究科の堀 克敏 教授は、名古屋大学発ベンチャーである株式会社フレンドマイクローブ及び三井化学株式会社と共に、通常のマスクの下に装着してウイルス除去効果を高めるインナーマスクを開発し、市場販売が開始されました。

三者は昨年5月より、三井化学製不織布を使用した3次元マスクの開発を進めており、昨年8月からフレンドマイクローブ社が第1号マスクを販売しています。今回は第2号マスクに相当するものですが、インナータイプである点が大きく異なります。様々なタイプのマスクが出回る中、好きなマスクの下に装着することでウイルス除去効果を高めるとともに、独自の立体構造により、口の周りに空間を確保することができます。使い捨て不織布フィルターを、樹脂製インナーマスク本体に簡単な操作で装着する仕様になっています。フィルター装着部の固定方法には、はずれにくい紐固定式が採用され、肌に当たる部分には柔らかいシリコンスポンジゴムも採用されるなど、新たな工夫も施されています。

堀教授は、マネキンを使用した独自のマスク性能評価測定装置を作製し、新型インナーマスクの性能を評価しました。その結果、マスク着用状態におけるウイルス除去率は、通常の不織布マスクが50%程度であったのに対し、新型インナーマスクは、上からウレタン製マスクを重ねた状態で90%近くのウイルス除去効果(第1号マスク単独着用時と同程度またはそれ以上)を発揮しました。人混みに出る際に、マスクの下に装着すれば感染リスクを下げられるため安心です。フィルター以外の箇所からの空気の漏れが少なく、メガネが曇りにくいという特徴もあります。マスク会食時に使用した場合、マスクが口に触れないため食事がしやすく汚れにくいです。

本インナーマスクは、4月23日よりネット販売が開始されたところです。

サイトURL: https://friendmicrobe.co.jp/shop/?id=41785806

今回、東海地区に多数の店舗を展開する美容室グループの旗艦店(名古屋市名駅)の美容師スタッフへの着用も決まりました。なお、1号マスクの販売も継続されているので、個々人の必要性と好みに応じた選択が可能です。新型コロナウイルス感染の第4派が警戒される中、感染拡大防止への貢献が期待されます。
 

【ポイント】

・好きなマスクの下に装着することによりウイルス除去効果を高める、インナータイプのマスク

・ウイルス除去機能のある不織布フィルターを毎日交換することで、清潔に保つことができる

・独自の立体構造によりフィルター以外からの漏れを抑えることができる

・マネキンを使用した独自試験により性能を評価

・密閉性が高いためメガネが曇りにくい

・3次元にすることで口の周りに空間を作り、顔への負担を低減し、マスク会食時にも使いやすい

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【研究代表者】

 大学院工学研究科  堀 克敏 教授