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国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学工学研究科の柏谷 聡 教授らの研究グループは、電磁波イメージングに用いる材料として、ダイヤモンド窒素-空孔(NV)センターに着目し、これにマイクロ波パルスシーケンスを照射してスピンロッキングを行い、電磁波強度をダイヤモンドNVセンターの量子スピン状態を介して広視野光学顕微鏡上に像を取得することにより、高い空間分解能での電磁波イメージングに初めて成功しました。

電磁波イメージングの空間分解能は、広視野光学顕微鏡の分解能で決まります。従来の微小アンテナや電磁波センサアレーを用いた手法ではmm(ミリメートル)オーダーであった空間分解能は、本研究により3桁改善されたμm(マイクロメートル)オーダーを達成しました。

電磁波イメージング技術は、今後高い空間分解能での検査技術が求められる、5Gやこれに続く6Gといった高速無線通信帯域における、高密度に実装された高周波デバイス、高周波回路等からの電磁波強度や誘電率の可視化技術への貢献が期待されます。
 

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【論文情報】

【題 名】  Near-field radio-frequency imaging by spin-locking with a nitrogen-vacancy spin sensor.

                   (窒素-空孔スピンセンサを用いたスピンロッキングによる近接場RFイメージング)

                   掲載誌の編集者によって“Featured Article”に選ばれました

【著者名】  Shintaro Nomura, Koki Kaida, Hideyuki Watanabe, and Satoshi Kashiwaya

【掲載誌】  Journal of Applied Physics

【掲載日】  2021年7月9日

【DOI】      10.1063/5.0052161

 

【研究代表者】

https://www.surf.ap.pse.nagoya-u.ac.jp/