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工学

2022.01.19

名古屋大学と名大発ベンチャーが地元企業に技術協力し、メンテナンスフリーの「高性能ウイルス不活化装置」を開発・市場販売開始!

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科の堀 克敏 教授は、名古屋大学発ベンチャーである株式会社フレンドマイクローブと共に、地元企業の株式会社小島産業(名古屋市緑区)が開発・製造したウイルス不活化装置「キルウイルZ」のウイルス除去性能の検証と検証結果に基づいた技術協力を行い、この度、厚生労働省の推奨するHEPAフィルタ注1)方式の空気清浄機と同等レベルの性能を発揮できる改良型の「キルウイルZ MAX」を完成させました。
換気は、非常に重要な新型コロナウイルス感染症対策の一つであり、換気の悪い空間においては、空気清浄機の併用が厚生労働省によって推奨されています。HEPAフィルタ方式以外の空気清浄機は、浮遊ウイルスの除去に十分な性能を発揮できないとの見解から、これまで推奨されていませんでした。この度、性能実証を行った「キルウイルZ MAX」は、フィルタを使用しない紫外線(UV)照射方式による空気清浄機ですが、試験の結果、HEPAフィルタ方式の空気清浄機と同様に、6畳間に浮遊するウイルスを30分以内で99%以上不活化除去注2)できることが示されました。UV 照射方式の注目度は増しており、現在いくつかの自治体で導入経費の助成が行われています。「キルウイルZ MAX」には、UVだけで空間中のウイルスを高速不活化除去するための様々な工夫が施されており、特許出願も果たしています。また、「キルウイルZ MAX」はフィルタを使用しないためフィルタの交換・洗浄等が不要であり、UVランプも1日8時間稼働で約3年間使用可能のメンテナンスフリー仕様です。
本装置は、株式会社小島産業が製造開発メーカー、同社と連携してきた地元企業の株式会社ユニテック(愛知県東郷町)が製造・販売元、株式会社フレンドマイクローブが販売代理店となり、2022年1月より販売が開始されました。
 お問合せ及び注文は、株式会社フレンドマイクローブのWEBサイトより可能です。(https://friendmicrobe.co.jp/business/mask/killviruz.html

 

【ポイント】

・名古屋大学と名古屋大学発ベンチャーが地元企業に技術協力して、高性能ウイルス不活化装置を開発。(大学・大学発ベンチャー・地元企業のコラボレーションによりwithコロナを乗り越える技術を開発。)
・メンテナンスフリーながら厚生労働省の推奨するHEPAフィルタ方式の空気清浄機と同等レベルのウイルス除去能力。
・6畳間に浮遊するウイルスを30分以内に99%以上不活化除去。
・フィルタ交換・洗浄の面倒くささ、ランニングコスト、洗浄時のウイルス暴露のリスクからの解放。
・人体に悪影響を及ぼし得るオゾンやその他の化学物質の発生も一切なし。
・有害なUVが装置から漏れることのない安全設計。
・UVだけで、空間中のウイルスを高速不活化除去するための様々な工夫が施され、特許出願済み。
・対象空間のご提案:[商業施設] ホテル・オフィス、飲食店、ライブハウス、スポーツジム、更衣室、休憩室など、[医療施設] 病院の診察室、待合室、各病室など、[教育施設] 各種教室、講義室、研究室、講堂、ホール、会議室など、[個人] ご家庭の玄関先、リビング、各個室など

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【用語解説】

注1)HEPAフィルタ:
定格風量において0.3 ?mサイズの粒子を99.97%以上カットするフィルタ。多くの空気清浄機がHEPAフィルタを搭載。

 

注2)不活化:
ウイルス自体は生きているとは言えないため、殺すことはできない。そこで機能を失わせるという意味で、正確には不活化と言う。フィルタ方式の空気清浄機では、ウイルスを不活化することはできず、フィルタ上にトラップして除去している。また、ウイルスは菌ではないため除菌とは言えない。不活化により機能のあるウイルスを除くことを、ここでは不活化除去と表現している。

 

https://www.chembio.nagoya-u.ac.jp/labhp/life3/index.html