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環境学

2022.08.29

【速報】日本人の最深潜航記録を60年ぶりに更新! ~小笠原海溝最深部9801mにフルデプス有人潜水船リミッティングファクター(Limiting Factor)号で潜航調査~

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院環境学研究科の道林 克禎 教授は、国立大学法人東京海洋大学の北里洋博士らとの共同研究で、日本周辺の超深海海溝域の調査を実施し、8月13日に小笠原海溝の最深部9801mに潜航しました
今回の調査は、日本周辺の超深海海溝における地質と地形および超深海の生物観察を目的として、フルデプス有人潜水船リミッティングファクター号注2)(母船プレッシャードロップ号)による海溝最深部調査(Ring of Fire Expedition 2022)の一環として実施されました。
今回の水深9801mまでの潜航によって、佐々木忠義教授(東京水産大学)がもつ最深潜航記録を60年ぶりに更新しました。
 

【ポイント】

・小笠原海溝注1)の最深部9801mに潜航し、超深海底の地質・地形・生物を観察した。
・日本人による最深潜航記録を60年ぶりに更新した。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【用語説明】

注1)小笠原海溝: 
小笠原諸島の東の海底に南北に細長く凹んだ部分(溝)。この溝に沿って太平洋プレートがフィリピン海プレートに沈み込んでいる。理科年表では9780mとなっているが、今回の地形探査で9800m以上の水深をもつことが判明した。

 

注2)リミッティングファクター号: 
全海洋の最深部まで有人で潜航することを目的として民間調査会社Caladan Oceanic社によって建造された二人乗りのフルデプス有人潜水船。2018年から運用が開始され、ヴィクター・ヴェスコヴォ氏によって世界最深部のチャレンジャー海淵をはじめとして五大洋(太平洋、大西洋、インド洋、北極海、南極海)の全ての最深部に潜航したギネス記録をもつ2。現在、海洋の最深部まで潜航できる有人潜水船は、今回の潜航調査で使用されたCaladan Oceanic社所有のリミッティングファクター号と中国の奮闘者号の二艘だけ。

 

【調査メンバー】

アラン・ジェミイソン(西オーストラリア大学深海研究所)
北里 洋(東京海洋大学海洋資源環境学部、デンマーク超深海研究所)
アンニ・グルッド(デンマーク超深海研究所)
道林 克禎(名古屋大学大学院環境学研究科)
藤原 義弘(海洋研究開発機構地球環境部門)
波々伯部 夏美(東京大学大学院理学系研究科)
石川 暁久(日本海洋事業)

 

【関連機関】

名古屋大学環境学研究科、西オーストラリア大学深海研究所、東京海洋大学海洋資源環境学部、デンマーク超深海研究所、海洋研究開発機構地球環境部門、東京大学大学院理学系研究科、日本海洋事業、日本放送協会

 

【参考情報】

1 佐々木忠義(1963)「アルキメデス」号による日本海溝調査. うみ(La mer),第1巻, 15?19頁.
2 https://www.guinnessworldrecords.jp/records/hall-of-fame/victor-vescovo-deepest-dive-by-a-crewed-vessel

 

【研究代表者】

大学院環境学研究科 道林 克禎 教授
http://www.eps.nagoya-u.ac.jp/~ganko/