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情報学

2023.06.15

名古屋大学が研究開発を進める『心拍変動解析に基づくてんかん発作警告機(仮称)』が厚生労働省「プログラム医療機器に係る優先的な審査等の対象品目」に指定

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科の藤原 幸一 准教授の研究グループが『心拍変動解析によるてんかん発作予知AIシステムの研究開発』をすすめています。
本研究において、研究グループの共同研究者であるクアドリティクス株式会社が開発中の『心拍変動解析に基づくてんかん発作警告機(仮称)』(以下本品)が厚生労働省による初めての「プログラム医療機器に係る優先的な審査等の対象品目」に2023年3月29日に指定されました
本品は、HRV解析を使用した、てんかん発作を予知するプログラム単体の医療機器です。心拍変動を常時モニタリングして異常を解析し、通知をすることで、てんかん発作が起こることを事前に本人並びに周囲に知らせ、安全策を講じることを可能にします。
今回の研究は、てんかん患者のてんかん発作予知を目的としており、本品によって、将来的にコンパニオン診断による超即効型抗てんかん薬の発作前服用が、発作そのものを未然に予防できる社会の実現が期待されます。

 

【ポイント】

・名古屋大学を中心とする研究グループが研究開発をすすめる、心拍変動(HRV)解析によるてんかん発作予知AIシステムが、厚労省のプログラム医療機器に係る優先的な審査注1)等の対象品目に指定。
・本品が上市されると、HRV解析を使用した日本発かつ世界初のてんかん発作を予知するプログラム単体の医療機器となる。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら


【用語説明】

注1)プログラム医療機器に係る優先的な審査:
厚生労働省「プログラム医療機器に係る優先的な審査等の試行的実施について」(令和4年9月2日付け薬生機審発 0902 第2号)において通知された取り組み。治療法、診断法又は予防法の画期性や医療上の有用性、世界に先駆けて日本で開発・申請する意思や体制といった要件を満たしたプログラム医療機器を優先的に審査する制度で、 本品は令和5年3月29日に対象品目に指定された3品目のうちの1つ。

 

【本件の詳細に関係したクアドリティクス社のプレスリリース】

医療スタートアップ クアドリティクスの『心拍変動解析に基づくてんかん発作警告機(仮称)』
厚生労働省による初めてのプログラム医療機器の優先審査対象品目に指定
https://www.quadlytics.com/files/2023/06/20230607_quadlytics_pressrelease.pdf

 

【研究代表者】

大学院工学研究科 藤原 幸一 准教授
https://hps.material.nagoya-u.ac.jp/