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数物系科学

2023.09.20

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とアルマ望遠鏡の最強タッグで、最遠方の原始銀河団を捉えることに成功

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院理学研究科の田村 陽一 教授、トム・バックス 研究員(当時)、萩本 将都 博士後期課程学生・日本学術振興会特別研究員らは、橋本拓也助教(筑波大学)とスペインのJavier Álvarez-Márquez研究員(スペイン宇宙生物学センター)を中心とする国際研究チームと共に、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とアルマ望遠鏡を使った観測により、最も遠い131.4億光年かなたにある原始銀河団の中でも、とくに銀河が密集している大都市圏に相当する「コア領域」を捉えることに成功しました。多くの銀河が狭い領域に集まることで、銀河の成長が急速に進んでいることが明らかになりました。さらに研究チームはシミュレーションを活用して大都市圏の姿の将来予想をしたところ、数千万年以内には大都市圏が1つのより大きな銀河になることを明らかにしました。銀河の生まれと育ちに関わる重要な手がかりとなることが期待されます。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【論文情報】

この観測成果は、T. Hashimoto et al. ``Reionization and the ISM/Stellar Origins with JWST and ALMA (RIOJA): The core of the highest redshift galaxy overdensity confirmed by NIRSpec/JWST’’として天文学専門誌 The Astrophysical Journal Letters に2023年8月30日付で受理され、今後掲載予定です。
研究成果は日本天文学会2023年秋季年会で9月20日に発表予定です。

 

今回の研究を行なった研究チームのメンバーは、以下の通りです。

 

橋本 拓也(筑波大学)、Javier Álvarez-Márquez(スぺイン宇宙生物学センター)、札本 佳伸(千葉大学)、Luis Colina(スペイン宇宙生物学センター)、井上 昭雄(早稲田大学)、仲里 佑利奈(東京大学)、Daniel Ceverino (マドリード自治大学)、吉田 直紀(東京大学、Kavli IPMU)、Luca Costantin(スペイン宇宙生物学センター)、菅原 悠馬(早稲田大学、国立天文台)、Alejandro Crespo Gómez (スペイン宇宙生物学センター)、Carmen Blanco-Prieto (スペイン宇宙生物学センター)、馬渡 健(筑波大学)、Santiago Arribas (スペイン宇宙生物学センター)、Rui Marques-Chaves (ジュネーヴ大学)、Miguel Pereira-Santaella(スペイン基礎物理学研究所)、Tom J.L.C. Bakx(チャルマース工科大学)、萩本 将都(名古屋大学)、橋ヶ谷 武志 (京都大学)、松尾 宏 (国立天文台、総合研究大学院大学)、田村 陽一(名古屋大学)、碓氷 光崇(筑波大学)、任 毅 (早稲田大学)

 

【研究代表者】

大学院理学研究科 田村 陽一 教授
https://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp