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工学

2025.10.14

カラオケ感覚で漫才を演じられる「漫才カラオケ」開発! 画面の指示に従うだけでプロのようなボケ・ツッコミを体験

【ポイント】

・画面の指示に従うだけで、漫才の未経験者でも2人組で漫才を演じることができる「漫才カラオケ」を開発した。

・漫才ネタの台詞や演じ方を画面上に提示することで、ユーザはネタを暗記する必要なく、漫才特有の間や抑揚などで漫才の実演を体験できる。

・漫才を観て楽しむだけでなく「演じて楽しむ」という新しいエンタテインメントの創出につながる。

・カラオケ店への導入などを通じて、従来のカラオケ楽曲と同様に、ネタの権利を持つ漫才師らに収益が入る仕組みが生まれる可能性もある。

 

名古屋大学大学院工学研究科の小松 駿太 博士前期課程学生、窪田 智徳 助教、小川 浩平 准教授らの研究チームは、未経験者でも漫才を演じ、聴衆の笑いを引き出すことを可能にする漫才実演支援システム「漫才カラオケ」を提案・開発しました。
漫才を演じることは、ネタの暗記や、笑いを引き出すための表現技術(間や抑揚など)が必要なため、容易ではありません。本システムでは、漫才ネタの台詞に加え、抑揚・感情表現・動作・タイミングといった非言語情報もカラオケ画面のように提示することで漫才実演を可能にします。
漫才カラオケを実際に使用してもらう実験により、未経験者でもスムーズに漫才を演じることができ、聴衆はその漫才を面白く感じられることを確認しました。さらに、漫才を実演した参加者から「聴衆を笑わせることは気持ちよかった」、「自分が面白い人間であるかのような錯覚を覚えた」といった実演の楽しさを示唆するコメントも得られました。
本研究は、カラオケや飲み会などの場で、漫才を「演じて楽しむ」新しいエンタテインメント体験の創出につながります。例えば、プロの漫才師のネタを演じる体験ができる応用が考えられます。漫才カラオケが将来的にカラオケ店などに導入されれば、従来のカラオケ楽曲と同様に、ネタの権利を持つ漫才師や作家へ収益が還元される仕組みが生まれることも期待できます。

 

本研究成果は、2つの学会で発表されました。

・エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2025(対話発表賞を含む5つの賞を受賞)

・The 24th IFIP International Conference on Entertainment Computing

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【論文情報(学会発表)】

雑誌名:エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2025論文集

論文タイトル:漫才カラオケ:未経験者でも漫才を演じることを可能にする漫才実演支援システム

著者:小松駿太、窪田智徳、佐藤理史、小川浩平(全て本学関係者)

URL: https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/records/2003647


雑誌名:Entertainment Computing – ICEC 2025

論文タイトル:Manzai Karaoke: A Real-Time Visual Guidance System for Assisting Japanese Double Act Performance.

著者:Shunta Komatsu, Tomonori Kubota, Satoshi Sato, Kohei Ogawa(全て本学関係者)

URL: https://doi.org/10.1007/978-3-032-02555-5_16

 

【研究代表者】

大学院工学研究科 小川 浩平 准教授,  主著者:小松 駿太(博士前期課程学生), 窪田 智徳 助教
https://sites.google.com/site/sslabnagoya/