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数物系科学

2025.10.14

XENONnT実験、暗黒物質探索に向けた前人未踏の純度を実現 〜液体キセノン中のラドンを太陽ニュートリノレベルまで低減〜

【ポイント】

名古屋大学素粒子宇宙起源研究所(KMI)、名古屋大学宇宙地球環境研究所(ISEE)、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU, WPI)、東京大学宇宙線研究所、神戸大学が参加する国際共同研究「XENONnT実験」は、イタリアのグランサッソ国立研究所(LNGS)の地下深部に設置された世界最大級の液体キセノン検出器を用い、宇宙の未知物質である暗黒物質の探索を進めています。XENONnTは、暗黒物質がキセノン原子核と稀に起こす相互作用の痕跡を測定することを目的とした検出器であり、厚い岩盤により宇宙線によるバックグラウンドを遮蔽し、約−95 ℃で液体状態を保った超高純度キセノンを標的に用いています。こうした測定には、放射性不純物を極限まで低減した極低放射能環境が不可欠となります。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【論文情報】

タイトル:Radon Removal in XENONnT down to the Solar Neutrino Level

掲載誌:Physical Review X

DOI:https://doi.org/10.1103/zc1w-88p6

 

【研究代表者】

名古屋大学素粒子宇宙起源研究所(KMI)、宇宙地球環境研究所宇宙線研究部(ISEE) 風間 慎吾 准教授
https://www.kmi.nagoya-u.ac.jp/member-visitors/members/368/(KMI)

https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/CR/(CR研)