・維管束(根と水や栄養を運ぶ組織)を持たないコケ植物ゼニゴケにおいて、独自開発した生体イメージング技術により、仮根から吸収されたリンが植物体内部へ短時間で移動する様子をリアルタイムで可視化することに成功した。
・ゼニゴケの仮根を高純度で分離・解析する手法を組み合わせることで、仮根特異的に発現する遺伝子群を明らかにした。
・コケ植物の仮根はこれまで植物体を地面に固定するための器官と考えられてきたが、維管束植物の根毛と似たような役割も担っている可能性を示しており、今後、植物の進化や栄養吸収のしくみに関する研究の発展が期待される。
神戸大学大学院理学研究科の石崎公庸教授、酒井友希特命講師らと、名古屋大学高等研究院の菅野里美准教授らの研究グループは、非維管束植物であるゼニゴケの仮根に、栄養元素を吸収する機能があることを明らかにしました。この成果は、陸上植物がどのようにして栄養を取り入れるしくみを進化させてきたのかを理解するうえで重要な手がかりとなります。今後、植物の進化や栄養吸収のしくみに関する基礎研究の発展が期待されます。
この研究成果は、2月26日午前10時(日本時間)に、国際学術誌「New Phytologist」に掲載される予定です。
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※1ゼニゴケ:コケ植物の一種で、茎や葉の区別がない「葉状体」をもつ。水辺など湿った場所に生育し、植物の進化研究でモデル生物として広く使われている。
・タイトル
“Rhizoid-mediated Phosphate Uptake and Internal Transport in the Non-Vascular Plant Marchantia polymorpha”
DOI:10.1111/nph.70980
・著者
Satomi Kanno, Hinatamaru Fukumura, Shiori Sato, Kenta C. Moriya, Yuuki Sakai, and Kimitsune Ishizaki
・掲載誌
New Phytologist