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総合理工

2026.06.12

名古屋大学のSX-CRANEの論文が「ロケットの歴史100編」に選定!デトネーションエンジン開発の加速、宇宙軌道上実証へ―

【ポイント】

・世界初の液体燃料ロケット打ち上げから100周年を記念して、米国航空宇宙学会(AIAA)が選定した100編のロケット推進に関する論文の一つに、名古屋大学の宇宙戦略基金SX研究開発拠点(SX-CRANE)の論文が選定。

 

【プレスリリース内容】

世界初の液体燃料ロケット打ち上げから100周年を記念して、米国航空宇宙学会(AIAA)から「100周年を記念する100編の論文」が発表され、名古屋大学(総長 杉山 直)の宇宙戦略基金SX研究開発拠点(SX-CRANE)「デトネーションエンジン・宇宙推進工学革新研究拠点形成」(拠点長 笠原 次郎)が発表した論文が100編目に選定されました。
本学から選定された論文は、以下の観測ロケットを用いたデトネーションエンジン注1)の世界初の宇宙飛行実験に関するものです。
この100編の論文は、ロケット科学および工学に対する不朽の貢献を反映したものです。


【該当論文概要】(詳細は【論文情報】参照)
タイトル:Space Flight Demonstration of Rotating Detonation Engine Using Sounding Rocket S-520-31
概  略:名古屋大学未来材料・システム研究所及び工学研究科航空宇宙工学専攻は、宇宙航空研究開発機構、慶應義塾大学、室蘭工業大学との共同研究で、2021年7月27日に観測ロケット S-520-31 号機の第2段を用いてデトネーションエンジンの宇宙飛行実証試験を実施。その後、飛行データの解析を実施し、回転デトネーションエンジンの推力、回転トルク、圧力履歴等から、エンジン作動が安定であったことを確認した。なおエンジンシステムは(株)ネッツ、アビオニクスは明治電機工業(株)が製造した。

 

注1)デトネーションエンジン:
デトネーションとは、衝撃波にともなって、化学反応による熱開放が行われる燃焼現象。その伝播速度は、 2km/sにもなるため、可燃性のガスを高速で燃焼させることが可能。回転デトネーションエンジンでは、デトネーションを連続的に伝播させることで、連続的な推力を得ることができる。2重円筒形状の燃焼器の底部でデトネーションを円筒の周方向に伝播させるものが多く研究されてきた。推進剤は、軸方向に噴射され、その反対方向に推力を得ることができる。パルスデトネーションエンジンでは、デトネーションを間欠的に伝播させ、その燃焼後の既燃ガスを排気し、反動を得ることで、間欠的な推力を得ることができる。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

 

【論文情報】

雑誌名:Journal of Spacecraft and Rockets
論文タイトル:Space Flight Demonstration of Rotating Detonation Engine Using Sounding Rocket S-520-31
著者:K. Goto(名大特任助教), K. Matsuoka(名大准教授), K. Matsuyama(名大特任教授), A. Kawasaki(名大助教), H. Watanabe(名大助教), N. Itouyama(名大特任助教), K. Ishihara(名大博士後期課程院生), V. Buyakofu(名大博士前期課程学生), T. Noda(名大博士前期課程学生), J. Kasahara(名大教授), A. Matsuo(慶応大), I. Funaki(JAXA), D. Nakata(室蘭工大), M. Uchiumi(室蘭工大), H. Habu(JAXA), S. Takeuchi(JAXA), S. Arakawa(JAXA), J. Masuda(JAXA), K. Maehara(JAXA), T. Nakao(JAXA) and K. Yamada(JAXA) (所属・肩書は掲載時)
DOI: 10.2514/1.A35401                                     
URL: https://doi.org/10.2514/1.A35401

 

【関連情報】

(1)JAXAプレスリリース「観測ロケットS-520-31号機デトネーションエンジン実験の成果論文が_米航空宇宙学会の「ロケットの歴史100編」に選定」
https://www.isas.jaxa.jp/topics/004289.html
(2)JAXAプレスリリース「宇宙戦略基金SX研究開発拠点について」
https://www.jaxa.jp/press/2025/01/20250131-2_j.html
(3)JAXAプレスリリース「観測ロケットS-520-31号機 打上げ結果について」
https://www.jaxa.jp/press/2021/07/20210727-1_j.html
(4)推進エネルギーシステム工学研究グループWebサイト
http://www.prop.nuae.nagoya-u.ac.jp/index.html

 

【研究代表者】

未来材料・システム研究所 笠原 次郎 教授
http://www.prop.nuae.nagoya-u.ac.jp/