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医歯薬学

2026.10.20

高血圧と関連する魚肉成分を新たに特定

【ポイント】

・魚などに多く含まれる「アルセノベタイン」というヒ素の一種が、高血圧と関係する可能性を発見しました。
・日本住民2,676人を調べたところ、高血圧のヒトで尿中のアルセノベタイン濃度が高いことがわかりました。
・高頻度の魚肉摂取がアルセノベタイン曝露の要因であることが示唆されました。
・魚には健康によい成分も多く含まれるため、摂取の方法や頻度には慎重な検討が必要です。

 

名古屋大学大学院医学系研究科・環境労働衛生学の香川匠 助教(第一著者)、田崎啓 准教授、加藤昌志 教授(責任著者)、予防医学の田村高志 准教授、若井建志 教授、藤田医科大学・衛生学の大神信孝 教授、金城学院大学の内藤久雄 教授らの研究グループは、魚などに多く含まれる「アルセノベタイン」というヒ素の一種が、高血圧と関係する可能性を明らかにしました。
寿司や焼き魚に代表されるように、魚料理は我々にとって馴染み深いものです。本研究グループはこれまでに、日本住民を対象とした研究から、魚肉を頻繁に食べる人では血液中の総ヒ素濃度(すべての種類のヒ素をあわせた濃度)が高く、高血圧になりやすい可能性を報告してきました。一方、ヒ素にはさまざまな種類があり、その種類によって体への影響が異なることが知られています。しかし、どの種類のヒ素が高血圧に関係しているのかは、わかっていませんでした。
そこで本研究では、日本住民2,676人を対象に、尿に含まれるヒ素を種類ごとに測定し、高血圧との関係を調べました。その結果、高血圧を有するヒトにおいて、尿中のアルセノベタイン濃度が高いことがわかりました。食品摂取との関係性を解析したところ、魚肉の摂取がアルセノベタイン曝露と高血圧に関係している可能性が示されました。
 さらに、ヒトが魚から摂取する量を参考にして、アルセノベタインをマウスに4週間与えたところ、血圧が上昇することが確認されました。
 これらの結果から、魚肉に含まれるアルセノベタインが高血圧に関係する可能性が新たに示されました。一方、魚には健康に良いさまざまな栄養素も豊富に含まれています。そのため、魚だけに偏ることなく、さまざまな食品を組み合わせてバランスの良い食事を摂ることが大切であると考えています。
本研究成果は、国際学術誌『Environment International』に掲載されました。

 

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【論文情報】

雑誌名:Environment International
論文タイトル:Emerging hazard: exposure to fish-derived arsenobetaine increases a latent risk of hypertension in humans and mice
著者:Takumi Kagawa, Tingchao He, Nobutaka Ohgami, Dijie Chen, Akira Tazaki, Haopeng Li, Hisao Naito, Takashi Tamura, Kenji Wakai, Masashi Kato
DOI: https://doi.org/10.1016/j.envint.2026.110365

 

【研究代表者】

大学院医学系研究科 環境労働衛生学 加藤 昌志 教授
https://nu-hygiene.jimdofree.com/

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