国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科の稲守 孝哉 准教授らの研究グループは、軌道制御において宇宙の力を用いる4.4kgの超小型衛星(キューブサット衛星)MAGNARO(MAGnetically separating NAno-satellite with Rotation for Orbit control)を研究開発しました。
本衛星は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の革新的衛星技術実証3号機の実証テーマの一つとして、2022年10月7日(金)に内之浦宇宙空間観測所からイプシロンロケット6号機により打ち上げられる予定です。本衛星では、地球の磁気の力で衛星をスピンさせて、適切なタイミングで二つの衛星を分離することで編隊を形成し、空気の力を使い編隊を維持する技術実証実験を行います。
昨今、複数の衛星を連携させて1つのミッションを行う新しい宇宙利用が増えてきました。今回実証する新しい技術では、宇宙から人工衛星が受ける力を利用するため、エンジンを使用しません。そのため衛星内のスペースに余裕があり、小型の衛星であっても望遠鏡などのミッション機器を搭載することが可能です。さらに、燃料切れを考慮する必要がなくより長期間の宇宙利用が可能となることが期待されます。
・軌道制御においてエンジンも燃料も使わない超小型衛星「MAGNARO」(マグナロ)を研究開発した。
・本衛星は、磁気や空気の力といった軌道上で人工衛星が受ける力を利用し、複数の人工衛星の編隊を形成し維持する技術実証実験を行う。
・エンジンを使用しないことから、そのスペースに望遠鏡などミッション機器を搭載でき、燃料切れを考慮する必要もないため、長期間の宇宙利用が期待される。
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