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情報学

2025.11.07

災害発生時の緊急対応のために異種複数のスパコンを連携させる実証実験に成功 ―防災減災のために東北大学・大阪大学・名古屋大学が一致団結―

【ポイント】

・緊急事態発生時に、その時点で利用可能なスーパーコンピュータを迅速に確保する仕組みの実現に向け、東北大学サイバーサイエンスセンターが中心となり実証実験を実施しました。

・システム構成や運用形態の異なる東北大学・大阪大学・名古屋大学のスーパーコンピュータを連携させ、遠隔地間で津波浸水被害予測シミュレーションを分担して実行することに成功しました。

・今後は、技術的改良と運用体制の整備を進め、災害時の大規模シミュレーション緊急実行に向けた体制構築を目指します。

 

東北大学のスーパーコンピュータAOBA(以下AOBA)、大阪大学のスーパーコンピュータSQUID(以下 SQUID)、および名古屋大学のスーパーコンピュータ「不老」(以下 不老)を連携させ、3県の津波浸水被害予測シミュレーションを分担して緊急実行する試みを行いました。計算基盤「ExpressHPC」によって、AOBAに兵庫県、SQUIDに高知県、不老に和歌山県の津波浸水被害予測が割り当てられ、それぞれ最長でも6分以内に正常に予測を完了できることを確認しました。これにより、異なる構成や運用形態のスーパーコンピュータを迅速に確保・連携して活用することで、防災減災に資する大規模シミュレーションを分担して緊急実行できる技術的な可能性を実証しました。

本成果は、実際の災害時に大規模シミュレーションの緊急実行を行う体制の構築に向けた第一歩であり、今後はこの実証で得られた知見をもとに、さらなる技術開発および運用体制の確立を進めていく予定です。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【研究代表者】

情報基盤センター 片桐 孝洋 教授, 森 健策 教授
(片桐先生)https://www.hpc.itc.nagoya-u.ac.jp/, (森先生)http://www.newves.org/