大学の概要/学部・研究科

ごあいさつ

 


名古屋大学総長
松尾 清一

名古屋大学は、1871年(明治4年)に仮病院・仮医学校が設立されて以来144年の歴史をもつ伝統ある大学です。1939年(昭和14年)に我が国最後の帝国大学となり、学制改革により1949年(昭和24年)に新制名古屋大学として生まれ変わり、その後着実な発展を遂げながら今日に至っています。名古屋大学は創立当初から受け継がれている「自由闊達」な学風を伝統とし、2000年に制定された名古屋大学学術憲章に掲げられている2つの基本目標、「創造的な研究活動によって真理を探究し、世界屈指の知的成果を産み出す」、「自発性を重視する教育実践によって、論理的思考力と想像力に富んだ勇気ある知識人を育てる」、を高く掲げて、その実現のため日々努力を重ねてきました。21世紀に 入ってからノーベル賞を受賞した日本人13名のうち6名が本学関係者であることは、名古屋大学の研究力が世界的に高いことを如実に示しています。また、名古屋大学はその長い歴史の中で、社会の様々な分野でリーダーとなる多くの人材を世に送り出し、日本及び世界の発展に貢献してきました。名古屋大学は社会への貢献を大きな目標として掲げ、「時代とともに変化する社会のニーズにマッチした人材」、「社会の様々な分野でリーダーとして活躍できる人材」、の育成を目指して教職員が日々工夫を凝らして活動に励んでいます。私たち名古屋大学は、激動・激変する世界にあって高い見識と確かな知識や技術でたくましくリーダーシップをとれる人材を育てよう、と考えています。 

 

近年、名古屋大学は研究力や教育力の一層の強化とともに、全学を挙げて国際化、男女共同参画、社会貢献に取り組んでいます。名古屋大学における国際化の視点は3つあります。第一は、欧米重視の一極的な視点から多極的な視点への転換です。中でも日本が位置するアジア地域は、今後世界をけん引する巨大なポテンシャルを持っており、アジアとの連携・共生なしには日本の未来はありません。名古屋大学はすでに多くのプロジェクトを、アジアを含む世界各地に展開しており、年々国際共同が進んでいます。第二は双方向的な人材交流の活発化です。現在、海外から受け入れている留学生総数は約2,200名(全学生数約16,000名の約14%)になっています。一方で、名古屋大学在学中に長期短期を問わず、海外での経験をした学生比率も年々増加しています。このように、世界から名古屋大学へ、名古屋大学から世界へ、という双方向の人材交流を積極的に行うことによって国際的な視点を持った人材とそのネットワークを作っています。第三は、国際化を支える英語教育の強化です。名古屋大学では様々な語学プログラムにより日本人の学生を支援するとともに、1,140もの講義コースが英語で行われており、英語のみで修了できるカリキュラムも増加しています。名古屋大学のキャンパスには世界各地から人材が集い、学生や研究者が日々交流できる環境が整っています。 

 

名古屋大学はまた、男女共同参画にも積極的に取り組んでいます。保育所の整備にとどまらず学童保育の導入も全国の国立大学に先駆けて行いました。また女性研究者の採用枠の拡大や支援も行っており、全国から優秀な女性研究者が集まるようになっています。国際交流事業にも女性が積極的に参画しており、社会から高い評価を受けています。女性の活躍は日本の未来を支える大きな力となるでしょう。

 

一方で、名古屋大学はものづくり産業の集積が最も進んだ地域にある中核大学として、社会から極めて大きな期待を集めています。地域への貢献と国際化は決して矛盾した概念ではなく、むしろ両者は相乗的に効果を発揮できる関係にあると考えています。国、地方自治体、産業界、大学、市民と密に連携して、未来に向かって活力ある地域を創造し、世界との交流を推進するために、名古屋大学は様々な連携事業を展開しています。

 

名古屋大学は未来志向の大学です。私たちの未来には多くの困難が立ちはだかっていますが、構成員が社会の様々な人々と連携しながら、明るく希望に満ちた日本と世界をつくるために、勇気をもって前に進み、貢献できることを心から願っています。