2025年10月

10月31日②

午後はエクスカーション、最初はグーリ・アミール(アミール・ティムール)廟です。観光省の方に同行いただき、入り口はフリーパス、本当にVIP待遇でした。こちらはティムールとその家族のお墓になるのですが、ティムールの棺が翡翠でできていて一見黒く見えるのですが光がさすと緑色に変わるそうです。この棺、一度略奪されたそうなのですが、疫病が流行るなど不吉なことが起こって慌てて戻されたとのガイドさんの説明でした。入り口のところで、学長会議の参加者の皆さんとの集合写真です。

次の目的地は、ウルグ・ベク天文台、ティムールの孫で帝国の4代目であるウルグ・ベクが30以上もの間天文観測を行った場所で、かつては高さ40mにもなる建物が建っていたとのこと、太陽の観測を行った設備が今でも見ることができます。これによって太陽の運行を精密に測定、一年の長さを分単位で精密に求めることに成功したことは天文学者として感動です。天文台を復元する計画はないのか聞いたところ、ユネスコの世界遺産に登録されているので現状を変更できないそうです。天文台の遺構と私の写真をアップしておきます。

最後がアフラシャブ博物館、8世紀以前のサマルカンドの街の後に建てられた博物館で、美しいフレスコ画を見ることができました。世界各地、例えば遠く唐や高句麗からの使節の姿が描かれています。

サマルカンド、シルクロードの交差点として、歴史の坩堝であることを感じさせてもらいました。

夕方には、タシケントへ向けて鉄道で移動、また平田大使とご一緒して、今度は宇宙の話などを私からさせてもらいました。次々と質問されるので、つい話し過ぎたようです。平田大使、日本に帰られる機会には是非、名古屋にご訪問いただければと思っています。

タシケントから、仁川、そして中部へと戻ってきました。タシケントでの雷雨での遅れなどもありましたが、無事、土曜日の夕方には帰宅できました。途中、仁川の長い乗り継ぎ時間では、総研大の永田学長、岐阜大のリム・リーワ副学長などとずっと過ごすこととなり、知り合う良い機会となりました。それにしてもVIP待遇、なんだか疲れた2泊4日の出張でした。

 

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10月31日①

学長会議2日目は、前日と同じくサマルカンド国立大学で行われました。

ホテルからは目の前、徒歩数分です。午前中は、ネットワーキングということで日本の大学のブースにウズベキスタンの大学が15分交代で訪れて面談をする、というスタイルで行いました。ユネスコの会議のために道路が封鎖されて来ることのできない大学もあったのですが、なんとか、7大学と面談することができました。その中には旧知のタシケント国立工科大学のトラブジャーノフ学長の姿もあり旧好を温めたのですが、タシケント国立工科大学、大統領令で廃止となりそうということで、その点について少しお話しさせていただきました。どうもAIや半導体、地震学、イノベーションといった方向に一斉に工学系の大学を向けたいようで、ここ数年、各地に新しい国立大学が誕生しているとのこと、その一環ということのようですが、1918年に設立と100年以上の伝統ある大学を簡単に廃止して良いのかという議論があり、大統領令の見直しも検討されているとのこと、本学としてもこれまで工学教育のリフォームに協力してきたこともあり、トラブジャーノフ学長には是非とも頑張っていただきたいと思っています。

今回お会いした工学系の学部を持つ大学はどこも、大統領のイニシアチブでしょうか、地震学や防災に興味がある、ということで、名大から帯同いただいた減災連携研究センターの鈴木康弘教授には面談で大活躍いただきました。ウズベキスタンはトップダウンの国なのですが、まずはボトムアップで教員間の連携、ということを皆さんにお伝えしました。

昼食はこれまでとは別のレストラン、こちらも最後の最後に肉の盛り合わせが出てくるなど、本当に満腹メニューでした。

 

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10月30日②

昼食は、またパトカーの先導で近くのレストランでの会食です。ウズベキスタン料理、まずテーブルにたくさんのお皿が並んでいて、それだけでなく、スープやメインの料理が次々と運ばれてきて、満喫です。ご飯ものもあり、味は少し塩が効き過ぎているきらいはありますが、おおむね日本人好みと言えるのではないでしょうか。

食後は、エル・ユルト・ウミディ財団のイスマイロワ・グルノーザ事務局長らと、どうやったら日本、そして名大への奨学生を増やせるかという打ち合わせをさせてもらいました。写真をアップしておきます。この財団を通じては、主に米欧へ派遣されていて、これまで日本には10名しか派遣できていないとのこと、そのうち一人は名大ですが、なかなか厳しい状況です。人気の奨学金で採択率は5%、さらに、受給者は学位取得後、数年間、ウズベキスタンに帰って働くことが義務付けられているそうです。

午後は、3つに分かれて、分科会を夕方5時半まで実施、終了後は、そのまとめと、積み残した日本学術振興会の報告がありました。ちなみに丹生課長、以前学術振興会のイベントでお会いしたことのある方でした。

夕食懇談会は、またパトカーの先導で、昼食と同じレストランの2階で実施、丸テーブルが置かれた結婚式場のような場所で、真ん中にスペースがあると思ったら、そこでダンサーたちが入れ替わり民族舞踊を披露、また、最後には参加者も踊り出していました。

私のテーブルには、サルドール・ラジャボフ高等教育・科学・イノベーション第一副大臣がいらっしゃったのですが、とても若く見えるので、失礼ながらお年を伺ったら、なんと37歳!このポジションはまだ数ヶ月とのことですが、大統領の意向もあり、若手をどんどんと抜擢しているようです。二人で話している写真をアップしておきます。

夕食後は、歩いて近くのレギスタン広場まで。ライトアップされた3つの神学校が非常に美しく幻想的でした。

 

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10月30日①

昨日から、日本ウズベキスタン学長会議に出席のため、ウズベキスタンを訪問しています。

昨日は、中部国際空港を朝に出て、仁川国際空港を経由してウズベキスタンの首都タシケントに夜8時頃に到着です。時差は4時間ですから、日本時間では深夜ですね。そのままホテルに宿泊し、朝5時起きで(とはいえ日本時間では9時起き)、鉄道でタシケントから会議のあるサマルカンドへ移動しました。

サマルカンドまでは、2時間強、平田健治大使とご一緒して、国際情勢などについていろいろ教えていただきました。もっとも平田大使、ウズベキスタンに着任してからまだ10日ほどで、着任の諸々に忙殺されて、サマルカンド訪問も初めてとのことでした。また前の席にはウズベキスタンのトップ校である世界経済外交大学のアブドゥラスロワ・メフリニソ学長秘書もいらっしゃったので、窓から見える風景についての説明やアラル海の環境問題なども含めて多彩な話題で2時間はあっという間でした。

サマルカンドに到着してびっくりです。今回はユネスコの総会がパリの本部以外で40年ぶりに当地サマルカンドで開かれるとのこと、会期も完全に学長会議と重なっていて駅は歓迎の出迎えでごった返していました。学長会議もユネスコ総会と並んで歓迎してくださり、交通規制のある市内の交通は、パトカーの先導で全ての信号を無視して一路会場まで、すごいVIP扱いでした。また今回は名古屋大学が幹事校で私が代表ということで、他の学長・副学長とは別れて、パトカーの後ろに続くベンツに平田大使と同乗、なんだか少しこそばゆい感じでした。

会場のサマルカンド国立大学に到着すると、歓迎の音楽隊と民族衣装の女性がパンやお菓子のお皿を持って出迎えです。なんでも少しそれらを食べるのが礼儀とのこと、お菓子をいただいて会場まで、道々、民族衣装の女子学生たちが立っているので、お辞儀をして通り過ぎました。

学長会議ですが、日本側が15大学、ウズベキスタン側が32大学の出席です。ただ日程の決定が5ヶ月前だったこともあり、日本側から参加できた学長は、本学、筑波大学、総合研究大学院大学、名古屋経済大学の4つだったのは少し寂しかったですね。

学長会議のオープニングでは、ホストのサマルカンド国立大学、ルスタム・ハルムラドフ学長の歓迎の挨拶に続いて、ウズベキスタン側からコンゴラットバイ・シャリポフ高等教育・科学・イノベーション大臣の挨拶、そして日本側から増子宏文部科学事務次官の挨拶がまずありました。日本側、当初はビデオメッセージというような話だったのですが、ユネスコの会議に日本代表として参加されている増子事務次官が駆けつけてくださって本当によかったです。その後は、ソディク・サフォエフ世界経済貿易大学学長(上院議員も兼ねています)のビデオメッセージ、平田大使、私の挨拶と続き休憩です。

その後、サルドール・ラジャボフ高等教育・科学・イノベーション第一副大臣、本学の水谷副総長、筑波大学の永田学長らによる事例紹介がありました。だいぶ時間が押したので、エル・ユルト・ウミッド財団という国の奨学財団のイスマイロワ・グルノーザ事務局長の挨拶の後の日本学術振興会の丹生久美子課長の講演だけ、午後の最後に回りました。

 

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10月28日

昨日から東京、乃木坂にある日本学術会議に来ています。

今回は総会に出席ということで、AIや温暖化に関する提言を学術会議として発することと関係して、その中身についての説明がありました。活動報告などもあったのですが、いよいよ法人化される学術会議が来年10月に会員の半分(少しだけ増員するので新規として125名)を更新するにあたっての進め方、さらに2000名に近い連携会員をどう決めていくのかなど、重要な案件について話し合いました。一気に全て変えるので執行部、すごく大変そうです。

この二日間、都内はトランプ大統領の来日で厳戒態勢です。特に学術会議、すぐそばに米軍のヘリポートがあり、羽田に大統領専用機で来日したトランプ大統領がヘリコプターに乗り換えてここに降り立ったということで、ものすごい数の警官、またマスコミでした。警官は全国から集めているみたいで、一宮ナンバーのマイクロバスも見かけました。

 

 

10月25日

先週、ホームカミングデイ等の大きなイベントが続き、疲れていたせいもあるかもしれません、今週は日曜日から発熱して木曜日までインフルエンザでお休みしていました。多くの方にご迷惑をおかけしました。薬が効いて熱はすぐに下がったのですが、一時は39度をゆうに超えました。インフルエンザ、すでに流行に入っているようです。皆さんもお気をつけてください。

水曜日からオンラインで会議には参加、金曜日に復帰しました。金曜日は30分刻みで会議・会議で大変なことになりました。来週は名古屋にいないので、それもあるかもしれません。

土曜日の本日は、午後に毎年行っているダイドー株式会社の山田貞夫会長とのトップリーダートークです。笹島の交差点近くのダイドー・ロボット館でのトークには、本学が中心で進めているT-GEx「世界的課題を解決する知の「開拓者」育成事業」に参加している研究者を中心に10名以上の方にお集まりいただきました。

山田会長、一代で会社を年売上1000億円、社員数700人を超える規模まで育て上げただけあって、非常にカリスマ性があり、毎回対談では緊張をさせられます。今回は奥様もご参加いただけて、結婚式に遅れてきて、その日の式場の最初の予定の枠から次の時間帯へ変更になった、というような裏話まで聞かせていただき楽しい会になったと思います。山田会長、健康には気をつけているとのことでしたが、くれぐれもお身体ご自愛ください!

 

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10月18日

本日は第21回目となるホームカミングデイです。例年総長がとても忙しい一日です。

まず朝8時半からは、午後からある名古屋大学の集いのリハーサルが豊田講堂でありました。

その後、9時半過ぎには、ES館にあるノーベル賞展示室へ移動し、下村先生の写真パネル展示お披露目会に参加してきました。旧制長崎医科大学時代の下村先生の同級生の方から寄贈いただいた、医科大学卒業式後の貴重な写真をパネルにしたもののお披露目になります。当時、実際の授業は原爆の被害にあった長崎市内ではなく、諫早市で行われていたようですが、卒業の記念にということで、原爆で破壊された市内の長崎医科大学の建物をバックに撮った卒業写真とのことです。

戦後全てが破壊された後、学びたいという思いに突き動かされた若人たちの表情に今の時代の名大生が何かを感じてもらえれば幸いです。

なお、このパネルですが、最初に寄贈いただいた写真が本学の不手際で紛失するということがありました。本当に申し訳なく思っています。パネルは、残っていたデータから起こしたものになります。皆様もぜひ、一度ご覧ください。

さて、その後は全学同窓会の評議会が11時から本部1号館であり、昼食・懇談会と忙しく過ぎ、13時30分からは、豊田講堂での名古屋大学の集いです。

集いでは、最初に総長としてご挨拶を差し上げました。この一年に起こったこととして、コモネのオープン、加藤延夫元総長の訃報、吉田久美先生の日本学士院賞受賞、同窓会関係では東三河支部、シンガポール支部の発足などについて、ご紹介しました。

私の挨拶の後は、柴田全学同窓会長のご挨拶、木村代表幹事による活動報告、そして国際交流貢献顕彰の表彰式と進みました。

その次が、先日オンライン上で実施したNU3MTの表彰式とエキシビションです。今回の2名の受賞者、グランプリの生命農学研究科、清日香さんと総長特別賞の工学研究科、梅本駿さん、トロフィーと副賞をお渡しした後は、いよいよエキシビション。それぞれ研究室の応援ビデオに続いて、見事な3分間のプレゼンを行なってくれました。会場の皆さんも本当に楽しんでくださったと思います。お二人、おめでとうございます!

休憩の後は、お待ちかねの名古屋フィルハーモニー交響楽団によるコンサート、指揮は坂入健司郎さんです。曲目は、前半がジャック・イベールの「モーツァルトへのオマージュ」、ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの交響曲第三十五番「ハフナー」、休憩後のトリがピョートル・イリイチ・チャイコフスキーの交響曲第五番です。豊田講堂、残響が少ないのですが、そんな中でもチャイコフスキー、フルオーケストラの音響を楽しむことができました。ちなみにアンコールはチャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」から「四羽の白鳥の踊り」でした。

今回は、名古屋大学の集い、一階席も二階席もほとんど満員、とても多くの方にお越しいただきました。卒業生・修了生の皆さん、来年のホームカミングデイでまたお会いしましょう!

 

 

10月17日

本日は、国際交流貢献顕彰を受賞された3名の在外修了生を迎えての交流会がユニバーサルクラブでありました。

毎年、ホームカミングデイ当日、豊田講堂での「名古屋大学の集い」の中で顕彰を行なっている国際交流貢献顕彰ですが、外国籍を持つ学部・大学院の卒業生・修了生、又は外国籍を持つ教職員及び教職員であった者で国際交流に貢献した者に対する顕彰制度となっています。

今回は、国際開発研究科からの推薦でインドネシア国営インフラ金融公社(PTサラナ・マルチ・インフラストラチャ)の代表監査役であるアンディン・ハディヤントさん、全学同窓会上海支部の推薦で上海財経大学外国語学院准教授・日本語学科長の呂雷寧(ロ・ライネイ)さん、そして全学同窓会カンボジア支部の推薦でカンボジア王立法経大学副学長のハップ・パルティさん3名を顕彰することとなりました。

ハディヤントさんは、国際開発研究科で修士号、博士号を取得後、インドネシア政府の財務系の要職を務めてこられた方です。最近では、インドネシア政府の日本留学の奨学金の対象大学から名古屋大学が外れた際に、再び対象となるために大変なご尽力をいただきました。ありがとうございます。ハディヤントさんですが、奥様も同伴されていらっしゃいました。

呂雷寧さんは、国際言語文化研究科で修士号、博士号を取得、帰国後は上海財経大学で日本語教育に尽力され、彼女の書かれた教科書は中国の200以上の大学で使われているとのことです。また現在、全学同窓会の上海支部幹事長を務められています。

パルティさんは、法学研究科で修士号、博士号を取得、カンボジア王立法経大学では学生の教育と研究に邁進、今回もCALEでの一週間のトレーニング・プログラムに参加させるために10名の学生を一緒に連れてこられました。

交流会の前には、顔合わせと集合写真をシンポジオンホールで撮ってからユニバーサルクラブに移動です。会には受賞者とご家族以外に、全学同窓会からは、柴田会長、齋藤副会長、西村副会長、木村代表幹事も出席、本学の副総長や関係する研究科長なども参加、旧交を温める姿がそこここで見られ、会場内ではスライドショーで、受賞者が名大に在籍した時の写真も流されるなど、非常にアットホームな雰囲気で楽しい時間を過ごすことができました。

 

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10月10日

本日午前中は、名古屋市と名古屋大学の包括連携協定の締結式がありました。場所は市庁舎になります。

式に先立って、広沢市長と中田副市長らと市長室にて懇談をし、その後、締結式の会場に移動です。今回の包括連携協定ですが、名古屋市が掲げる事業のうち、「地域における多文化共生の推進」、「地域強靱化に向けた調査・研究、防災啓発・人材育成等の産学官連携の推進」、「スタートアップ支援をはじめとしたイノベーションの創出促進に関する協力」の3つの柱についての連携を中心に、さまざまな場面での連携を進めていく取り決めをいたしました。

実際に、これまで名古屋市とは、市科学館と本学の博物館や理学研究科との共同事業、地元企業と連携した産学官共同研究、地域課題に取り組む学生・教員による実践的な活動、さらには、昨年から名古屋市の寄附に基づく「名古屋市量子産業創出寄附研究部門」を本学未来社会創造機構に設置、また名古屋市、愛知県や浜松市などと連携し内閣府の「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市」へ中部圏として選定されたところです。同じく今年から、名古屋市の「学生タウンなごや推進寄附金事業」(ふるさと納税)にも新たに参加するなど、本学と名古屋市との連携はますます深まってきています。

この包括協定締結を機に、さらなる連携を進めていきたいと思っています。調印の後では、このタイミングでの調印について報道機関から質問がありました。これまで、本学の国際卓越研究大学の申請において、地域と一緒に大学を国際卓越にふさわしいものに変えていく、ということを提案してきたこともあり、そのためにも今回の調印、ありがたいタイミングであったことは事実です。

この包括協定に向けてご尽力いただいた、名古屋市役所の皆様、特に中田副市長には感謝申し上げます。広沢市長にも議会の会期中という忙しい合間の貴重な時間をいただき、調印いただけたこと、本当に感謝致します。

本学の事務方、特に企画部の皆さんにもご尽力いただきました。ありがとうございます。

 

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10月8日②

引き続いて、午後には、タイのチェンマイ大学の表敬訪問を受けました。こちらは大人数での訪問となりました。ポンラック・スリバンディットモンコン学長を筆頭に、チャリン・テチャパン副学長(戦略担当)、ウィニタ・パニョドム副学長(研究担当)、タニャヌパップ・アナンタナ副学長(スタートアップ担当)、ウォラカニャ・ブラナパッタナ学長補佐、ユタナ・フィモンシリポン産業農学(Agro-Industry)学部長の皆さんです。

チェンマイ大学と本学は、2015年の先方の経済学部と本学の国際開発研究科の部局間協定から連携が始まっています。2022年には獣医学部と本学アジアサテライトキャンパス学院(ASCI)が協定締結をし、ASCIのカンボジアサテライトキャンパスにチェンマイ大学のウィタヤ・スリヤサタポーン教授が本学の特任教員として着任をしていただき、キャンパスの管理運営を担ってもらっています。感謝です。

事前に、チェンマイ大学として連携の興味がある分野として、獣医学、バイオサイエンス、学際研究(AI、データサイエンス、ワンヘルス、健康・農学・環境分野を跨いだ連携)、そして経済学の分野での共同コース設定などについて提示がありました。そこで、本学側も、水谷副総長以外に、工学、生命農学、環境学、国際開発の4つの研究科から研究科長または副研究科長の方に同席をお願いしました。さらにカンボジアでの連携もあることから、今回の訪問の話を仲介された江原先生を含めた生命農学の教員数名にも加わっていただき、大人数でのミーティングとなりました。1時間、あっという間でした。

今回のチェンマイ大学の提案は多岐に渡り、大学間の連携協定(MOU)、これまで実績のある物理・天文・化学分野以外でも、スペースサイエンス、マテリアル、食料、さらには環境変動などいくつかの分野での連携の可能性について示されました。私の専門分野である、物理・天文、そして化学では、京都大学を加えた3大学での連携が進められていて来年にはシンポジウムが予定されているとか、知りませんでした。いずれにせよ、チェンマイ大学からは、新たな分野での連携について、オンラインを活用しながらのワークショップからスタートするのはどうか、という現実的な提案もあり、先方のやる気が見えました。

チェンマイ大学ですが、スタートアップにも相当力を入れていて、すでに500社が起業しているとのこと、学生教育でもチームを作って課題の解決をグループワークさせ、そこから起業に持っていくなど、興味深い施策の紹介をいただきました。学生が5カ国のスタートアップ企業を経験するプログラムもあるとのこと、力の入れようにびっくりさせられました。

今後の連携ですが、まずは現場で一つ一つ積み上げながら、複数のチャンネルでの連携が進んできたら、大学間協定に、というプロセスで合意したところです。

チェンマイ大学の皆さんですが、昨日来日されて、京都先端科学大学、京都大学を訪問の後、本学に来てくださいました。この後は岐阜へ移動、朝日大学、そして岐阜大学を訪問するとのことです。岐阜大学には獣医もありますし、航空宇宙生産技術開発センターも訪問されるそうで、マッチングは良さそうです。そのあとは広島で広島大学とサタケという米を中心に食品加工をしている会社を訪問する、というなかなかに過密スケジュールです。

 

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10月8日①

本日は、二つの海外大学の表敬訪問を受けました。

午前中からランチにかけては、トルコ・日本科学技術大学です。ムスタファ・ヴェルシャン・キョク学長、三原和久プロボストのお二人に加えて、ダムラ・ギュミュシュカヤ駐名古屋トルコ総領事もご一緒に訪問くださいました。

このトルコ・日本科学技術大学(TJU)ですが、2013年に安倍晋三首相(当時)とレジェップ・タイップ・エルドアン首相(当時)が署名した戦略的パートナーシップ構築に関する共同宣言に端を発するそうです。2016年には、この大学の設置に関する協定が結ばれています。そこから10年近く経って、ようやく、来年の2月から最初の学生(大学院生)を受け入れるとのことです。ちなみに、大学理事会のメンバーには、野依良治先生も加わっています。

TJUですが、大学の規模としては小さく、カバーする分野を地震災害科学、情報科学・デジタルテクノロジー、エネルギーと環境という3つにまずは限定し、最初は大学院から、そして二年後には学部を開設する予定とのことでした。教員も専任を2名、併任を3名からスタート、2030年までには専任を14名まで増やしていくそうです。

トルコは日本と同様に複数のプレート境界にあり、大きな地震が多いことで知られています。本学に来られたのは、減災連携研究センターを中心に、地震災害科学の分野での連携を目指してのことと理解しました。そのため、今回の表敬訪問は、国際担当の水谷副総長の他に、減災連携研究センターの鷺谷威センター長と長江拓也准教授、また環境学研究科附属地震火山研究センターの渡辺俊樹センター長にも参加いただきました。とにかく大学を立ち上げるのに一生懸命ということで、今回は、STSフォーラムに参加されて日本の大学の学長と面談をされ、さらに大阪大学を訪問、そしてこれから筑波大学、早稲田大学を訪問されるとのことでした。

 

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10月6日

本日は、午後に女性研究者トップリーダー顕彰の授与式と懇談会がありました。

本顕彰は2017年に創設されたもので、優れた研究成果をあげられ、さらに将来本学のリーダーとして活躍が期待される女性研究者を称えるものです。これまで27名の研究者を顕彰してきました。

授与式は、ジェンダー・リサーチ・ライブラリの2階で行われました。今回は、4名の方が顕彰の対象です。

一人目の長崎大学からこの4月に着任された医学系研究科の中沢由華教授は、分子細胞生物学の基礎研究、特に損傷したDNAの修復の分野で高い研究成果をあげられている方です。

二人目の工学研究科の吉田朋子教授は、固体化学・エネルギー変換化学を専門に、X線吸収分光学、人工光合成の分野の第一人者です。吉田さんは、本学の工学研究科やエコトピア科学研究所(未来材料・システム研究所の前身)の助教や助教授をつとめられた後に、大阪市立大学(現在の大阪公立大学)に転出、昨年、本学に戻ってきてくださいました。

三人目の宇宙地球環境研究所の三宅芙沙准教授は、過去の太陽活動を年輪などに残された炭素の同位体を測定することで明らかにする研究のトップランナーです。太陽が爆発現象を起こした結果、炭素の同位体がある年だけ特異的に増加する現象のことを、今では三宅イベントと呼ぶようになっています。三宅さんは、学部からずっと名大の生え抜きになります。

四人目が、デジタル人文社会科学研究推進センター/人文学研究科の川本悠紀子准教授です。川本さんは、古代ローマの文化史を専門としており、現在は古代ローマの庭園などが研究テーマとのこと、本学にYLC助教として着任する前は、ミュンヘン大学やキングズ・カレッジ・ロンドンで学んだ後に、国内外の大学で研究を務めるなど、世界ところ狭しと活躍している研究者です。

キャリアも、研究分野も本当に多様な四人の研究者ですが、まさにダイバーシティを体現してくれています。これからの研究・教育面での活躍、そして名古屋大学でのリーダーとしての活躍を大いに期待しています。彼女らのような研究者にとって名大が居心地の良い場所となって、どんどんと人を惹きつけてもらえればありがたいですね。

授賞式の後は、過去の受賞者や女性評議員、ジェンダーダイバーシティセンターの教員らも交えての懇談会です。和気あいあいとした雰囲気の中でも多くの有益な指摘などをいただき、充実した時間を過ごすことができました。場所は同じジェンダー・リサーチ・ライブラリの1階、カフェブランです。例えば、中沢さんからは長崎大学で実施していた、女子中高生が女性教員から理系の世界を学び、理系への進路選択を支援する施策を紹介いただき、大変参考になりました。川本さんからは、今回の副賞である研究費のおかげで貴重な資料をイタリアで専門家に複写依頼できたという感謝の言葉がありました。複写といっても侮るなかれ、ページ数も多く、普通のコピー機が使えないそうで、結構びっくりするぐらいの金額でした。

 

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10月3日②

夕方6時からは、ホームカミングディのプレ企画として恒例となりましたNU3MTをオンラインで開催しました。

名古屋大学の誇る、学術奨励賞を受賞した学生のうち9名、つまり最も優秀な大学院後期学生である彼ら、彼女らが誰にでもわかるように、本人の最先端の研究について3分にギュッとまとめて語るこの企画、毎回多くの方にご視聴いただいき、ありがとうございます。今回で5回目になります。

今回もみなさん工夫を凝らし、高いレベルの研究を少しでもわかりやすく説明しようと努力をされていて、素晴らしいプレゼンでした。非常に高いレベルの中、視聴者の票を一番集めたのが、生命農学研究科、清日香さんでした。清さん、グランプリおめでとうございます。

また、私が選ぶ総長賞は、工学研究科の梅本駿さん、こちらもおめでとうございます。お二人には、10月18日ホームカミングイ当日に1000人の聴衆の前で、エキジビションに臨んでいただきます。みなさん乞うご期待!

 

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今回は、本当にハイレベルの戦いで、誰が受賞してもおかしくありませんでした。みなさん、本当に素晴らしかった!おめでとう。

また、このNU3MTのもう一つの見どころは、指導教員や研究室からの応援の動画です。今年も、ものすごくぶっ飛んだものがありましたので、ぜひ、アーカイブからご視聴いただければ幸いです。

この企画、担当のDevelopment Officeがポスターや「新聞」作成など、本当に工夫を凝らしてくださっています。そちらも含めて、以下の企画ホームページ、ご覧ください。

https://hcd.adm.nagoya-u.ac.jp/2025/kikaku/event/202506/273/

 

 

10月3日①

月曜から水曜日までの間に、4回の挨拶、そのうち3回は英語、そして火曜日には経営協議会、水曜日は役員会、木曜日は運営方針会議と東海国立大学機構の重要会議が立て続けにあり、全てで国際卓越研究大学の申請状況について説明する、またその間非常に密な打ち合わせ、という帰国後すぐにも関わらず非常に忙しい一週間もようやく今日で終わります。

本日は、打ち合わせや来客は何件あったのですが、午後に2つ、重要な件がありました。

まず北京大学の学長一行による表敬訪問です。毎年京都で行っているSTSフォーラム(今年はAIと社会問題がテーマ)に出席する機会に、わざわざ中部国際空港経由で立ち寄ってくださいました。空港から直接来られ、まずは未来材料・システム研究所を見学いただいた後にお会いしました。

場所は、野依記念物質科学研究館の応接室になります。北京大学からは本学の二人のノーベル賞受賞者、野依先生と天野先生が、名誉教授の称号をいただいています。その縁もあり、今回の表敬訪問、野依先生も駆けつけてくださいました。野依先生からは、日中の今後の交流のあり方など、大変格調の高いご挨拶をいただきました。ちなみに野依先生もSTSフォーラムに出席されるそうです。

さて、北京大学からは、ゴン・チーファン(龔旗煌)学長の他に、今回のフォーラムの関係で、数学教育にAIを導入した立役者、北京国際数学研究センターのドン・ビン(董彬)教授、プロボスト・オフィスのスン・フア所長、国際連携オフィスのリー・ユン所長、同オフィスのクイ・チー副所長らがいらっしゃいました。

北京大学は中国で常にNo1を争う大学、名実ともに世界トップランクの大学になります。本学とは、2002年に学術交流協定を大学間で結んでいて、学生交流についての授業料不徴収の取り決めもあります。近年では医学部との交流が中心ですが、文学部の学生1名が昨年から今年にかけて留学をしていた実績もあります。

ゴン学長からは、これまでの医学、物理、化学分野の交流に加えて、北京大学として新たに再編して大きな学部となった工学部での連携もぜひ進めたい、というお話をいただきました。また学生の交流も是非、ということで、授業料不徴収の枠の拡大なども申し出てくださいました。これからもっともっと交流を活発にしていきたいと思っています。

ゴン学長、今回はありがとうございます!

 

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10月1日

いよいよ10月に入りました。だいぶ秋めいてきましたね。

朝方はあいにくの雨でしたが、秋季入学式を執り行いました。留学生中心なので、英語での進行です。入学生総数は291名、うち留学生が236名、41カ国からになります。アフリカから8名、中南米から3名、本当に遠くから、名古屋大学を選んでくださってありがとうございます。

入学式では、卒業式と同様名古屋大学交響楽団のパッヘルベルのカノンによる入場でスタートです。ここでちょっとハプニングが。気になる方は公開されている映像をご覧ください。

私の祝辞の後、壇上役職員の紹介、入学生総代による宣誓とここまではいつも通りです。

その後、今回はゲストとして国際開発研究科のクリスチャン・オチア准教授に先輩としての歓迎の辞をいただきました。コンゴ民主共和国出身のオチアさんが、名古屋大学の研究生、修士課程の学生として、寮での多くの国々からの留学生との出会い、そこで食事を一緒に作る経験などを通じて一生の友人となっていることや、名大の伝統となっている教員からのみならず学生間を含めてのメンターシップの大切さなど、経験に基づいた本当に暖かい歓迎の言葉でした。日本に来て不安に思っている留学生も、勇気づけられたのではないでしょうか。一方で、話の中で紹介されていたオチアさんの研究テーマ、コンゴのような資源が豊富にある国の国民がなぜ大部分貧しいのか、については考えさせられました。オチアさん、素晴らしい歓迎の辞、ありがとうございます。

入学生の皆さん、これからの名古屋大学の経験が実りあるものとなりますように!入学おめでとうございます。

 

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