2025年12月

12月26日

今年も早いもので、最終の出勤日になりました。なんだか土日も全然休めないな、と思っていたら、秘書さんによると26連勤だそうです。それも今日で終わりです。

本日は、学内の喫煙問題について話し合うワーキングのキックオフを行いました。本学では、かつては部局ごとに喫煙場所を設けて管理してきました。しかし、改正健康増進法が学校での敷地内原則禁煙をうたっていることを受けて、喫煙場所を減らしてきた結果、昨年春の段階で、学内に喫煙場所がなくなってしまいました。学内完全禁煙、ということであれば見栄えは良いのですが、周辺の道路などでの喫煙が増えて苦情が来るようになったこと、また学内でも目立たないところで隠れて吸っているということもあり、なんとかしよう、ということでワーキンググループを設置させていただきました。

今後は、喫煙場所を設置するのか、どのような形態でどこに設置するのかなどを検討いただき、来年の春までに取りまとめていただく予定です。メンバーの皆さん、よろしくお願いします。

もちろんタバコは吸わないことが一番良いので、新入生へのメッセージなどしっかり発信していきたいと思っています。

それでは、皆様、良いお年を!来年もどうかよろしくお願いします。

 

 

12月21日

本日は、名古屋大学レクチャーを豊田講堂で実施しました。

昨年は講師の都合で中止となってしまったレクチャーですが、様々な学問分野の世界的リーダーを名古屋大学レクチャラーとして招聘して行う、名古屋大学、そして高等研究院が主催する最も重要な講演会であり、今回で19回目となります。文系・理系を問わず、世界最高水準の高名な研究者をお招きし、広く一般市民の皆様にも公開して、世界最高の「知」に触れていただくためのもので、レクチャラーへは、名古屋大学で最も栄誉ある「名古屋大学レクチャーシップ」称号の授与および表彰盾の贈呈が行われます。

今回の講師は、京都大学高等研究院長・特別教授、そして名古屋大学の特別教授でもある森重文博士です。名古屋大学レクチャーとして初めての数学分野のレクチャラーになります。フィールズ賞受賞者の森先生は、数学の中でも「数式で表せる図形の性質を調べる」代数幾何学という分野で、数多くの画期的な成果をあげてこられた世界的な研究者です。代数幾何学は、数学の中でも純粋数学という分野であり、特に抽象度が高いことで知られています。レクチャーの前に森先生とお話しする機会を持てたのですが、本当に研究者らしい飾らぬ謙虚なお人柄に感銘を受けました。

レクチャーには豊田講堂がほぼ満席になるぐらい多くの聴衆が詰めかけました。特に今回は若い人も多く、さらに託児所も用意したのが好評だったようです。

レクチャーでは、私のご挨拶の後に、本学の多元数理科学研究科、谷本祥教授による解説講演がありました。難解な森先生の研究業績をできるだけわかりやすく解説しようという気持ちはよく伝わってきました。

続いて、森先生に対してレクチャーシップを授与し、表彰楯を贈呈させていただきました。表彰楯のデザインは正倉院にある麒麟、平和と学問の尊重を象徴するものとして、作成されたとのことです。

休憩の後は、いよいよ森先生のご講演、まずは東海高校時代の思い出からスタートです。大学への数学という雑誌の学力コンテストで伝説とも言える高得点を連発されていたようなのですが、そこは謙虚に語られていました。続いて学生運動が非常に過激だった年に京大に入学した思い出を語られました。森先生自身は、教養などの授業がない分、数学漬けの学生時代だったようです。

フィールズ賞に輝いた研究は名古屋大学にいらっしゃった10年間に成し遂げられた、という話には勇気づけられました。1980年から90年になります。フィールズ賞を取られたのが、名大から京大に移った年だったので、あと少し着任が遅ければ名大所属としての受賞になったのが悔しいところです。

名大にいらっしゃる間に、プリンストン高等研究所やコロンビア大学などに合計3年ほどいかれていたとのこと、これだけの自由を与えた当時の名古屋大学理学部数学科の、若手教員を育てよう、という強い意志を感じました。

肝心の研究の内容の解説は、どうしても難しくなるのですが、それでも概要がおぼろげにですがわかる話ぶりはさすがでした。あとで、普段はここまで中身については話さない、ということもおっしゃっていましたが、本当にありがとうございます。

講演の最後は、数学の美しさを工業製品や印象派やキュビズムといった絵画になぞらえて語ってくださいました。

聴衆の皆さん、本日の森先生のお話から数学の難しさも感じたと思いますが、その美しさに深く魅了された研究者の姿から強い感銘を受けられたことと思います。素晴らしい時間、森先生、ありがとうございました。

 

20251221_141658.JPG

 

 

12月20日

本日は、東京駅近くのホテルで、ウズベキスタン共和国のミルジヨーエフ大統領とお会いする機会がありました。

中央アジアと日本の連携のために、中央アジア5カ国の首脳が東京を訪問、高市首相らと会談をしているのは、ニュースでご存知の方も多いかと思います。

本学が法整備支援などを通じて、長年連携してきていることもあって、この機会に日本の5つの大学との面談をセットいただいた次第です。5つの大学は、本学と筑波大学、東京農工大学、鳥取大学、そして名古屋経済大学になります。

ミルジヨーエフ大統領ですが、2019年には本学を来訪、その際には講演をしてくださり、本学から名誉博士の称号を授与いたしました。その時に、工学教育の改革、日本からの学生の訪問、ノーベル賞受賞者のご招待など、いくつかの宿題を大統領からいただき、この間、本学として着実に実施してきたという経緯があります。

昼から待合室で待機していたのですが、そこでは一月ほど前サマルカンドで行われた日本ウズベキスタン学長会議に出席されたタシケント工科大学ら多くの大学の学長と旧交を温めることができました。日本学術振興会からは杉野理事長も来られて、しばらくして松本文科大臣も到着され、いよいよ大統領との謁見です。松本大臣を先頭に一人ずつ入室、大統領と言葉を交わします。私の番では、大統領から「自分は名古屋大学の教員だから」という思いがけない言葉があり、また、2019年に私が副学長としてお会いしたこともしっかりと覚えてくださっていました。

その後、大統領やシャリポフ高等教育・科学・イノベーション大臣らとテーブルを囲み、まずは大統領から、日本の大学への期待が述べられ、さらに具体的に4つの提言がなされました。1つ目が、教育科学共同委員会を設置すること、そこでは共同学位、ポスドク、スクールの開催など両国の学生や若手研究者の交流を考えたいとのことでした。2つ目が、フラッグシップのプロジェクトとして、日本式の教育を行う大学を設置する、そのための場所などのリソースはしっかりと提供する、というお話です。こちらは、筑波大学が中心となって進めていくことになっているようです。3つ目がイノベーションの分野で、産学官のコンソーシアムを作って、AI、ロボティックス、スタートアップ形成などを進めたい、とのことでした。最後の4つ目は工学分野での教育改革で、共同学位やAIなどの分野での協力をしていきたいというものです。相当意欲的で踏み込んだ提案でした。

そのあとは、松本大臣からの挨拶、さらにそれに続いて、学振の杉野理事長、各大学の学長からの挨拶です。それぞれにしっかりとコメントを大統領が返されていたのが印象的でした。私からは、2019年の大統領の訪問に対するお礼とその時の提案に対する取り組み状況、また法整備支援やASCIによる国家中枢人材育成など、これまでの名古屋大学の連携の成果、そして今後の更なる協力について申し上げました。大統領からは、天野先生の講演が実現したことへのお礼や、「名古屋大学は私が教員だという非常に有利な立場にいる」というお言葉をいただきました。

各学長、時間は決まっていたのですが、通訳の関係もあってどうしても長くなって、松本大臣が一番やきもきと時間を気にされていました。そのあとは、記念写真で大統領は退席、全体で1時間ほどにもなる謁見でした。

ミルジヨーエフ大統領ですが、もともと機械工学、特に農業の機械化を専門とする研究者としてそのキャリアをスタートされているだけあって、教育やイノベーションに非常に高い関心をお持ちです。今回も大臣らにしっかりと指示を出されていたので、連携はハイピッチで進みそうな予感がしています。

大統領との謁見のあとは、場所を移してシャリポフ大臣との個別の面談をさせていただきました。名古屋大学のこれまでの取り組みについてお話をしたのですが、最後に、一週間を目処に今回の謁見のまとめを送るから、どのようなアクションを取れるか検討してもらいたいという宿題をいただき、ドッキリです。

ウズベキスタン、トップダウンの国なので、この機会に急激に状況が変化しそうです。

 

 

12月17日

本日は、独立研究者(PI)育成のためのプログラム、T-GExの事業推進委員会が行われ、参加してきました。

こちら、このプログラムに参加いただいている大学、研究機関、そして企業の方々がメンバーとなっています。委員会では、プログラムの詳細な活動状況の報告がプログラムマネージャーの武田宏子法学研究科教授からありました。そこでは、名城大学のこのプログラムへの取り組みがグッドプラクティスとして取り上げられ、意見交換でも話題となりました。名城大から参加いただいているアソシエート(東海圏の連携学術機関から参加しているメンバー)に対して、名城大学長から採択通知授与式を行うなど学内で積極的にプロモーションするとともに、独自の研究費支援も行うなど、T-GExを良い意味で本当にうまく使ってくださっています。

今回から8社の企業が新たに参加いただくなど、取り組みが学内に留まらず、地域の大学や企業を巻き込んで、順調に拡大してきています。突然の予算減額など厳しい状況の中ではありますが、良いプログラムに育ってきています。これまでの枠を超えた新しいPIが続々と生まれてくることを期待しています。

 

 

12月16日

本日は、卓越大学院CIBoGの最終評価ヒアリングで、午前中に東京に行ってきました。

審査終了後はすぐに名古屋に帰ってきて、教育研究評議会です。東京は近いので、日帰りが可能ですが、冬に行われる審査会では新幹線の雪での遅延のリスクがあります。今回は大丈夫でした。

さて今年最後の教育研究評議会は、対面で行いました。通常はオンラインなのですが、対面でやるとやっぱり顔が見えるのでみなさんの反応がわかって良いですね。

評議会終了後は、評議会のメンバーと副総長補佐や事務職員(課長級以上)が加わっての忘年会です。場所はユニバーサルクラブです。早いもので、もう一年の終わりとなってきました。忘年会、常日頃はあまり話す機会のない人たちと交流できるのは良いものです。なかなかの盛り上がりの中でのお開きとなりました。

 

 

12月12日②

午後からは、日本学術会議中部地区会議の学術講演会がコモネでありました。中部地区会議は、中部地区の学術会議会員・連携会員で構成され、横の連絡を取るとともに、地域に密着した学術活動事業を行っています。今回は名古屋大学がホスト、学術会議会員の高田教授が中心となっての企画です。私はホスト機関代表かつ学術会議会員という立場での出席となりました。

会に先立ち、お昼にはNIC館で中部地区会議の幹事メンバーとの昼食懇談会を持ちました。幹事の中には、名古屋大学のOB、OGの方々、特に副総長を務められた和田肇先生や束村博子先生など懐かしい方々もおられ、中部地区各県の代表や日本学術会議三枝副会長にもご参加いただきました。

コモネに場所を移しての学術講演会のテーマは「これからのモビリティと社会受容性~自動運転実用化への課題と挑戦」です。オンラインを含めて多くの方にご参加いただきました。そこでは工学、法学、社会科学など様々な視点から、自動運転を中心とする次世代モビリティの可能性と課題が議論されました。

時間の関係で前半のお二人の講演だけを聞いたのですが、なかなか刺激的で面白かったです。

最初の東京大学生産技術研究所 中野公彦 教授は、学術会議の「自動運転の社会実装と次世代モビリティによる社会デザイン検討委員会」幹事の方で、取りまとめに尽力された方になります。その内容についてコンパクトにまとめてお話しされるとともに、取り組まれている東京大学の柏キャンパスの周辺での自動運転バスの実証実験について語っていました。この場所は、以前私もKavli IPMUのPIとして通ったところだったので、懐かしい風景でした。

次の金沢大学高度モビリティ研究所 菅沼直樹 教授はロボットタクシーに向けて、金沢の街中と珠洲市、さらに北海道などでの実証実験を実施、さらに自身のスタートアップの話など盛りだくさんでした。面白かったのは、交通量の少ない田舎が必ずしも自動運転が簡単だとは言えない、ということでした。交通量が少ないだけに、あまりしっかりと交通ルールを守らないため予期しない行動を自動車も歩行者もするとのこと、なるほどです。

 

 

12月12日①

本日午前中から、未来材料・システム研究所10周年記念式典が行われました。

式典では文科省から、研究振興局大学研究基盤整備課 俵課長の代理で、熊谷課長補佐が来られ祝辞を述べられました。熊谷さんは、東海機構が発足する直前の2年間、名古屋大学に着任され、当時の上月事務局長ともども、機構発足に非常に力になっていただいた方になります。

さて、2015年に発足した未来材料・システム研究所ですが、革新的省エネルギーに係る研究を通して環境調和型社会の実現に貢献する組織として、前身のエコトピア科学研究所を改組して作られました。

そもそもエコトピア科学研究所は、安全・安心で豊かな美しい社会を将来にわたって持続的に発展させていくため、地球環境負荷を低減した環境調和型社会、すなわち、21世紀が目指す理想社会(エコトピア(EcoTopia))を実現する、その理想社会の実現に向けて「もの、エネルギー、それに付随した情報の循環・再生と人間との調和」を切り口にした自然科学と人文・社会科学が融合したグローバルな学際研究を行うことをミッションとして、2004年に発足、2006年に三番目の大学附置研究所として認可されたものになります。

SDGsという言葉さえなかった時代にまさにSDGsを実現することをミッションとするエコトピア科学研究所に、2014年にノーベル物理学賞を受賞した天野浩教授をセンター長とする附属未来エレクトロニクス集積研究センターが設置され、さらに全体を再編する形で、2015年に未来材料・システム研究所が立ち上がったというわけです。2016年度からは、共同利用・共同研究拠点として文科省から認可されています。

現在は、天野先生率いる未来エレクトロニクス集積研究センターと、高度計測技術の開発と人材育成を推進する高度計測技術実践センターという2つのセンター、さらに材料創製部門、システム創成部門、2つの寄附研究部門、10の産学協同研究部門、エネルギー変換エレクトロニクス実験施設、超高圧電子顕微鏡施設、先端技術共同研究施設を要する、まさに本学を代表する一大イノベーション研究拠点へと育ってきました。

記念式典ですが、内山所長の研究所の紹介、そして熊谷課長補佐、私、松尾機構長の挨拶に引き続いて、2つの記念講演(天野先生、日本ガイシ株式会社の大西様)が行われました。天野先生の記念講演まで出席して中座させていただきました。

未来材料・システム研究所のこれまでの10年間を支えてこられた所員の皆さま、これまでの素晴らしい成果、ありがとうございます。また、次の10年がさらに実りあるものとなることを期待しています。

 

DSC01108_2re.JPG

 

 

12月9日

本日は、全学同窓会と学士会が共同で開催する講演会、夕食会に参加しました。場所は野依記念学術交流館です。

毎年恒例となっている講演会ですが、今回は本学の勝野雅央医学系研究科長を講師に迎えての開催です。講演のタイトルは、「認知症の百年戦記:治療実現から予防へ」、神経内科の勝野先生のご専門のお話でした。

100年前にアルツハイマーとレビーという二人の研究者によって発見された認知症が、近年急速にその理解が進み、治療薬も出てきたこと、早期発見に向けての試みも進んでいることなど、最新の研究内容も紹介されながら明快にお話され、みなさん大満足の講演会でした。

お話の中で一つだけご紹介すると、10年前の予想より認知症の患者数が少ないという状況が日本だけでなく世界で起きているそうです。これは、糖尿病や高脂血症、喫煙、肥満など認知症のリスク要因が明らかになってきたのですが、これらが健康意識の高まりでしっかりコントロールされるようになってきた結果、認知症も減ってきているのでは、とのことでした。これらのリスク要因がさらに明確になり、個人個人がそれらをしっかり抑えていけば、認知症は防げるかもしれませんね。予防という意味では薬も出てきていますので、認知症がなくなる日が来ることを祈っています。なお、薬にしてもリスクのコントロールも、早いうちからが肝心のようです。

夕食会では、名大の同窓生はじめ学士会会員の方が参加され、昔の知り合いなど思いがけない人とも会えて、なかなか良い会となりました。

 

紅葉がそろそろ終わりになってきました。私の居室から撮った紅葉の写真、アップしておきます。

 

画像.jpg

 

 

12月6日

本日は土曜日ですが、午前中に全学同窓会ASEANオンライン・ダイアログというイベントがありました。

こちら、全学同窓会マレーシア支部からの発案で、今年マレーシアがASEANの議長国を務めるということもあり、ASEAN各国の同窓会支部が集まって対話をすることを通じて、お互いのネットワーキング、そして連携の強化をはかる、というものです。マレーシア支部のジャミラ・モハマド支部長が中心になって参加者を集められ、私からもご挨拶を差し上げました。ちなみに、ジャミラ・モハマドさんには、本年2月3日に表敬訪問をいただいています。

全学同窓会、海外支部が現在17支部と、どんどんと拡大してきていますが、横の連携がこれまでほとんどありませんでした。この機会にASEANでまとまっていただけると頼もしいですね。

 

画像.jpg

 

 

12月5日

本日午後は、年3回ほど実施しているYLCセミナーがありました。

今回は、生物の集団行動をドローンを使って調べるという研究を環境学研究科で行なっている井上漱太さん、卵巣がんの研究を中心に医学系研究科・名大病院で臨床と研究を行なっている伊吉祥平さんのお二人でした。

今回、お二人の話を聞いていて感じたのは、研究者として成功していくためには、世界の誰にも負けない「武器」を持つことが必須、ということです。井上さんは、ドローンを使うという手段の強みとその結果をAIを使って解析するという強みを持っていました。伊吉さんは、もともと化学の研究者としてスタート、そこから医者になり医学の研究を進めてきたというキャリアから、化学を深く理解して医学の臨床研究を行う、という強みを持っています。

元来、研究では、新しいテーマにこれまでにない手法によってチャレンジしていくことで大きなブレークスルーが得られます。誰にも真似のできない自分だけのスキル、強みがそこで大きな力を発揮します。お二人の研究の発展、楽しみにしています。

 

 

12月4日②

午後には、韓国の高麗大学校の学長らの表敬訪問を受けました。場所は理学南館です。高麗大学校はSKYという3大大学の一角を担う韓国のトップ大学で、世界ランキングも本学よりもだいぶ上を行っています。

訪問いただいたのは、キム・ドン-ウォン学長、国際担当のソン・サン-キー副学長、国際大学ハン・ジュン-スン前学長らでした。キム学長とは、これまでも何回か環太平洋大学協会(APRU)の学長会議などでお会いしています。初めての名古屋大学訪問ということでした。寒くありませんか、と尋ねたのですが、今のソウルはもう少し寒いとのお答えでした。

高麗大学校は120年前に設立された歴史のある大学です。ちなみに英語名はKorea University、私立大学だそうですが、韓国を代表することがわかると思います。

高麗大学校の方からは、ソン副学長から詳しい大学説明をいただきました。いくつかキャンパスがあるのですが、メインのキャンパスはソウルにあります。カレッジ制をひいていて、法科大学、経営大学、理科大学、医科大学などなど、ソウルキャンパスだけで19のカレッジ・学部があり、21の大学院、38000人の学生数、11000人の留学生を誇ります。

病院を3つ持ち、そのうち2つは病床数が1000を超え、さらに4つ目を建設中とのこと、すごい勢いです。

産業界にも多くの人材を出していて、韓国のトップ100企業の17%のCOEは高麗大学校の卒業生だそうです。代表的な卒業生には、現代自動車のチュン会長、LGグループのクー前会長らがいます。政治やスポーツにも人材を輩出、イ・ミョンバク元大統領ほか、首相経験者や現在のソウル市長も卒業生です。スポーツ関係では、浅田真央さんのライバルで有名だったフィギアスケートのキム・ヨナさんやゴルフのリディア・コさん(韓国系ニュージーランド人でパリオリンピック金メダル)なども卒業生だそうです。

留学生の受け入れに非常に熱心で、アジアNo1のサマー・プログラム、ウインター・プログラムには35カ国以上から3500人を超える学生が参加します。

本学との関わりは1999年の部局間の協定から始まり、2006年には大学間学術協定を締結しています。医学部・医学系研究の国際学術連携組織GAMEにも本学とともに参加、学生交流を進めています。そのため、表敬訪問には、医学研究科の国際連携室から長谷川仁紀講師にも参加いただきました。

高麗大学校からは毎年NUPACEで学生が本学に留学をされていて、現在も3名が滞在中、そのうちの一人がキム学長とお話をする機会を今回いただいたとのことです。表敬訪問には留学生の関係で、グローバル・マルチキャンパス推進機構から石川クラウディア准教授、巽洋子特任助教に加わっていただき、さらに経済学研究科からはカン・チュ-ヒョン講師にもお越しいただきました。

NUPACEで本学に来るばかりではなく、本学から高麗大学校へ行く学生数を増やしたいということで、今回、交換留学の授業料免除枠を参加費免除でプログラムに参加できる学生の枠にも適用いただき、早速今月末にあるウインター・プログラムに経済学部から7名の学生が参加することになっています。これまで参加した学生さんからの反応はとても良いものだったそうで、7名の学生が良い経験ができるものと思っています。

学生交流、医学系の交流の他にも交流を拡大していきたい、ということで意見が一致し、例えばシードファンドや、ゆくゆくはダブルディグリーのようなものも作っていけたら、というところで今回の表敬訪問は終わりになり、ギフトの交換と写真撮影をし、高麗大学校のご一行名古屋駅に向かわれました。

 

20251204_KoreaUniversity_001_02(16x9).jpg

20251204_KoreaUniversity_006.jpg

 

 

12月4日①

今日も忙しい一日でした。午前中は、ポートメッセなごやで開幕した建築技術フェア2025in中部と第13回 中部ライフガードTEC2025~防災・減災・危機管理展~に行ってきました。

開会式でのテープカットがお仕事です。広沢名古屋市長らとともにカットさせていただきました。来賓には、国土交通省大臣官房参事官(イノベーション)グループ施工企画室の増竜郎室長、名古屋市立大学の浅井学長や本学の福和伸夫名誉教授なども来られていました。建設技術フェアの方は、全国で順番に行い、今回の名古屋が今年最後とのことでした。

開会式の後、少しだけ時間があったので、両方の展示を少し見てまわりました。一人で見てもわからないので、広沢市長と本学OGの吹上康代名古屋市経済局長が視察をされていたので、ちょっとずうずうしかったのですが、ご一緒させてもらいました。建築技術フェアの方では、やはりAIを使った最新の技術が多く展示されていて、鹿島建設のダムなどの自動化施工システムは圧巻でした。ダンプトラックやブルドーザーなどが自動化され、遠く離れた司令室でのチェックだけで動いています。ここにさらにAIをどんどんと導入していくようでした。

中部ライフガードTECの方では、防災関係の展示ですが、本学の減災連携研究センターも出展していました。市長に無理を言って、一緒に写真撮影をさせてもらいました。展示で目を引いたのは、名古屋工業大学の北川啓介研究室のダンボールハウスです。北川先生に説明をいただいたのですが、断熱材を内部に吹きつけた外におけるハウス、避難所でプライバシーが確保できるハウスなど、相当の完成度で、実際に能登半島地震の際などで使われているとのことでした。

 

20251204_ライフガードTEC_杉山総長と広沢市長.jpg

 

 

12月3日

本日は、株式会社ビズリーチの皆さんが、学生支援本部の土井康裕キャリアサポートセンター長(経済学研究科教授)とともに総長室を訪問いただきました。

ビズリーチが運営しているビズリーチ・キャンパスというOB/OG訪問ネットワークによる就活サービスについて、本学の利用状況と、キャリアサポートセンターと組んでの本学学生向けキャリア教育についての報告でした。

ビズリーチさんには、以前、ネーミングライツをいただいたこともあり、その時にはビズリーチ・キャンパスの利用状況が他大学に比べて非常に低い状況だったのですが、その有用性が浸透してきて、現在はだいぶ多くなってきています。キャリア教育も担当していただいていて、土井センター長によると学生のマインドが半期の講義で大きく変わるとのこと、今後、このようなキャリア教育が拡大していくことが期待されます。

 

画像.jpg

本日は、夕方からは、毎年土岐市で行っている市民大学講座で、ダークエネルギーの話をしてきました。地下鉄に乗るために建物を出た瞬間、風の冷たさにびっくりです。本格的な冬の到来ですね。21時近くまで講演をしていたので、帰宅は22時を回ってしまいました。

 

 

12月2日②

午後には、宇宙地球環境研究所賞(ISEEアワード)の授与式がES館でありました。

この賞は、本学の宇宙地球環境研究所が表彰するものになります。目的は、宇宙地球環境研究の発展、宇宙地球環境研究に関わる分野の融合及び新分野開拓の振興で、対象は宇宙地球環境研究所の共同利用・共同研究に基づく優れた研究活動になります。

7回目となる今回は、琉球大学理学部の教授であった山田広幸氏が受賞となりました。残念なことに山田氏は、2024年に54歳の若さでご逝去されています。

山田氏は気象学の研究者で、観測的アプローチによって雲・降水を中心とする中規模の気象現象(メソ気象学)を対象に業績をあげられた方です。具体的には、梅雨前線、スーパークラウドクラスターなど広範囲の現象を対象にされ、近年は特に航空機による台風の観測に力を入れていました。宇宙地球環境研究所の坪木教授の共同研究者として、2017年のスーパー台風の眼への貫入観測によって、台風の航空機観測における新しい研究を開拓したのが山田先生でした。

授賞式には、ご家族(奥様とお嬢様)が出席、奥様が受賞の盾を受け取られていました。山田広幸氏のご冥福をお祈りするとともに、台風研究の一層の発展を期待しています。

 

isee_award_ceremony3.JPG

 

 

12月2日①

本日は、午前中にとても可愛いお客さんが訪ねてきてくれました。学内にある、こすもす保育園の年長さんたちです。今年は、総勢6名でした。園児の中には私が知っている教員のお子さんもいました。本人の言葉でわかったのですが、お父さんに本当にそっくりです。みなさんご両親の少なくともどちらかが名大で働いています。

松尾機構長とともに迎えたのですが、機構長と私にそれぞれ、すごくきれいな字とお花の切り絵の感謝状をいただきました。保育園児とは思えません。

今こすもす保育園では、なわとびがブームのようで、何回連続で飛べるか教えてくれました。250回を超えていたのにはびっくりです。また将来に何になりたいかという質問に、アイドルや団子職人と答えてくれました。ちなみに団子職人志望の子は、本物のお団子を作ったことがあるそうです。春からは小学校、それまではこすもす保育園で元気に遊んでください!

 

画像①.jpg

画像②.jpg

 

 

12月1日

いよいよ年末、12月に入りました。

本日は、若手研究者育成のプログラムであるT-GEx(世界的課題を解決する知の「開拓者」育成事業)の中間評価のヒアリングを受けに東京まで行ってきました。

プログラムマネージャーの武田宏子先生がリーダー、吉田有人URAが実務を中核として担って実施しているプログラムですが、近隣の大学や研究機関、さらには企業も巻き込んでの人材育成、しっかりと厚みが出てきていると思っています。

審査会は東京駅のすぐ近くの貸会議室を使って実施されました。非常に便が良くて助かりました。

ただし近いのも良し悪しで、審査会終了後はすぐに名古屋に帰り、打ち合わせを何件かこなしました。

 

 

share :
大学概要一覧に戻る