5月30日②
岐阜駅から今度は名古屋駅まで移動、名古屋マリオットホテルアソシアでの山本尚先生文化勲章受章祝賀会に出席してきました。
松尾機構長とともに通されたのが中央のテーブル、山本先生ご夫妻、野依先生、中部大学の家副理事長と前島学長、小出昭司名古屋市会議長の皆さんと同席でした。
山本先生は有機化学の分野で顕著な御業績をあげられた方で、日本学士院賞など数多の賞を受賞、文化功労者を経て今回の文化勲章受章の運びとなりました。
名古屋大学には、ハワイ大学から1980年に工学部に助教授として着任、2002年にシカゴ大学へ移られるまで、22年の長きに渡り教育・研究、そして評議員などとして運営に関わってくださいました。現在も特別教授の称号を付与させていただいております。名古屋大学での教え子、工学研究科の石原一彰教授やITbMの大井貴史教授、物質科学国際研究センターの斎藤進センター長を始め、160名を数えるとのこと、今回の祝賀会にも多くの方が駆けつけていました。化学会の重鎮も勢揃い、という勢いで、山本先生の凄さを改めて感じさせられました。
ハワイ大学から、給与が下がるにも関わらず名古屋大学に来て下さったのは、きっと野依先生の働きかけがあったに違いない(お二人は京都大学工学部の同じ研究室のご出身)、と私の挨拶で申し上げたのですが、その後の野依先生の祝辞の中で、「コーネル大学との綱引きになったが、口説き文句に「君は日本人だろう」と言ったのが決め手になったのではないか、と仰っていたのには、さすが、としか申し上げられません。
中部大で70代になってから始めたペプチド研究でも成果をあげられ、研究への情熱、いまだ冷めやらず、というご様子でした。お体にはご留意いただき、ますますの活躍、祈念しております。

5月30日①
本日は土曜日ですが、二つのイベントを梯子しました。
まず午後最初は、全学同窓会岐阜支部の総会に出席するために、岐阜駅の十六プラザに行ってきました。
まず総会には40名ほどが出席、私からは名古屋大学のビジョンについてお話ししました。続いて、決算・予算・事業関係の審議があり、その後は卒業生お二人からの講演がありました。
最初は、東京海上日動火災保険株式会社の河合仁美執行役員から、「損害保険会社における社会課題・人材育成への取り組み」と題して、会社の紹介と人事戦略を中心にお話がありました。彼女は、文学部の出身で主に岐阜でキャリアを積んで、今は愛知県の北半分を統括する立場にいるとのことでした。お話の中では、特にダイバーシティ、イクイティ、インクルージョンの取り組み、名大としても参考になりました。東京海上日動火災保険株式会社、新入社員の男女比は女性の方が高いのに、上のポジションに行くに従って男性が多数になっていくとのことでしたが、大学も一緒です。しっかりとした教育プログラムで、意識を変えていっているとのことでした。名大卒の女性として大企業で役員として活躍している河合さん、これからのますますの活躍、期待しています。
続いて、UBE株式会社から森下啓之さん、工学部の卒業生でC1ケミカルプロジェクト理事PL補佐という肩書きです。UBE株式会社は私の世代では宇部興産だった会社です。森下さんは、海外事業に長年従事されてこられた方で、「化学会社の海外製造拠点進出事例と文化の違いについて」というとても興味深いお話をいただきました。中国やタイ、米国など様々な国での経験をもとに、ビジネスのスタイルの違いなど、お話の中身、極めて具体的で面白かったです。何より、アメリカのルイジアナにリチウムイオンバッテリーの電解液のプラントを建設する話がぶっ飛んでいました。アメリカの物価高では、とても現地ではプラントを建設できない、ということで、中国で全て組み立てて輸送したそうです。組み立ての様子、そして、出来上がったプラントをほぼそのままコンテナ船に載せてパナマ運河経由でルイジアナまで運び、現地では橋まで建設してプラントを移動させ、あっという間にプラントが組み上がっていくというビデオを見せていただきました。本当に迫力満点でした。世界で活躍する卒業生、まさに勇気ある知識人のロールモデルです。
講演の後は場所を移して懇親会、多くの方とお話しできました。来年もどうかよろしくお願いします。
5月29日
本日は朝から、パリ・サクレー大学の表敬訪問を受けました。
9時からスタートの予定だったのですが、ご一行がなかなか到着せずヤキモキ。タクシーに山手通りの反対側に降ろされた、とのことで20分以上遅れての到着です。
パリ・サクレー大学からは、デルフィーヌ・プラシディ=フロ国際担当副学長、ジェーン・ブレジエ=ジョン医学部国際担当、ヒョンジュ・ブロンシャール健康・薬学研究科プログラムマネージャーの3名が訪問されました。なんでも短い日数で手分けして日本そして韓国の大学を訪問しているとのことで、名古屋大学は医学関係が中心です。
パリ・サクレー大学は2019年にできた新しい大学です。前身となったのは、パリ市の南郊外にあったパリ南大学(パリ第11大学)です。土地の名前を取ってオルセーとも呼ばれていました。この大学を基盤に、複数のグランゼコールを統合し、研究機関と連携してできたのが、パリ・サクレー大学という巨大な大学です。学生総数6万人、うち大学院生が2万3千人、教員が1万人以上は、名古屋大学の4~6倍ぐらいの規模になりますか。
パリ南大学は私自身が研究で深く関わってきた大学で、短い期間ですが客員教授をしたこともあります。その縁もあり、私が理学研究科長の頃、2017年に全学の大学間協定を結び、お互いの学生の授業料不徴収の協定も結んでいます。天体物理学や核物理学などで非常に実績のある大学です。最近では、農学国際教育研究センター、生命農学研究科、低温プラズマ科学研究センターが先方の気体・プラズマ物理学研究所と連携の協定を結んでいます。
医学部についても先方は複数の大学附属病院を持ち、英語でのトレーニングも可能、ということで、医学部間の臨床実習を中心とした学生交流を進めることで合意が形成されつつあり、名古屋大学学内での承認が得られ次第、調印する予定になっていると伺いました。
本当に様々な点で一緒にやれる大学で、コチュテルという共同大学院の仕組みも数百走っているとのこと、こちらの締結も今後の検討課題かと思います。
時間がなくてお互いの大学を紹介するぐらいで終わってしまったのですが、この後、学内を見学した後、鶴舞に向かわれるとのこと、是非名古屋大学をしっかり見ていただいて、さらなる連携へと発展すれば良いなと思っています。
ちなみに今回、パリ・サクレー大学の日本訪問団には、私と一緒に協定を作った友人が含まれていたのですが、本日は関西方面に行ったとのこと、会えずに残念でした。お土産だけしっかりいただきました。

5月26日
本日は、ウズベキスタン国立大学のエルガシエフ・ヨクブ副学長、ムスルマノフ・ラブシャン副学長のお二人が天野先生に名誉教授の称号を授与するために来られ、授与式を豊田講堂3階で執り行いました。
1918年に創立されたウズベキスタン国立大学は、国内でも一番古く大きい総合大学とのことです。
2019年に本学にシャフカット・ミルジョーエフ大統領閣下が来訪された際に、天野先生のウズベキスタン訪問を希望されました。コロナ禍を経て、天野先生は2022年にオンライン講義を実施、そして2024年に実際にタシケント市を訪問、ウズベキスタン国立大学で講演会を行ったことが契機となって、今回の名誉教授称号授与となりました。日本であれば名誉博士なのですが、ウズベキスタンでは名誉教授を授与するようです。
授与式に先立って、両副学長を迎えて懇談を行いました。こちら側は私と天野先生、国際担当の周藤副総長、さらに天野先生の所属する未来材料・システム研究所の内山所長、また通訳を兼ねてウズベキスタン事務所のエルムロドフ・エルドルジョン所長、そしてウズベキスタン側は、お二人に加えて、大使館からホシモフ・ノディルベク公使参事官、アシゾフ・シロジ二等書記官が東京から駆けつけてくださいました。
懇談の後は恒例の記念品交換、こちらからは七宝焼です。ウズベキスタンからは飾り皿が多いのですが、今回は思いがけず、ウルグ・ベクの業績についての英文の書籍でした。限定版で300部しか刷っていないもので、今はなかなか手に入らないそうです。ウルグ・ベク、以前も書いたと思いますが、ティムール帝国4代目皇帝かつ当代随一の天文学者で、数十年にもわたる観測をサマルカンドに建設した天文台で行い、素晴らしい業績を残しています。すごく嬉しいプレゼントでした。
その後、場所を移しての名誉教授授与式、天野研からの学生・教員に加えて、ウズベキスタンからの留学生も集まってくれて、大変盛大に執り行うことができました。
天野先生の挨拶では、「3月に定年したので、これからは人材発掘をしたい。キャラバンを組んで国内外に探しに行くので、そのうちウズベキスタンにも寄らせてもらうかもしれない」とおっしゃっていました。もちろん教員として引き続き残っていただいているのですが、授業などが減って、入試などの負担もなくなったので、やりたいことができるようです。良い人材を名大に引っ張ってきてくだされば、本当にありがたいです。


5月25日
5月もあっという間に最後の週となりました。本日は定例の会議や打ち合わせの後、夕方からノースカロライナ州立大学のStudy Abroadプログラム、文字通り海外で学ぶプログラムに参加して本学を訪れている13名の学生さんと引率の2名の教員を迎えての歓迎レセプションに行ってきました。場所はES館の中に入っているレストラン、シェ・ジローになります。
今回参加している学生さんたち、ほとんど農学系で、森林・水資源・農業・地域管理・接続可能性をテーマに、講義やフィールド実習などを組み合わせた2週間ほどのプログラムを受けることとなっています。先方の学生さんは学部3-4年生が中心で、本学の学生も一緒に一部参加して友好を深めています。
引率してくださったのは、農学とライフサイエンス学科(College of Agriculture and Life Sciences、通称CALS)で国際教育・学生交流・研究交流を推進するCALS国際プログラムの中心的な担当者のエイドリアン・タッカーさんと、プログラムコーディネーターのアンドリュー・オフステージさんになります。
ノースカロライナ州立大学は実学重視の大学で、工学や農学が強く、産業界との結びつきも顕著です。名古屋大学と共通点が多く、向こうから学ぶところもたくさんあると思っています。このような学生がお互いのキャンパスで学ぶ機会ができるのも、戦略的パートナー大学の醍醐味ではないでしょうか。
昨日到着したばかりの学生さんたち、時差ぼけもなんのその、元気いっぱいでした。早速、本学の学生たちと楽しそうに交流していました。学生の中には日本語がものすごく達者な人もいて、日本で就職をしたい、というので、まず、修士で名古屋大で学んでから就職してみたら、と関連する研究室を教えておきました。
今回のような学生交流のプログラム、ぜひ他の学部でもやってもらえればと思い、そのための仕組み、整えようと考えています。
ちなみにアップした写真の手のポーズは、ノースカロライナ州立大学の伝統的な狼のハンドサインになります。

5月21日②
夕方には、IB電子情報館でのネーミングライツの式典に行ってきました。
こちらイビデン株式会社によるもので、EI創発工学館の向かいの西側ピロティにIBIDEN Innovation Squareというネーミングライツを4年間していただくことになったことでの式典です。
式典に先立って、イビデン側からの出席者である河島浩二代表取締役社長、浅野康博人事統括部長のお二人と、オークマ工作機械工学館の会議室で歓談させていただきました。水力発電の事業会社として1912年に発足したイビデンですが、現在ではなんといっても半導体のパッケージ事業で世界をリードしています。インテルとの協業が大きな話題となりましたが、現在では、NVIDEAと非常に良い関係が持てているようです。今季は最高益を更新したとのこと、非常に成長している会社です。大垣市で一番規模の大きな企業ですか、と河島社長に質問したところ、西濃運輸の方が売上高は上とのこと、大垣市、なかなかやります。
イビデンには、これまで多くの卒業生がお世話になっています。今年も7名が入社したそうで、1名が文系で残りは工学系とのことでした。
今回のネーミングライツの場所は、ちょうどランチをIB電子情報館の中で買えば、そのまま扉を出て食べることができるところになります。イビデンには、新たに椅子と机も用意いただき、これからますます学生にとって貴重なスペースになります。また、柱には、かなりしっかりと目立つパネルが設置されました。ネーミングライツ、イビデン様、ありがとうございます。

なお、少しでも厳しい財政状況を助けるため、ネーミングライツに本学はしっかりと取り組んでいます。これまでの場所は、図書館や全学教育棟、IB電子情報館など、学生、特に工学・情報系の学生をターゲットにしたものが目立ちます。一方で、それぞれの学部・研究科で関係する企業にお願いしてやってもらっている例も出てきています。企業の皆様には、名古屋大学に大きな価値を見出していただいて、ネーミングライツ、どうかよろしくお願いします。
5月21日①
本日は、午前中にノースカロライナ州立大学の工学系の教員らの表敬訪問を受けました。というのが当初の予定だったのですが、訪問者の一人であるジム・フェントナーさんがつい先ごろ工学部長から大学全体の教学の責任者であるプロボスト・副学長に昇任されたので、工学系が主目的ですが、大学全体の連携についても話すことができました。
フェントナープロボスト以外の訪問者は、クリスタ・ウォルトン副学長とエイミー・コンガー副プロボスト(国際担当)のお二人です。ウォルトン副学長は、最近ジョージア工科大学から移ってこられた方です。昨年の9月、協定締結40周年を祝って、私がノースカロライナ州立大学を訪問したときにお会いしています。そのときには、フェントナープロボストとは、ケビン・ハウエル学長とともに、現地のトヨタバッテリーまで同乗させていただいたことを覚えています。コンガーさんには、連携であらゆる機会にお世話になっています。
ということで、訪問団、蓋を開けてみたらお馴染みの方々ばかりでした。今回は、これまで農学に比べ弱かった工学での両大学の連携と、我々がノースカロライナでどのように産学連携を進めるか、などについてお話しさせてもらいました。学生交流についても、ケンブリッジ大学やノースカロライナ大学チャペルヒル校でやっているような、お互いグループを作って互いに行き来するプログラムができないか、提案してみました。スポンサーさえつけば、良いプログラムになると思います。
外国からのお客さんの続きとなりますが、午後には全学同窓会バングラディッシュ支部のハク・ムハンマド・シャヒドゥル支部長が総長室まで来てくださいました。シャヒドゥル支部長は、生命農学研究科で修士・博士を取得され、現在はバングラディシュ農業大学の教員、またその大学のバイオテクノロジーのセンター長などをされていらっしゃいます。
バングラディシュ支部は、2005年に韓国に次いで二番目にできた全学同窓会の海外支部になります。本来であれば、昨年20周年をお祝いしたかったところだったのですが、コロナ禍やその後の政変などで難しく、シャヒドゥル支部長からは是非25周年を盛大にお祝いしたいとのことでした。残念ながら私はもう総長の任期が終わっていますが、次の方に是非、行っていただきたいと思います。
今回さまざまなことをお話しした中で、初代のモハメッド・サイドゥル・イスラム・カーン支部長が数年前にご逝去されていたことは、我々としても初めて知ることとなりました。ご冥福をお祈りしたいと思います。
バングラディシュには本学の同窓生は150名ほどもいるとのこと、全員が同窓会活動に熱心というわけでもなく、また広く全国に散らばっているそうですが、思ったよりも規模が大きくて驚かされました。名大としての同窓会活動以外に、バングラディシュでは日本の大学に留学していた元学生全体の同窓会組織があるそうで、活発に活動されているとのことでした。
インドに行く折にでも、バングラディシュ、一度立ち寄ってみたいなと思っています。

5月19日
本日は教育研究評議会があるなど、会議・打ち合わせ続きの1日でした。でもその最後に、キャンパスコンサートがあり、満たされた気分で帰ることができました。
このキャンパスコンサート、これまでも紹介してきた通り、愛知県立芸術大学とタイアップして、年に2回程度、豊田講堂で行われます。県立芸術大学在学、卒業・修了の新進気鋭の若手演奏家が、毎回、渾身の演奏を聴かせてくれます。本当によく準備して下さっっていて、毎回、楽しく参加させてもらっています。コンサート、無料ですので、ぜひ、皆様もお越しいただければ幸いです。
今回は、ピアノと、フルート+ピアノ伴奏の二組の演奏でした。全体で1時間となります。
最初はピアノの関志帆さん、曲はドイツ系ロシア人のニコライ・メトネルの「おとぎ話ソナタ」と、ロシア・ソビエトのアナトーリー・アレクサンドロフの「エレジー」と「おとぎ話」の3曲でした。どちらも日本ではあまり知られていない作曲家ですが、帝政ロシアからパリ・ロンドンに亡命したメトネルはロマン派に目されていて、今回の演目も美しい調べが特徴的でした。メトネルを尊敬していたというアレクサンドロフは、生涯の途中でモダンからロマン派へ回帰した作曲家とのことですが、今回のメトネルに捧げた「おとぎ話」は、最晩年、90歳の過ぎの曲で、少しおしゃれな、聞きやすい曲でした。関さん、全体にピアノがすごく美しく鳴っていたと感じました。
後半はフルートの福田京さん、ピアノ伴奏が宮下結さんです。曲は、ロマン派のフランスの作曲家、セザール・フランクのヴァイオリンソナタのフルート編曲版、ジャン=ミッシェル・ダマーズの演奏会用ソナタ、そしてフィリップ・ゴーベールのソナタ3番です。19世紀に活躍したフランクは著名です。ダマーズは20世紀、21世紀に活躍した作曲家で現代音楽に背を向けた新古典主義の作曲家、今回の曲も美しい調べの佳作でした。ゴーベールは20世紀前半に活躍した作曲家で、自身も演奏したフルートの曲やバレエ音楽などで知られています。
福田さんのフルート、金の楽器で、楽器の特徴であるクリアで朗々たる響きを豊田講堂に行き渡らせて、素晴らしかったです。最後にアンコールで、こちらもフランスの作曲家、クロード・ドビュッシーの小組曲から「小舟にて」を素敵に合奏されていました。この曲は元々はピアノ連弾用なのですが、よくフルートでも演奏されます。
5月18日
本日は、午後にリベリア共和国のエドワード・ワデ・アップルトン・ジュニア大使が表敬訪問くださいました。昨日のアフリカディに続いて、期せずしてアフリカが続きます。
リベリア共和国は、西アフリカ、シエラレオナとコートジボワールの間にある、人口580万人ほどの小さな国です。アップルトン大使からは、国の成り立ちからご説明いただきました。アメリカの黒人奴隷が解放された機会に、解放奴隷をアフリカに戻す、という運動の結果生まれた国であることはよく知られています。何代も前にアフリカを離れた解放奴隷の人たち、すでに祖先が住んでいた土地などわからないので、ここにリバティ=自由という名前を冠して入植していったということです。建国は1847年、アフリカで最も古い独立国の一つ(エチオピア、エジプトなどの古くから国家としての歴史がある国は除いて)だとのことでした。大使からは、アフリカ統一機構の設立メンバーの一つ、との紹介がありました。
このような国の成り立ちですから、入植者と現地に元から住んでいた人たちとの間の摩擦は避けられず、ついに1989年に内戦に発展、15年ほどの間に27万人の死者、80万人近くの難民・避難民が出たとのこと、今、国を新たに作り直して、発展させているところになります。レアメタルなどの鉱物資源が豊富だそうで、日本としても興味が惹かれるところです。日本からはこれまで多くの資金協力がなされ、ジャパン・フリーウェイがあり、また日本・リベリア友好母子病院という病院も建設しているようです。
大使によると。リベリアには大学は多くないそうです。これから特に理工系の高等教育をしっかり発展させていきたいとのことで、現地のトップ大学であるウイリアムV.S.タブマン大学との連携を大使から強く依頼されました。学長からの信書も手渡され、大きな宿題をもらいました。本学の教員が誰か先方の大学とすでに共同研究等をスタートしていればやりやすいのですが、とっかかりが難しいところです。何ができるか、この機会に少し考えてみます。
ちなみに、現在は本学にはリベリア出身の学生は在籍していませんが、近年数名が在籍していたことは確認しています。

5月17日
本日は日曜日ですが、名古屋大学アフリカ・デーに行ってきました。場所は、野依記念学術交流館です。
今年度のこのイベントは、名古屋大学アフリカ学生会とグローバル・マルチキャンパス推進機構が共催するもので、毎年この時期に行われています。アフリカ統一機構設立を記念する5月25日のアフリカ・デーに連動しているようです。ちなみに、現在名古屋大学には26カ国、63名の学生がアフリカから留学しています。
さて、会場に入ってみると、すぐさま熱気が伝わってきました。MCが英語で陽気かつエネルギッシュに取り回していて、ちょうど壇上ではファッションショーが行われているところでした。カラフルなアフリカの衣装が気持ちを盛り上げます。
私からの挨拶も、少し堅苦しい原稿を用意していたのですが、その場で大幅に変更、会場からの歓声がすごかったです。

その後は、キッズによるダンス、こちら、名古屋大学アフリカ学生会のメンバーと卒業生のお子さんで、名古屋の公立小学校に通っている子どもたちとのことでした。その後は、卒業生のスピーチ、彼女は南アフリカから国際開発研究科に留学していた方で、今は家族は名古屋、本人は南アフリカに戻って会社員をしながら自身のスタートアップで若者を支援しているとのことでした。名古屋大学を選んだ理由が、イノベーションを通じて社会を変えていく、という私のメッセージだったと言ってくれたのは、本当に嬉しかったです。
スピーチの後は、アフリカに関するクイズ、私は7問中5問の正解でした。アフリカで一番面積の大きい国は、という問いに答えられなかったのですが、わかりますか?答えはアルジェリア、サハラ砂漠がその8割だそうです。ちなみに、サハラが砂漠を表すアラビア語なのはよく知られているかと思います。サハラ砂漠では砂漠砂漠なのですが、日本ではこう使っていますね。
次はアフリカと日本の学生の掛け合いで、お互いの違いと共通点、例えば、「いただきます」という言葉がアフリカにはあるのかなどを、巧妙に楽しく説明してくれました。
次は楽器演奏、Mbira(ムビラ)という伝統楽器をジンバブエの方が演奏してくれました。小太鼓・タンバリンのような外見の中に金属製の歯が取り付けられていて、不思議な音色を醸し出していました。ヨーロッパに伝わって、カリンバと呼ばれているそうです。
そろそろ踊りかな、というタイミングで、日本舞踊の西川流の3名の方による日舞パフォーマンス。途中からは、エクセサイズ目的にアレンジした踊りを、見よう見まねで会場の前方でみんなで一緒に踊ることになり、私も恥ずかしながらご一緒する羽目となりました。思ったよりも長時間で、すっかり疲れました。そのまま次にアフリカのダンスに突入、西川流の方々も含めてみんなで楽しみ、クロージングです。
私の到着前からパフォーマンスがあったので、3時間以上、さらに終了後はスナックが振舞われたようで、天気にも恵まれ、本当に明るい日曜日の午後でした。また来年も参加したいと思っています。


5月14日
本日は朝から名古屋駅直結のJPタワーにある株式会社トヨタシステムズに行ってきました。産学連携の協定を結ぶためです。
トヨタシステムズは、トヨタグループのIT関係を一手に引き受けている会社で、情報セキュリティの問題が大きくクローズアップしている現在、非常に重要な役割を果たしており、またソフトウェア・ディファインド・ヴィークルという、ソフトが自動車の機能や価値を決めたり制御したりする次世代の自動車の概念を推進している会社でもあります。今までは、自動車は移動の手段だったのが、さまざまな機能がある中に移動も含まれる、といったような変革を目指していると思っています。
トヨタシステムズとは、卓越大学院プログラム「ライフスタイル革命のための超学際移動イノベーション人材養成学位プログラム」(TMI)のコーディネーターでもある未来社会創造機構の河口信夫教授を通じて、この数年間連携が進んできて、共同研究や人材育成をこれまで以上にガッツリと一緒にやっていこう、ということで、今回の協定の運びとなりました。その中で2つの目玉があります。
1つ目が、名大構内にトヨタシステムズとのジョイントラボを設置することです。ここにトヨタシステムズの社員の方が常駐することで、共同研究や学生教育に積極的に関わっていただく計画です。
2つ目が量子コンピュータです。トヨタシステムズが購入した量子アニーリングという現象を使う量子コンピュータを使って、物流の最適ルート探査などを河口さんとの共同研究で行っていくとのことでした。この量子アニーリングという方式では、このような組み合わせ最適化問題を非常に効率よく解くことができると期待されています。トヨタシステムズの北沢宏明代表取締役社長に言わせると、この量子コンピュータは「河口先生のために購入した」とのこと、大きな成果を期待しています。
協定締結式は、JPタワー32階で行われました。トヨタシステムズがきっちりと準備をしてくださって、テレビや新聞社などマスコミも多数詰めかけ、大盛況でした。CBCやメ~テレでは昼のニュースですぐに流れたようです。会場前方の壇上には、名大側として、私、小橋副総長(産学官連携・スタートアップ担当)、河口教授、トヨタシステムズ側は北沢社長、加納取締役(コーポレートファイナンス分野担当)、塩谷取締役・管理本部本部長と、お互い3名ずつ、6名が並びました。実はこの6人のうち北沢社長と私を除く4名は名大の出身です。北沢社長は慶應出身とのこと、我々二人は早慶戦でした。なお横のテーブルには、共同研究の主人公である本学の教員4名も参列していました。情報学研究科の井手一郎教授、東中竜一郎教授、藤井慶輔准教授、そして工学研究科の小川浩平准教授です。
マスコミにも大きく取り上げられ、今回の協定締結式は大成功だったと思います。しかしここからがスタート、北沢社長は3年がまず一つの目処、と話されていました。実のある連携になることを大いに楽しみにしています。


5月12日
本日は、昼に名古屋観光ホテルまでいって名古屋ロータリークラブで宇宙について講演をしてきました。先日も守山のロータリークラブで話したのですが、今回はその親組織、参加人数も100名を超えていて盛大な会でした。この地域で自身で事業をされていらっしゃる方と大きな企業のこの地域の代表のかたが中心です。毎週例会を持っているのとのこと、強い結束を感じました。
私の話は1時から1時半までの30分で、ということで頼まれたのですが、ロータリークラブの新入会員の紹介などで少し時間が押して、結局25分ほどで話すことになったので、かなり最後の方は駆け足になってしまいました。皆さん、お忙しい方々なので、終了は1時半厳守です。
途方もない宇宙の話なので、普段は実業家の方々、耳にしない内容だったと思いますが、興味深く聞いていただけたのではないかと思っています。貴重な機会、ありがとうございました。
名古屋大学に帰ってきて、3時からは卓越大学院TMIのオープニングセレモニーに出席してきました。場所はES館です。
文系・理系6つの研究科から学生を集めているTMIですが、今回は、4月から参加する17名の学生に加えて昨年10月から参加している1名を加えて18名の参加です。経済、工、情報、人文、法学、環境と6つ全ての研究科から集まってくれました。
プログラムの責任者の小橋副総長、そして私の挨拶に続いて、連携先企業のブリヂストン株式会社から川原隆宏CIO付参与からご挨拶いただきました。このプログラム、文理から学生を集めているだけでなく、多くの企業にご協力いただいているのも大きな特徴となっています。
その後は、実質的なプログラム責任者である河口信夫コーディネーターから、挨拶とプログラムの紹介がありました。
一連の挨拶の後は、学生一人一人に河口コーディネーターからアドミッション・サーティフィケートを授与、また決意表明がありました。最後に先輩5期生からの激励のメッセージがあり、セレモニーは終了です。ところでこの5期生、この春にアメリカのイラン攻撃に巻き込まれて、アブダビで足止めをくらってしまった経験について語っていました。幸い、現地に知人がいて空港が使えるようになるまでそこにいられたとのこと、そのまま、ケニアの研修に飛び立った猛者です。3月にだいぶ心配したことを思い出しました。
TMIの新しい参加者の皆さん、これから分野を超えた学びを得て、大いに成長してください。楽しみにしています!

5月11日
ゴールデンウィーク明けの今日から、予定満載の日々がスタートです。今日は、午前中は総長戦略室会議、運営会議があり、午後も全て予定が詰まっていました。
その中で、午後1時からは、サイバーセキュリティの交換留学プログラムに参加している学生さんからの表敬訪問を受けました。このプログラムは2023年からスタートしたもので、名古屋大学の学生とノースカロライナ大学チャペルヒル校(UNC)の学生が同数、6〜7名ずつ参加して、お互いの大学を訪問、サイバーセキュリティの講習を受ける、というものです。
今年が3回目、7名ずつの参加になります。昨年までとの違いは、これまでは女子学生のみだったのですが、昨今の米国の事情もあり、今年は男女混じった構成になっています。
すでに2月には本学の学生がUNCを訪問、今回はUNCの学生が本学を訪問する番です。9日土曜日に来日、ちょうど一週間、16日までの予定のプログラムになります。
表敬訪問は、私と周藤副総長が対応、最初に私から挨拶をして、学生全員の自己紹介がありました。名大の学生は、2月の研修に参加した7名に加えて、昨年度のプログラムに参加した4名が出席してくれました。情報、教育、工学、創薬科学、法学とバラエティに富んでいて、さらに学部学生、大学院生が混じった構成でした。
UNC側は、平和・戦争・防衛を学ぶ学科とコンピュータサイエンスの学生が多かったです。サイバーセキュリティということでまさにドンピシャの学科ということなのでしょう。なお皆さん、マイナーとして他の学部・学科も履修しているとのことでした。このプログラム、日本の米国大使館がスポンサーをしてくれて学生の負担がないこともあり、とても人気で相当の倍率だったそうです。大使館には本当に感謝です。UNCの引率は、いつも本学との連携に骨を折ってくださっているTimothy RoseさんとMelissa McMurrayさんになります。なお、本学の米国事務所兼ノースカロライナキャンパスの河田さんがこの研修中、学生の面倒を見てくれています。
自己紹介の後は、皆さんから質問をたくさん受けました。大学の目指す方向性は、とか、名古屋大学でサイバーセキュリティの問題は起きていないか、などといったシビアな質問ばかりで、タジタジです。本学の学生からは、総長は普段一体何をしているのか教えてください、という質問をもらいました。確かに想像もつきませんよね。それ以外にも名古屋でおすすめの場所とか、おすすめの食事なども聞かれました。後者は無難に手羽先とひつまぶしを紹介してきましたが、この後、ひつまぶしはプログラムの中で楽しむ機会があるとのこと、堪能いただければ幸いです。
サイバーセキュリティは、昨年に起きたアサヒビールの問題でわかるように、現代社会の非常に重要な問題です。今回も日本側、素晴らしい講師が揃っていますので、しっかり学んでほしいと思います。でもそれ以上に学生同士、すでに2月の研修ですっかり打ち解けているようですが、この機会に長きにわたる友人となることを願っています。
プログラムに参加している皆さん、とても積極的です。名古屋大学の学生は英語もとても達者です。ぜひこれをきっかけに、国際的に活躍する勇気ある知識人に育っていくことを大いに期待しています。

5月8日
ゴールデンウィークももう最終盤、金曜日の今日は夕方に名誉教授称号授与式及び名誉教授懇談会が豊田講堂でありました。
今回新たに名誉教授の称号を授与させていただいたのは、46名の先生方になります。その中で都合のつかない方を除いた32名の先生に、称号授与式にご参列いただきました。
本学の名誉教授の条件は、7年間を名古屋大学教授として過ごされることです。なお特別な事情があれば、この条件は緩和されます。条件を満たした方の中から、各部局から推薦をあげていただき、教育研究評議会で投票の上、称号授与を決定しています。今回の新たな名誉教授の方々、すでに3月の教育研究評議会で決定していますが、退職されたこの時期にいつも称号授与式を行なっています。ちなみに、他大学へ転出されるなど、定年年齢前の方についても条件を満たせば称号を授与しています。なおこの場合は60歳を過ぎてからの授与となります。今回も数名の先生が定年前でした。
とはいえ、ほとんどの先生は65歳の定年を迎えての称号授与となります。今回は、例年に比しても非常に多い46名というだけでなく、その中には、副総長経験者が5名、研究科長経験者は8名、研究でも目立っていた方も多く、ノーベル賞の天野先生も含まれています。これだけの人が抜けて大学は大丈夫か、と心配されそうです。皆さんしっかりと後進を育成いただいていますし、そこは大丈夫と信じています。
なぜこの学年がこんなに多くの優秀な人材を生み出したのか、ご挨拶するに当たって少し考えたのですが、ハタと思いつきました。この先生方、まさに共通一次試験1期生なのです。私自身は一学年下で2期生だったのですが、マークシート方式で散々ダメになる、と言われたのを覚えています。そんなことはありませんでした!共通一次世代、見事に素晴らしい人材を生み出した、その証拠が今回の先生方になります。
皆さん、名誉教授の証書を受け取る際には晴れ晴れとした顔をされていました。ストレスから解放され、また新たなチャレンジに取り組んでいらっしゃると思います。これからのご活躍、大いに期待しています。名古屋大学にも引き続き、ご指導、ご鞭撻、そして応援をどうかよろしくお願いします。
授与式の後は、豊田講堂の壇上で記念撮影、その後は懇談会に出席されるこれまでの名誉教授の先生も交えて、豊田講堂の前で写真撮影です。その後、シンポジオンホールで懇親会を行いました。
懇親会、以前は昼にやっていたのですが、流石にそうなるとお酒も飲めないし、我々としては後ろが気になります。そこで昨年から夕方に移しました。一部の先生方からは、帰る時間が暗くなってからになるので参加しづらい、と言われましたが、申し訳ありません、しばらくこれでやらせてください。今回は、学内外で活躍されいらっしゃる先生方も終業後に参加いただけたので、新任の名誉教授31名に加えてこれまでの名誉教授の方42名にもご参加いただけました。皆さんから懐かしい話をいろいろ聞かせていただき、楽しいひとときでした。名誉教授の先生方、来年も元気な顔を見せてください。お願いします!
