ごあいさつ

 名古屋大学ホームカミングデイは、「故郷に帰る」という意味が込められており、本学の卒業生が母校である名古屋大学キャンパスに集い、教職員、学生、OB、保護者、地域住民とともに、「大家族」として、大切な時間を共に過ごす重要な行事であります。
 平成17年から毎年10月の第3土曜日に開催しており、同窓生や教員による講演会、コンサート、学内施設ツアーなど数々のイベントが行なわれています。

第11回目となる今回のメインテーマは「持続可能社会の実現に向けて」といたしました。昨年、特別教授の赤﨑 勇先生、工学研究科教授の天野 浩先生が、ノーベル物理学賞を受賞されるという快挙を成し遂げられたことは、記憶に新しいことであります。日本から生まれた青色LEDの技術が、省電力・長寿命な"エコ照明"につながって世界中の人たちに受入れられ、これからの未来に向かって大きな可能性を開きました。新しい発見や技術革新が、社会の持続的な発展にどのように貢献できるのか、また、地球的諸問題に対して我々自身がどのように社会に貢献し持続できるのか、皆様と一緒に考えていきたいと思います。

主な行事としましては、天野 浩先生による学術講演会、名古屋フィルハーモニー交響楽団によるコンサート、キャンパス内各施設の公開・見学ツアー等、皆様に楽しんでいただける多彩な催しを企画しています。また、各学部・研究科においても、同窓生、保護者の皆様をお招きし、様々な企画を準備しております。
名古屋大学は、1871年(明治4年)に設立された仮病院・仮医学校から144年、名古屋帝国大学として1939年(昭和14年)に創立されてから76年を迎え、今日に至っています。キャンパスでは、再開発が急速に進み、大学の教育研究環境は大幅に改善されています。また、国際化を強力に推進しており、世界各国から多くの留学生や教員が集い、国際色豊かな大学に変貌しつつあります。これからも、創立当初からの本学の伝統である「自由闊達」な学風を守りつつ、高い志と高度な専門性を持って、国際的なリーダーシップがとれる人材を輩出するためのイノベーションのトレンドを創っていきます。

皆様方には、引き続き名古屋大学に対しまして、ご理解、ご支援を何卒よろしくお願いいたしますとともに、是非、この機会に進化し続ける名古屋大学の姿をご覧いただき、私たちの絆の原点である名古屋大学の未来を共に語りあえれば、大変ありがたく存じます。多くの方々にご参加いただき、このホームカミングデイを通じて、懐かしい級友との再会やご家族、ご友人、地域の皆様方のコミュニケーションの場としてご利用いただければ幸いです。

 

平成27年8月

名 古 屋 大 学 総 長