赤﨑 勇 名古屋大学特別教授のご逝去の報に接し

公開日:2021年04月02日
お知らせ

赤﨑 勇名古屋大学特別教授が4月1日ご逝去されました。赤﨑先生のご逝去の報に接し、松尾清一東海国立大学機構長・名古屋大学総長、赤﨑先生と2014年ノーベル物理学賞を共同受賞した天野 浩名古屋大学教授からの追悼の言葉は以下の通りです。

赤﨑 勇先生のご逝去の報に接し、心から哀悼の意を表します。

赤﨑先生は「我ひとり荒れ野を行く」という不屈の研究者魂で、開発が不可能とされていた青色LEDを発明され、その研究成果は世界中の人々に新しい光として届けられ、ノーベル賞受賞につながりました。

あきらめなければ道は開ける、という赤﨑先生の研究哲学は、名古屋大学赤﨑賞の中に受け継がれ、新進気鋭の若手研究者の励みになっています。お別れすることは本当に残念ですが、我々大学人は赤﨑先生の教えを胸に刻んで、人類社会の課題解決のために一層精進して参ります。

 

令和3年4月2日

東海国立大学機構長・名古屋大学総長 松尾清一

 

 

いままで、居られるのが当たり前だったので、ずっと安心して今の研究に打ち込むことができたのですが、その赤﨑 勇先生が他界されたという事実は、自分の中でこれから研究にどう向き合えばよいのか、心の整理がついておりません。今の私があるのはすべて先生のおかげです。研究は勿論ですが、研究者として、或いは人間としてあるべき姿を様々な場面で教えていただきました。私が先生にご指導いただいたのは、学部4年生の時からですから、かれこれ40年近くにも及びます。出来が悪い私を辛抱強く、ずっと親身になってご指導してくださいました。私の頭には感謝の言葉しか浮かんできません。ありがとうございました。

赤﨑 勇先生がこの世を去られたことは、日本のみならず世界にとっても大きな損失であることは間違いありません。先生の御業績は数え上げればきりがないですが、蛍光面の研究から始まり、ゲルマニウムの気相成長、化合物半導体の結晶成長からLED、そして私も参加させていただいた青色LED研究、これはノーベル物理学賞に結び付きました。その後もフロンティアエレクトロニクスと冠して、パワーデバイスや高周波デバイスの分野でも、人並み外れた熱意をもって、生涯研究に取り組まれておりました。また、数々の先生の受賞に対するご寄付で設立された赤﨑賞、これは名古屋大学のみならず、いくつかの学会でも、研究分野に対する貢献で業績を上げた人々に贈られており、すべての研究者にとって非常に大きな励みになっております。

私たちとしては、このような先生の研究に対する思いや研究者へのエールを引き継いで、力を尽くし、研究を通して日本や世界の人々に幸せを届けること、および次の時代を担う人材を育てることが、先生にご指導いただいた人間としての使命と思っております。

赤﨑 勇先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

令和3年4月2日

名古屋大学 天野 浩

 

赤﨑 勇 特別教授のノーベル賞受賞時(2014年)の様子 

https://www.nagoya-u.ac.jp/info/upload_images/20210402.pdf

 

  

  豊田講堂時計台の青色LED

 

 

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