敬愛する豊田章一郎名古屋大学全学同窓会名誉会長が、令和5年2月14日、97歳の生涯を閉じられました。私ども名古屋大学構成員並びに同窓生一同は深い悲しみに包まれるとともに、豊田章一郎名誉会長が私たちに教えてくださった大きく深い母校愛と社会貢献の志を心に刻んで、大学と社会のために尽くしたいと思います。
豊田章一郎名誉会長は、名古屋大学工学部をご卒業後、工学博士の学位を取得されました。トヨタ自動車株式会社の代表取締役社長として、また第8代経済団体連合会会長として、常に日本の経済・産業界の発展を願い、尽力されてきました。その真摯なお姿には、尊敬の念を禁じ得ません。
名古屋大学において豊田章一郎名誉会長は、2002年に設立された全学同窓会の初代会長として名古屋大学基金の創設に関わるなど、名古屋大学の発展に大きく貢献してこられました。名古屋大学のシンボルである豊田講堂が2008年に大改修工事を終えることができたのは、豊田章一郎名誉会長の卓越したリーダーシップなしには実現しなかったものと思います。このようなご業績に対し、名古屋大学は2009年3月に、名古屋大学フェローの称号を授与しています。また、全学同窓会海外支部の立ち上げにもたいへん熱心で、コロナ禍以前は毎年開催されるホームカミングデイで、海外同窓生との交歓を楽しんでおられました。さらに、長年にわたり入学式や卒業式にご出席いただき、直接、学生に語りかけていただきましたことは、学生たちにとって大きな励みになったものと思います。
豊田章一郎名誉会長のこれまでのご支援とご貢献に対し、あらためて感謝を申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
東海国立大学機構長 松尾 清一
名古屋大学総長 杉山 直
名古屋大学全学同窓会会長 柴田 昌治
在りし日の豊田章一郎氏を偲んで
