近藤孝男 特別教授ご逝去の悲報に接し

公開日:2023年11月20日
お知らせ

近藤孝男先生のご逝去の報に接し、心から哀悼の意を表します。

 

近藤先生は、本学理学部・大学院理学研究科の教授を務められ、多数の学生の指導、研究者の育成にあたられました。概日時計研究を代表する研究者であり、シアノバクテリアの解析は生物発光を使った実験系の選択・整備から全く新規に行ったもので、日本発の独創的な研究として世界で高く評価されています。また、この実験系を利用して、時計遺伝子を発見、それが作る時計タンパク質が試験管の中で安定した24時間周期の振動を生じさせることを見出したことは、それまでの概日時計の常識を覆すものでした。

先生の研究成果は蛋白質による時間測定や情報処理など、我々の物質観、生命観にも影響を及ぼす大きなインパクトをもっており、2011年に紫綬褒章、2014年に学士院賞、2019年に文化功労者など数々の賞を受賞されました。

先生は、本学理学部長、理学研究科長、高等研究院長などを歴任され、本学の発展に寄与されるとともに、現役時代、さらに本学の特別教授になられた後も、研究に対する真摯な姿勢は本学の学生、研究者のお手本となり、2021年には本学で最も重要な学術講義である名古屋大学レクチャーで講演し、学内外に研究成果を広く発信するなど、本学の教育や研究のさらなる発展に寄与いただきました。

近藤先生のこれまでのご功績と本学へのご貢献に対し、心より感謝を申し上げますとともに、ご冥福をお祈りいたします。

 

総長 杉山 直

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