本学とイギリス・エディンバラ大学は、双方の連携をさらに強化する『戦略的パートナー大学間学術交流協定』を締結することに合意し、7月8日に杉山総長がエディンバラ大学を訪問して協定書に署名しました。 エディンバラ大学は1582年に設立された歴史ある大学で、ヨーロッパを代表する研究大学として世界から高い評価を受けています。
この協定の締結に際し、杉山総長は「両大学が戦略的パートナーシップに合意できたことを大変光栄に思う。10年以上にわたる深い信頼関係や、目覚ましい科学的成果、ジョイント・ディグリープログラムから英語研修プログラムに至る教育面での連携などで大きな発展を見てきた。今後も交流をさらに活発化させ、我々の直面する多くの人類共通の課題解決に向け、ともに挑んでいきたい」と述べました。また、Kim Grahamエディンバラ大学プロボストは、「戦略的パートナーシップに合意したことを受け、両大学の強みを活かして相乗効果を生み出すような連携を強化したい。また、共同研究を促進するため、共同シードファンドの設置に合意する。大学間学生交流協定の締結にも前進させたい。」と述べました。
本学では、新たな国際戦略「グローバル・マルチキャンパス(GMC)構想」に基づき、オンラインとオフライン、現地と本学キャンパスなど、様々な様態を組み合わせた新しい学修の形(テーラーメイド型留学)の実施に向け、エディンバラ大学と協議を続ける予定です。なお、今回の協定締結に基づき、本学はエディンバラ大学内にグローバル・キャンパス準備室を立ち上げることを予定しています。
協定書に調印する杉山総長とエディンバラ大学Kim Grahamプロボスト
両大学の懇談の様子
また、この署名式にあわせて、エディンバラ大学を構成する3部局、すなわち、College of Medicine and Veterinary Medicine、College of Arts, Humanities and Social Sciences、College of Science and Engineeringの代表者と、Edinburgh Innovationsの代表者と、今後の連携について、熱心な議論を交わしました。前者とは、ジョイント・研究シードファンドの創設により、より新鮮で新しい共同研究プロジェクトを開発していくことと共に、既存の研究交流をさらに強化していくことを確認しました。後者は、本学の日本有数の産業集積地である東海地域の立地に注目しており、両大学の地域性の強みを生かしながら、今後もさらなる交流可能性の検討を進めていくことについて合意しました。
各College代表者との懇談の様子
今回の訪問にあたっては、エディンバラ大学における最新かつ最大の研究・教育改革の目玉となっているEdinburgh Futures Instituteを見学するスケジュールも組まれました。学際、データ駆動、課題挑戦、共創の四つの基本原則を掲げ、ユニークな教育、研究を広げつつある同組織とは、本学は今後、様々な分野で連携していく予定です。
また、James Smith 国際担当副学長との会談では、先方より、『戦略的パートナーシップを含む協定締結や、共同シードファンドの実施を合意できたことについて、大変うれしく思う。全学レベルでの学生交換を推進していきたい。エディンバラ大学での名古屋大学グローバル・キャンパス設置のためのスペース提供についても、ふさわしい場所を検討し、併せ調整を進めたい。』とのお話をいただき、これからもより両大学との連携を強化していきます。
参考:協定の内容(抜粋)
<大意>
私たちエディンバラ大学と名古屋大学は、両大学のアカデミック・コミュニティーの代表者を通じて、民主主義社会における責任と学問の自由の価値を相互に認識した上で、人間社会とこの地球の平和、健康、福祉、健康で持続可能な社会開発、知識の創造と革新のために働くことをここに宣言します。
この宣言に従って、我々は、戦略的パートナーシップの下での協力活動に関する各当事者の理解を定めたこの覚書を制定し、締結します。これにより、両大学の強みを活かし、補完性の領域を探求し、それによりシナジーを達成することにより、包括的かつ互恵的な特別な関係を構築することを目指します。