本学糖鎖生命コア研究所が東北メディカル・メガバンク機構と覚書を締結しました

公開日:2025年03月05日
お知らせ

 名古屋大学と岐阜大学が共同して設置する糖鎖生命コア研究所(iGCORE)は、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)と研究協力し、ヒューマングライコームプロジェクト(HGA)及び東北メディカル・メガバンク計画の推進を図り、生命現象の理解とヒトの健康・医療の向上に貢献することを目的として、包括的な連携に関する覚書を締結しました。

2月28日には文部科学省記者会見室で覚書の締結式を行い、門松健治iGCORE所長と山本雅之ToMMo機構長が記者会見を行いました。

 

iGCOREは、自然科学研究機構及び創価大学とともに、2023年4月から生命科学領域において初の文部科学省「大規模学術フロンティア促進事業」として、HGAを始動させました。糖鎖は、ゲノムやタンパク質と並び、生物の生命活動に欠かせない「第3の生命鎖」とされています。しかし、その構造の複雑さや取り扱いの難しさから、系統だった解析が難しく、従来は研究者が個別に研究を進めてきたのが現状です。HGAでは、上記研究拠点が互いに連携し、日本の総力を挙げて 糖鎖情報を世界に先駆けて網羅的に読み解くことを目指しています。

 

ToMMoは、岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構とともに、東北メディカル・メガバンク計画を推進しています。本計画は宮城県、岩手県で合計15万人の参加者に対して、各種生体試料の収集、詳細な検査、アンケート調査等を継続的に実施しており、さらに生体試料からゲノムやオミックスの解析を実施しています。これらの試料・情報をバイオバンクとして整備し、多くの研究者が利活用可能な「セントラルドグマ」を横断した研究基盤を構築しています。

 

今回の覚書締結により、iGCOREとToMMoとが連携し、ToMMoによって理論的かつ豊富に収集された生体試料の糖鎖解析をHGAの参画機関が行うことで、三大生命鎖であるゲノム・タンパク質・糖鎖を同じ土台に載せて解析します。これにより生命の包括的な理解が進み、これまで以上に未来型予防・医療につながる研究成果の創出が期待されます。

 

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