岸 義人 特別教授ご逝去の報に接し

公開日:2023年01月12日
お知らせ

岸 義人先生のご逝去の報に接し、心から哀悼の意を表します。

岸先生は、本学理学部、理学研究科において、故平田義正名誉教授の薫陶を受け、ウミホタルルシフェリンの化学合成と構造決定に関する研究を開始されました。その後、フグ毒として有名なテトロドトキシンをはじめとした自然界に存在する微量の天然有機化合物の全合成研究を通じ、その構造決定、新たな分子構築法(化学反応)の開発、生理活性の発現メカニズムの解明に貢献されました。テトロドトキシンをはじめ、世界に先駆けて天然有機化合物の全合成を達成し、機能の解明に貢献するだけでなく、これまで難しいとされた複雑な天然有機化合物の医薬への道を拓くなど、その業績は幅広い分野に大きな革新をもたらしています。

岸先生は、本学で博士号を取得後には、理学部助手に着任、すぐに渡米しハーバード大学で博士研究員をつとめ、その後、本学の農学部助教授として帰国後、再び渡米しハーバード大学教授としてその後のキャリアを歩まれました。岸先生は、恩賜賞・日本学士院賞をはじめ国内外の多くの賞を受賞され、また、文化功労者の栄に浴されています。

岸先生のこれまでのご功績と本学へのご貢献に対し、心から感謝を申し上げますとともに、ご冥福をお祈りいたします。

 

名古屋大学総長  杉山 直

 

 

岸 義人 特別教授の略歴と業績について

https://www.nagoya-u.ac.jp/info/upload_images/20220112_kishi.pdf

 

 

 

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