杉山総長をはじめとする本学関係者は、2025年9月4日から7日にかけて、シンガポールを訪問し、シンガポール国立大学(NUS)との10年にわたる連携を更に推進するとともに、同国における研究パートナーシップの拡大を図りました。
今回のシンガポール訪問のハイライトは、NUSのタン・エン・チャイ学長との会談であり、両大学は学生交流プログラムの拡充と新たな研究施設の設置について協議しました。杉山総長からは、年間約100名の本学学生がシンガポールで開催される各種プログラムに参加しており、NUSから名古屋に来る学生は、昨年度から倍増し80名となる見込みであると述べました。

杉山総長とタン学長
代表団はまた、シンガポールのディープテックイノベーション機関であるSG Innovateのジュイ・リム最高経営責任者(CEO)と面会しました。同機関は研究主導型スタートアップを支援する2億シンガポールドルの基金を管理しており、議論は、ディープテック系スタートアップでのインターンシップ、ベンチャービルディング研修、本学の研究開発型ベンチャーやスタートアップエコシステムへの潜在的な投資機会などのトピックに及びました。
もう一つの重要な会談は、国立研究基金(NRF)のスボド・マイサーカー学術研究担当エグゼクティブディレクターとのものでした。本学は、NRFが運営するCREATE(Campus for Research Excellence and Technological Enterprise)との連携を通じ、シンガポールに物理的に研究室を設置することで研究基盤を強化することを目指しています。既に本学大学院の10の研究科にわたり、シンガポールに32の研究分室(バーチャル)を設置済みであり、昨年研究分室を設置した物質プロセス工学専攻の代表として、工学研究科の川尻教授が会談に同席し、研究活動について共有しました。

CREATEとの会談
総長の滞在期間中に本学の4つの留学プログラムが現地で実施されており、医学部保健学科看護学専攻の学生6名、シンガポールでの6か月間のインターンシップNOC(NUS Overseas Colleges)の参加学生3名、未来エレクトロニクス創成加速DII協働大学院プログラム(DII)の学生11名、東海地域のアントレプレナーシップ教育起業支援プログラム「Tongali」の学生5名、合計25名の学生は、本学関係者の訪問日程初日に開催された歓迎会に参加し、杉山総長から温かい激励の言葉が贈られました。

歓迎会でステージに立つ杉山総長と学生等
さらに、在シンガポール日本国大使館の石川浩司特命全権大使と面会したほか、NUSメカノバイオロジー研究所を訪問し、遠山祐典准教授と平島剛志助教授からDIIの学生に向けて講義を行っていただきました。これらの連携は、東南アジア全域における更なる研究協力の展開を図るためのゲートウェイとしてシンガポールでのパートナーシップ構築を目指す本学の戦略に沿ったものです。

大使館での集合写真
最終日は、この地域で活躍する卒業生が一堂に会する「全学同窓会シンガポール支部」設立記念総会が開催されました。新しい支部には既に約120名の会員がおり、総会には60名が参加くださいました。また、在シンガポール日本大使館の堀田亨公使と相原佑康一等書記官にも御臨席いただき祝辞を頂きました。

同窓会設立記念総会の集合写真
このような本学のシンガポールにおける取組は、多様な分野にわたる連携を通じ、日本の国立大学による国際展開の中でも最も包括的なイニシアティブの一つとなっており、引き続き先駆者として強力に推進していきます。