UPWARDS夏季受入特別プログラム2025を実施しました

公開日:2025年08月21日
お知らせ

名古屋大学の最先端半導体研究戦略室では、日米の大学間で半導体分野の人材育成と研究交流を推進する「UPWARDS for the Future」プロジェクトの一環として、2025年7月28日(月)~8月8日(金)までの2週間、「UPWARDS for the Future Summer Intensive Program(夏季受入特別プログラム) 2025」を実施し、米国のワシントン大学、バージニア工科大学、ボイシ州立大学、レンセラー工科大学、ロチェスター工科大学の5大学から12名の学生を受け入れました。

 「半導体の人材育成と研究開発に関する未来に向けた日米大学間パートナーシップ(UPWARDS for the Future)*」は、マイクロン財団、Micron Technology Inc.および東京エレクトロン(株)からの資金提供に基づき、本学を含む日本の5大学と米国の6大学が本枠組みに参画し、日米大学間での半導体分野における人材育成・研究活動強化等を行う取り組みです。

 

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開講式での集合写真

 

プログラム期間中、7月29日には、名古屋大学の半導体関連研究施設である未来材料・システム研究所(IMaSS)・未来エレクトロニクス集積研究センター(CIRFE)および低温プラズマ科学研究センター(cLPS)のラボツアーを実施しました。翌30日には、名古屋大学NIC館にてプラズマ科学に関する特別講義および実験が行われました。

7月31日には、ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン(株)およびトヨタ産業技術記念館への見学旅行を実施しました。さらに、8月1日には広島県のマイクロンメモリ ジャパン(株)広島工場を訪問し、現地にて研究発表と交流会が開催され、参加学生にとってグローバルな半導体産業への理解を深める貴重な機会となりました。

8月4日から7日の4日間にかけて、3つのグループに分かれ、それぞれ2研究室を訪問し、フォトリソグラフィー、赤外線フォトダイオード、ワイドギャップ半導体、プラズマ技術、ナノ構造デバイスなど、半導体工学に関する専門的な実験・実習を体験しました。

最終日の8月8日には成果報告会および修了式を開催し、米国からの参加学生がそれぞれの研究成果や滞在中の活動について発表を行い、小橋眞工学研究科長より各参加者へ修了証書が授与されました。

本プログラム全体を通じて、名古屋大学工学研究科および工学部からは17名の大学院生・学部生がチューターとして参加し、米国学生の実習や滞在の支援を行いました。この活動を通して日米間の国際交流が深まり、双方の学生にとって学術的・文化的にも有意義な経験となりました。

 

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CIRFEでの半導体クリーンルームの見学実習 GaNデバイスの特性解析の体験

 

今回の特別プログラムは、米国学生にとって、日本の半導体研究・産業、および国際共同研究への関心を深める貴重な機会となりました。また、本学の学生にとっても、国際交流や海外留学に向けたマインドセットを育む良い契機となりました。

名古屋大学では、今後も「UPWARDS for the Future」の趣旨に則り、米国連携大学からの学生受け入れ、本学学生の米国派遣を積極的に推進してまいります。半導体工学分野における日米学生間の国際交流をさらに促進し、世界に目を向ける学修・研究活動の機会を一層拡充していく予定です。さらに、本学の大学院生等による米国機関での長期滞在研究や、日米間の国際共同研究の活性化にもつなげ、半導体分野における国際的な人材育成と研究活動の強化を継続的に進めていきます。

 

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Micron社における研究発表会での集合写真

 

 

UPWARDS for the Future:

2023年5月に開催された広島サミットにおいて創設が発表され、ブリンケン米国務長官と永岡前文部科学大臣、日米11大学(名古屋大学、東北大学、東京科学大学、広島大学、九州大学、ワシントン大学、バージニア工科大学、ボイシ州立大学、ロチェスター工科大学、レンセラー工科大学、パデュー大学)、マイクロン財団、Micron Technology Inc.、東京エレクトロン(株)で覚書に調印し、日米両国でのより強固で高度な技術を持つ半導体人材の育成を目的とします。

 

 

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