米グーグルの創業者らが設立した科学賞「ブレークスルー(Breakthrough)賞」が4月5日発表され、ハドロン衝突型加速器(LHC)を使って素粒子の性質などを調べた本学の教員を含む国際チームが基礎物理学部門に選ばれました。
この賞は、基礎科学の分野で人類の知識に重大な進展をもたらした世界トップクラスの科学者を表彰するものです。
国際チームが、ヒッグス粒子の精密測定による素粒子の質量起源の解明、暗黒物質、超対称性、余剰次元など、標準模型を超える物理への強い制限の設定などを通じて、基礎物理学の限界を前例のない領域まで押し広げたことが評価されました。
本学からは、素粒子宇宙起源研究所と大学院理学研究科から継続的に10名ほどが、受賞の対象となった四つの実験(ATLAS実験、CMS実験、ALICE実験、LHCb実験)のうちATLAS実験に参加し、ミューオンと呼ばれる素粒子を高速で検出するミューオントリガーの建設・運用やヒッグス粒子のデータ解析などを担ってきました。また、2030年に運用開始予定の後継加速器(HL-LHC)での実験に向けたミューオントリガーのアップグレードでも、先導的な役割を担っています。
<本学(現所属)の受賞者>
・堀井 泰之(素粒子宇宙起源研究所/大学院理学研究科・准教授)
・麻田 晴香(大学院理学研究科・大学院生)
本学のメンバーを率いる堀井泰之准教授
ミューオントリガーシステムを構成する検出器の写真(提供:CERN研究所)
ミューオントリガーシステムがとらえたヒッグス粒子反応の候補(提供:CERN研究所)
関連HP
・ブレークスルー賞公表記事:
・ATLAS実験:
・ATLAS実験からのプレスリリース:
・アトラス日本グループ:
・名古屋大学素粒子宇宙起源研究所:
・名古屋大学大学院理学研究科・高エネルギー素粒子物理学研究室: