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複合領域

2023.05.18

宇宙線イメージングによりイタリア・ナポリの市街地の地下にギリシャ時代の埋葬室を発見! ~陥没事故を未然に防ぐ地下空洞探査への応用も期待~

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院理学研究科/高等研究院/未来材料・システム研究所の森島 邦博 准教授、未来材料・システム研究所の北川 暢子特任助教らの研究グループは、ナポリ大学(イタリア)との共同研究で、宇宙線イメージングによりイタリア・ナポリの市街地にある複雑な地下遺構を可視化した結果、ギリシャ時代の埋葬室を新たに発見しました。
研究グループは、これまでに、エジプトのクフ王ピラミッド内部に2つの未知の空間を発見しており、本研究成果は、宇宙線イメージングと考古学研究との文理融合研究をさらに進めるものです。本研究により、宇宙線イメージングが地下構造の把握に極めて有効な手段であることが実証されたことで、道路陥没事故を引き起こす地下空洞の探査など新しい防災技術への応用も期待されます。
本研究成果は、2023年4月3日付イギリス科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。

 

【ポイント】

・地下18mからの宇宙線イメージング注1)により地下構造の精細な可視化に成功!
・イタリア・ナポリの市街地の地下10mにギリシャ時代の埋葬室を発見!
・道路陥没事故を引き起こす地下空洞探査などの防災技術への応用も期待される。

 

◆詳細(プレスリリース本文)はこちら

 

【用語説明】

注1)宇宙線イメージング:
宇宙線イメージングは、大気上空で生成される素粒子ミューオンが持つ高い透過力を利用してX線レントゲン撮影と同じ原理でピラミッドや火山などの巨大な物体の内部を可視化する技術である。福島第一原発2号機の炉心溶融の可視化やエジプトのクフ王ピラミッド内部の未知の空間の発見などで用いられている。

 

【論文情報】

雑誌名:Scientific Reports
論文タイトル:Hidden chamber discovery in the underground Hellenistic necropolis of Neapolis by muography
著者:Valeri Tioukov, Kunihiro Morishima, Carlo Leggieri, Federico Capriuoli, Nobuko Kitagawa, Mitsuaki Kuno, Yuta Manabe, Akira Nishio, Andrey Alexandrov, Valerio Gentile, Antonio Iuliano, Giovanni De Lellis
(下線は本学関係者)
DOI: 10.1038/s41598-023-32626-0
URL: https://www.nature.com/articles/s41598-023-32626-0

 

【研究代表者】

大学院理学研究科 森島 邦博 准教授
https://www.phys.nagoya-u.ac.jp/docs/pamphlet/mu.pdf