2026.04.24
- 大学生活全般
授業で何をメモして、何をメモしないのか-Part1
こんにちは。大学に入ると、授業の受け方は高校までとかなり変わります。板書をそのまま写せば何とかなる授業ばかりではなく、スライドが先に配られる授業もあれば、先生の口頭の補足に大事な点が詰まっている授業もあります。手書き、パソコン、タブレットなど、ノートの取り方も人それぞれです。ただ、方法や見た目の前に、まず考えたいことがあります。それは、そもそも授業で何を残し、何をあえて残さないのかということです。
私自身、学部に入ったばかりの頃は、とにかくたくさん書けば安心だと思っていました。空白の少ないノートを見ると、授業をきちんと受けた気がしたからです。しかし、後で見返してみると、そこにはスライドの文章がそのまま並んでいるだけで、自分がどこを理解して、どこで引っかかったのかがあまり残っていませんでした。書いていたのに、理解の助けになっていない。この感覚は、大学の授業では意外と起こりやすいと思います。
そこで今回は、大学の授業で必要なメモを、見た目のきれいさではなく、取捨選択の観点から二回に分けて整理してみます。Part1では、メモの目的と、まず何を優先して残すべきかを中心に書きます。授業を受けながらノートの取り方に迷っている人の、最初の整理の軸になればうれしいです。大学生活の入口で迷いやすい部分だからこそ、丁寧に考えてみたいです。
メモの目的は「保存」ではなく「理解の再開」にある
授業中のメモというと、先生が話したことをなるべく漏らさず残す作業だと考えがちです。もちろん、定義や公式、試験範囲のように、正確に記録したい内容はあります。ただ、大学の授業では、その発想だけだと少し苦しくなります。
なぜなら、大学では配布資料やスライドがすでに存在することが多く、情報そのものはあとから見返せる場合が少なくないからです。それにもかかわらず、授業中にその内容を丸ごと写してしまうと、その場でしか拾えない大事な部分を逃しやすくなります。先生が急に付け加えた具体例、試験でよく問われる観点、ここは誤解しやすいという注意、実際にはこの理論には限界があるという補足。こうしたものは、資料の中にきれいに残っていないことが多いです。
私はある時から、ノートは授業内容の完全保存版ではなく、あとで自分が理解を再開するための手がかりだと考えるようになりました。この考え方に変えると、授業中に全部を書けなかったことへの焦りがかなり減ります。大事なのは、すべてを残すことではなく、後日見返した自分がどこから考え直せばよいか分かる状態を作ることだからです。
たとえば、化学や生物系の授業で反応経路や分子機構の図が出てきたときも、図をそっくり写すより、この段階で何が重要なのか、この条件では何が崩れるのかといった視点が残っている方が、復習ではずっと役に立ちます。数学や物理でも同じで、式を並べること以上に、なぜこの式変形をしたのかが残っている方が、次に見たときに理解を再起動しやすいです。
メモしたいのは、資料だけでは回収できないもの
では、実際に何を優先して書けばよいのでしょうか。私がまず残すようにしているのは、資料や教科書を読むだけでは回収しにくい情報です。
たとえば、その概念がなぜ必要なのかという背景、先生が急に出した具体例、この式はどう使うのかという実感に近い説明、試験ではどの角度から問われやすいかという示唆などです。授業を受けていると、先生が少し声のトーンを変えたり、同じ言い方を繰り返したりする場面があります。そういうところには、意外と重要な意味が含まれています。
たとえば、スライドに反応式が載っていたとしても、本当に大事なのは式そのものではなく、ここでは結果だけでなく前提条件を見てほしい、といった一言だったりします。あるいは、グラフを見せながら、数値そのものより傾向を押さえてくださいと言われたなら、復習で見るべきポイントはかなり絞られます。こうした補足は、資料に書いていないのに理解には大きく効いてきます。
大学の授業では、配布資料があるからメモが不要になるのではありません。むしろ、資料があるからこそ、資料にない意味を拾うことがメモの中心になるのだと思います。
もう少し具体的に言うと、私が授業中に書くことが多いのは、ここは暗記ではなく比較で理解、この言葉は定義より使われ方を意識、この章は前の回とのつながりが大事、といった短い補助線です。こうした一文があるだけで、後で資料を見返したときに、どこに力を入れて読むべきかがかなり変わります。情報を増やすというより、情報の読み方を残している感覚に近いです。
書く量より、何を拾えたかの方が大切
大学の授業では、全部を均等に書こうとすると、結局どれも浅くなりやすいです。逆に、その場でしか聞けない説明や、自分が後で困りそうな点に絞って残すと、ノートの量は少なくても役に立つことがあります。
私も以前は、たくさん書けた授業ほど手応えがあるように感じていました。ただ、実際にテスト前や復習の場面で助けになったのは、文字数の多いページではなく、先生の補足や自分の気づきが短く残っているページでした。メモは多ければよいのではなく、あとで使える形で残っているかが大事なのだと感じています。
大学では、授業中にすべてを理解し切ることは難しいです。だからこそ、授業中のメモには、後で学び直す入口を残す役割があります。まずは次の授業で、資料にすでにあることを写すより、その場で新しく分かったことを一つだけ書き残すことから始めてみてください。それだけでも、ノートの意味はかなり変わってくるはずです。
Part2では、逆に何を全部は書かなくてよいのか、迷ったときの判断基準、自分の疑問や授業後の整理をどう扱うかについて続けて書きます。
拙い文章ではございますが、最後までお読みいただきありがとうございました。
Profile
所属:創薬科学研究科 修士2年
出身地:愛知県
出身校:愛知県立岡崎高等学校