名大生ボイス

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大学生活全般

2017.11.20

  • 大学生活全般

研究室の1日

工学部化学・生物工学科4年の河合です。今回は大学の研究室について紹介したいと思います!

受験生の皆さんに、研究室の雰囲気について何となく感じてもらえたらと思います!

 

 

研究室ってどんなとこ?

僕の所属している工学部など多くの理系学部では、4年生に進級すると研究室に配属されます。

研究室とは、その名の通り、大学教員や学生が研究活動を行う場で、名大が誇る数々の研究成果が生まれる場でもあります。

研究室に配属された学生は、先生方の指導の下、それぞれの研究を進めていきます。

学生といえども、指導教官を含めて世界中の誰もが知らない事について研究するので、大学受験や大学の講義とは違った大変さがありますが、自分で計画を立てて実行し、得られた結果を基に少しずつ新しい知見を積み上げていく事はとても楽しいです!

 

研究室での活動内容は所属する研究室によって大きく異なります。

例えば、僕の所属している化学系では、ずっと化学実験を行う研究室、動物や細胞を扱う研究室、実験を行わずにコンピューターシミュレーションを専門に行う研究室、実験とシミュレーションを並行して行う研究室など様々です。

また、研究室の忙しさもそれぞれで、終電近くまで研究を行う研究室がある一方、在宅でも研究が行える場合は登校を義務としない研究室もあります。(化学系の研究室は、実験に時間のかかる分野を研究している研究室が多いため、平日は夜遅くまで実験を行っている研究室が他の分野と比較して多いです。)

 

また、工学部の卒業生は大学院に進学して学部と同じ研究室で研究を続ける学生が多いので、かなりの時間を研究室で過ごすことになります。

そのため、研究室配属後は研究室の仲間と食事を共にしたり、研究室全体で旅行に出かける・スポーツ大会に出場したりするといった研究室ぐるみの付き合いも多くなります。

 

 

研究室での一日

それでは、僕の研究室での一日について紹介したいと思います!

 

10:00登校

僕の研究室はコアタイム(研究室に居なければいけない時間)が設定されていないため、登校する時間はまちまちです。

実験が長引く予定の日はもっと早く登校しますし、逆にそれほどやる事が無い日はもう少し遅く登校します。

このように大学の研究室は学生の自主性を重んじる雰囲気の研究室も多く、学生がノビノビと研究に励むことができます。(逆に言えば、サボろうと思えばいくらでもサボれるので、怠けすぎると後で大変な目に遭います...。)

 

 10:15 実験(サンプル合成)

登校後、その日にやる事を軽く確認したら、いよいよ実験の開始です!

僕の研究テーマはナノ粒子という肉眼では見えないサイズ(サイズについて良い例えが浮かばなかったのですが、人間の細胞の1/100位の大きさです。)のプラスチックの粒子を作る事で、毎日あれやこれやと色々な事を試しています。

実験では危ない薬品も使うので、常に安全に気を配りながら実験しています。

また、実験では予想外の結果が出ることも多く、それが新たな発見に繋がるケースもあるため、常に鋭い観察眼を持って実験に臨む事も大切です。

 

12:40 昼食

午前中の実験がひと段落したら、研究室の友達と学食へ向かいます。

学部の講義が終わる12:00前後は学食が混むので、時間をずらしてゆっくりと食事を楽しむことが多いです。

 

13:30 ゼミ

この日は午後に研究室のゼミがありました

ゼミとは、研究室の先生とメンバーが全員集まり、それぞれの研究の進み具合や読んだ論文の内容を発表し、討論していくミーティングのようなものです。

ゼミの内容も研究室によって違いますが、僕の研究室では週に1回ゼミが開かれ、月に1回ほど回ってくる発表当番の人が自分の研究の進捗状況について事前に作成した資料を用いて発表します。

ゼミでは研究室の先生やメンバーから研究について様々な視点からのアドバイスをもらえるので、研究を進めるにあたって非常に有意義な機会です。

 

15:30 サンプル分析

研究において実験でサンプルを合成する以上に大切なのが、合成したサンプルの分析です。

実験で作成したサンプルが上手く合成できているか、どのような性質を持っているのか、価値があるものなのかなどは目で見ただけでは分からないので、さまざまな分析法を駆使してサンプルの分析を行います。

分析に失敗すると、せっかく作ったサンプルが無駄になってしまいますし、分析結果が本当に正しいものであるかが不明瞭な場合は成果として認められないので、分析でも気が抜けません。

 

僕の研究では通常の顕微鏡では観察できないものを対象としているため、光の代わりに電子を使って観察する電子顕微鏡を用いることが多いです。

ちなみにこの電子顕微鏡、びっくりするくらい高価なものです。(正直なところ壊さないかビクビクしながら使っています...(笑))

名大の研究設備は非常に充実しているので、学部生でも様々な研究設備を利用することができます。

 

 
18:00 帰宅

僕の帰宅時間は大体これくらいです。

アルバイトがある日はもう少し早く帰りますし、ゼミ前や実験が長引いた日はもう少し帰りが遅くなります。

帰宅後は友達と遊びに行ったり、趣味の読書や楽器の演奏をしたりするなど、好きなことをして過ごす事が多いです。

時々帰宅後も論文を読むなどの研究に関わることをすることもあります。

 

 

まとめ

研究室での生活についての紹介、いかがだったでしょうか。

学部3年生までは、みんなと同じ講義を受け、みんなと同じ時間にご飯を食べ、みんなと同じ時間に帰宅するなど、学部の友達と同じようなスケジュールで生活する場合が多いですが、研究室に所属するとスケジュールは一人ひとり違うものとなります。

学ぶ内容も教科書を読む、問題を解くといった勉強から、答えのない問題に挑む研究へと変化するため、学びに対して求められる姿勢も変わってきます。

 

また、研究は上手くいくことはまれで、ほとんどが失敗の毎日です。

そのため、失敗ばかりで精神的に辛いこともありますが、その分、成功したときの喜びはとても大きなものです。

大変な事も多い研究ですが、知的好奇心を満たすにはうってつけなので、研究室での生活も楽しみにして受験勉強に励んでください!以上です!

Profile

所属:工学部化学・生物工学科分子化学工学コース4年生

出身地:愛知県