2026.10.20
- 大学生活全般
学部4年の研究生活ってどんな感じ? 配属から卒論・学会発表まで
こんにちは。今回は、理学部物理学科の学部4年生が、研究室に配属されてから卒業論文を書き、学会発表を行うまでの1年間について紹介します。研究室に入ると、それまで授業中心だった大学生活から、自分でテーマを持って研究を進める生活へと大きく変わります。私自身の経験をもとに、4月から翌年3月までを振り返ってみます。
もちろん、研究テーマの決まり方や院試準備の時期、卒論の締め切りは研究室や学科によって異なります。ここでは、あくまで私の場合の一例として紹介します。
4月 まずは研究室と研究グループを知る
4月に研究室へ配属されると、まず研究室内にある2つの研究グループのうち、どちらに所属するかを決めました。すぐに決めるのではなく、それぞれのグループの研究紹介を聞いたり、先輩や先生と話したりしながら、自分がどちらに興味を持てるかを考えました。最終的に所属を決めたのは4月末です。
同時に、研究で必要となる基礎知識を身につけるため、研究室でバイブルのように使われている専門書を購入して読み始めました。研究室に入ったからといって、最初から研究内容をすべて理解できるわけではありません。まずは専門書を読み、先輩や先生の話を聞きながら少しずつ土台を作っていきます。
5〜6月 研究テーマを決め、研究のやり方を覚える
5月になると、所属した研究グループの中で自分がどのような研究をするかを決めました。先生から複数の研究テーマを紹介してもらい、その中から自分が最も興味を持ったものを選びました。
この頃から、専門的な内容を理解したり、データ解析に必要なプログラミングを学んだりする研究室内のセミナーも始まります。実際の研究では、分からないことが次々に出てきます。そのたびに先行研究の論文を読んだり、先輩に質問したりしながら必要な知識を補い、少しずつ解析を進めていきました。
一方で、7月中旬には大学院の自己推薦入試が控えていました。6月頃から自己推薦書を作成し、先輩に添削してもらいながら内容を磨きました。面接対策では自分の研究内容だけでなく、学部1〜3年で学んだ物理の復習も必要でした。研究と院試準備を並行する時期でもあります。
7〜8月 院試に向き合う
7月は、自分の研究内容についてさらに理解を深め、面接で何を聞かれても自分の言葉で説明できるよう準備しました。先輩に何度か模擬面接をしてもらい、同期とも協力しながら勉強を進めました。
そして7月中旬、自己推薦入試を受験しました。しかし、結果は不合格でした。もちろん残念でしたが、一般入試までは約1か月しかありません。そこで一度研究を止め、気持ちを切り替えて物理の勉強に集中することにしました。
8月は、大学のウェブサイトで公開されている過去問を一通り解き、分からない部分を復習しました。他学部の友人と図書館で一緒に勉強することもあり、長い受験勉強の中で良い刺激になりました。8月下旬の一般入試では無事に合格することができ、ようやく研究に戻る準備が整いました。
9〜11月 研究を再開し、成果につなげる
9月から研究を再開しました。院試で研究を止めていた分を取り戻すため、再び解析を進めます。一方で、海外旅行にも行き、研究から少し離れてリフレッシュする時間も取りました。
10月になると、夏の間は少なかった研究室内のセミナーも本格的に再開します。研究を進め、議論を重ねる中で、11月頃には一定の成果が見え始めました。そこで、他大学の研究者にも成果を共有して意見をもらう機会を設け、翌年3月の学会で発表することを決めました。
この頃になると、「研究室に配属されて勉強する」段階から、「自分の結果を他の人に見せ、議論する」段階へ少しずつ変わっていったように感じます。
12〜1月 卒業論文を書く
12月上旬には学会発表の予稿を作成して提出しました。それと並行して、これまでとは異なる観測データも使いながら研究内容をさらに発展させました。
そして、1月末の締め切りに向けて卒業論文を書き始めます。卒論では、研究の背景から解析方法、得られた結果、その結果をどう解釈するかまでを一つの文章としてまとめます。普段の解析とは違い、「自分が何をして、何が分かったのか」を初めて読む人にも伝わる形に整理する必要があります。
私は1月中旬頃には一度全体を書き上げ、その後は指導教員からフィードバックをもらいながら何度も修正しました。私の所属では1月末が締め切りでしたが、卒論の提出時期は学部・学科や研究室によって大きく異なります。
2〜3月 初めての学会発表へ
卒論を提出して終わりではありません。2月も研究を続け、より内容を深めるために先生や周囲と議論しながらさまざまな解析を試しました。同時に、3月の学会発表に向けてスライドを作り、発表内容を詰めていきます。2月下旬には研究室内で発表練習も行い、伝わりにくい部分や説明不足の箇所を修正しました。
そして3月上旬、初めて学会に参加しました。初めて研究のために出張すること自体も新鮮でしたが、それ以上に印象に残ったのは、自分と同じ分野を研究する人たちと直接話せたことです。自分の発表に対して意見をもらうだけでなく、これまで知らなかった研究分野の発表を聞くこともできました。そこで新たな研究者とのつながりが生まれたことも、学会ならではの経験でした。
最後に
学部4年の1年間を振り返ると、研究だけをしていたわけではありません。研究テーマを決めて基礎から学び、大学院入試に挑戦し、研究を中断して勉強に集中した時期もありました。その後は研究を再開し、卒論を書き、最後には学会で成果を発表しました。
研究室に配属された4月の時点では、自分が1年後に学会で発表している姿までは想像できていませんでした。最初は分からないことばかりでも、専門書を読み、論文を調べ、先輩や先生に聞きながら少しずつできることが増えていきます。
学部4年は、授業で用意された問題を解く学生生活から、自分で問いを持ち、答えを探していく研究生活へ移る1年間です。研究室配属後の生活をイメージする一例として、参考になればうれしいです。
Profile
所属:理学研究科 理学専攻 物理科学領域 修士1年
出身地:岐阜県
出身校:岐阜県立大垣北高等学校