名大生ボイス

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大学生活全般

2024.12.02

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ESの書き方講座

みなさん、こんにちは。名古屋大学工学部の小林です。今回は、就活で避けて通れないエントリーシート(ES)の書き方についてお話しします。特に2026年卒のみなさんは、日系企業の早期選考が始まっているので、ESの上手な書き方に悩んでいる方も多いと思います。不安も多いと思いますが、わかりやすく効果的なESの書き方を解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

●ESとは?-役割を理解しよう

ESとは採用担当者があなたの人柄や価値観を知るための入り口であり、企業が求める人物像に合っているかを判断するための書類です。履歴書と異なり自由記述が多く、基本情報に加えて自己PRや志望動機を記入します。企業はESを通して、あなたがどんな人間でどのような価値観を持ち、何を目指しているのかを知り、職種への適性を判断します。写真にも注意し、服装や表情なども気を配ることが大切です。
また、企業ごとに求められる人物像や価値観が異なるため、それをしっかりリサーチした上で内容を調整する必要があります。意識として大切なのは、「作業」ではなく「プレゼンテーション」として取り組むことです。採用担当者は数多くの応募者を比較検討するので、ありきたりな表現や内容ではなく、あなたの個性や経験を盛り込むことが重要です。

 

●ESを書くための自己分析

自己分析とは、自分の経験や価値観から自分がどのような人間かを知る作業です。これまでの成功や失敗、達成感を感じた場面、困難を乗り越えた経験などを振り返り、そこから得た学びを整理してみましょう。自己分析を深めることで、ESに自分らしさと説得力を持たせることができます。まずは、箇条書きで良いので紙に書き出してざっと眺めてみることから始めましょう。

 

●企業研究で、求められる人物像を深く理解する

企業のホームページや採用情報、社員インタビューなどから、企業理念や事業内容を徹底的に分析しましょう。また、最近のニュースやプレスリリースを通じて、業界トレンドや競合他社の状況、社会課題への取り組みなども把握しておくと理解が深まります。特に重要なのは、企業のミッションやビジョンと自身の経験や価値観が結びつくかどうかをはかることです。「その企業だからこそ志望した」とアピールすることで、志望動機に説得力が生まれますし、本当にその業界で仕事できるかを見極める材料になります。大量に多くの企業に向けてESを書くより先に、企業研究で志望先を絞ることから始めましょう。

 

●自己PRの書き方

20241202k.jpgここで自身の強みやスキルを効果的にアピールできれば、企業に興味を持ってもらえる可能性が高まります。ただし、単なる自慢話や経験の列挙にならないよう、具体的な成果や成長、客観的な視点を盛り込むことが重要です。
例えば、サークルでリーダーシップを発揮した、アルバイトで顧客対応に取り組んだことなどを記述し、その中でどのような工夫をしたか、結果どのような成果を得たかを詳しく示しましょう。この際、具体的な数字や状況を含めると信憑性が増し、説得力のある内容に仕上がります。「自分には特別な長所がない」と感じる人もいるかもしれませんが、心配は不要です。誰にでもアピールポイントはあります。自分の経験からエピソードを探してみましょう。アルバイトをしていれば、「バイト先で新人の教育を担当した」という経験があると思います。これで「相手の立場に立って考える力」や「マネジメント能力」といったスキルをアピールできます。
最近では特に「課題解決能力」に注目する企業が増えています。この能力を伝えるためには、困難や課題をどのように解決したかを具体的に記述することがポイントです。今まで起きたトラブルなどを挙げ、その際に取った行動や得られた成果を詳しく説明して、積極性や柔軟性をアピールしましょう。

 

●志望動機の書き方

「興味がある」、「魅力を感じた」といった表現では説得力に欠けるため、具体的な理由を盛り込むことがポイントです。その企業の製品やサービスに触れた経験、理念への共感、社会貢献活動に感銘を受けたエピソードなど、あなた自身の体験や価値観を交えて書くことで、熱意をより効果的に伝えられます。企業で何を実現したいのか、自分がどのように貢献できるのかを具体的に書きましょう。「御社の環境技術に強い関心を抱いています。大学で環境問題を専攻し、特に再生可能エネルギーに注力してきました。御社で働くことで、私の知識を活かしながら、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています」といった形で、自分の経験や志向を企業の特徴と結びつけると説得力が増します。ホームページの内容をそのまま繰り返すだけでは、あなたの考えは伝わりません。自分なりの視点で、企業の魅力と自分の将来像をリンクさせ、企業側に「一緒に働きたい」と感じてもらえる志望動機を作り上げましょう。

 

●「学生時代に力を入れたこと」の書き方

「〇〇に力を入れました」だけでは不十分です。なぜそれに力を入れたのか、どんな困難がありどう乗り越えたか、そして何を学んだのか、そんなストーリーを織り交ぜて書くことが大切です。例えば、「サークル活動で後輩の指導に力を入れました」と書くだけでなく、「最初は後輩との接し方に悩みましたが、一人ひとりの個性を理解しようと努め、それぞれに合わせたアプローチを心がけました。その結果、後輩たちのモチベーションが上がり、サークルの雰囲気も良くなりました」と記述すると、あなたがどのように成長したのかが鮮明に伝わります。

 

●分かりやすい文章のコツ

簡潔で明確に段落ごとにテーマを分け、誤字脱字や文章の流れをチェックすることが重要です。論理的で読みやすい文章は担当者の負担を軽減し、好印象を与えることができます。また、質問の意図に対して一貫性のある回答をすることで、自分の考えや価値観を効果的に伝えられます。文法や表現力にも注意を払い、何度も推敲を重ねましょう。

 

●提出前には第三者にチェックをお願いしよう

友人や家族、キャリアセンターの方に見てもらうことで、自分では気づかなかった改善点を指摘してもらえることが多いです。企業ごとに求められるポイントが異なるため、その企業に適した内容になっているか確認し、調整を加えることで完成度が高まります。

 

●まとめ

ESの作成は大変ですが、企業に自分をアピールする貴重なチャンスです。就職活動はプレッシャーもかかりますが、最も大切なのは「自分らしさ」を表現することです。企業にとっての理想の人材像を意識しつつも決して背伸びはせずに、自分の価値観や強みをしっかり伝えましょう。この記事が、みなさんのES作成の一助となれば嬉しいです。拙い文章ではございますが、最後までお読みいただきありがとうございました。

Profile

所属:工学部化学生命工学科3年生

出身地:愛知県

出身校:愛知県立岡崎高等学校