2025.05.09
- 大学生活全般
GW明け、やる気が出ない新入生へ
はじめに
こんにちは。名古屋大学大学院創薬科学研究科修士1年の小林です。GWが終わって、いつも通り登校したら「なんか、学食空いてない?」と気づく瞬間、ありませんか?実はそれ、大学生活の“ひとつの節目”かもしれません。4月の大学は、まさに「新生活ラッシュ」でしたよね。新入生も在校生も「今年こそはしっかり頑張ろう」とスタートダッシュを決める時期です。授業に遅れないように登校し、サークルの新歓に参加し、友達を増やして、バイトの面接もこなして……。そんな日々が続けば、どんなに体力がある人でも知らず知らずのうちに疲れが溜まっていくものです。GWは、そんな走り続けた1ヶ月のあとに訪れる、つかの間の休息です。しかし、その休みで張りつめていた気持ちが一気に緩み、思っていた以上に立ち上がるのが難しく感じてしまう。これは、あなただけではなく、多くの学生が感じている「5月の壁」なのです。今回はこの「5月の壁」に最も直面する新入生に向けて突破法をお伝えします。
「5月の壁」を実感したとき
私も、何度この壁にぶつかったか分かりません。1年生の頃は、「新生活に早くなじまなきゃ」という焦りでスケジュールを詰め込みすぎて、GW明けに気が抜けて何もかもがしんどくなった記憶があります。そんな中でも少しずつ気持ちが楽になったのは、「あ、自分だけじゃなかったんだ」と気づけたときです。講義の出席人数が減っていたり、空きコマに図書館ががらんとしていたりする光景に触れて、「みんなも疲れてるんだな」と実感した瞬間、少しだけ肩の力が抜けました。そして、その疲れを「怠け」ではなく、「頑張った証拠」として受け入れることが、自分を守る第一歩でした。先生や先輩に話を聞いてみると、彼らもかつて同じような経験をしたと言ってくれることが多く、「ああ、これは大学生活の通過儀礼なんだな」と思えるようになりました。
5月病って、実はすごく自然なこと
「5月病」と呼ばれるこの時期の不調は、医学的な病名ではないものの、多くの人が経験するごく自然な心の揺れです。特に大学1年生や新社会人など、新しい環境に飛び込んだ人たちに多く見られます。気づかないうちに、心も体もずっと「戦闘モード」になっていたかもしれません。
そこにやってくるのが、ゴールデンウィークという非日常の休息期間。これまで張り詰めていた気持ちがふっと緩んで、今まで気づかなかった疲労やストレスが一気に表に出てきて、「やる気が出ない」、「なんとなく不安」、「朝起きるのがつらい」といった症状として現れてくることがあります。
実際、SNSなどを見ていると、「授業に行くのが億劫になってきた」、「頑張らなきゃいけないのに動けない」、「理由はわからないけど涙が出てきた」など、同じような声が多く見られます。でも、ここで忘れてほしくないのは、これはあなたの心や意志が弱いからではない、ということです。むしろ、それだけ真剣に頑張ってきたからこそ、心と体が「ちょっと立ち止まって」とSOSを出しているだけなんです。だから、「こんな自分じゃダメだ」と否定するのではなく、「ここまでよく走り続けてきたね」、「ちょっと休もう」と、自分自身をねぎらってあげることが大切です。
小さな行動から、リズムを取り戻していく
そんなときに私が心がけていたのは、「とりあえず大学に行ってみる」、「無理なら、家で1時間だけ勉強してみる」といった、「小さな目標」を立てることでした。完璧に出席しなくてもいい。集中して勉強できなくてもいい。ちょっとした行動で自分を褒めてあげてほしいんです。
私の友人に、「休み明けは、午前中にお気に入りのカフェに行くのを習慣にして気分を整えてる」という人がいました。自分なりの“整える習慣”を見つけると、それが生活の軸になってくれます。ルーティンができると、体が自然と動くようになって、気持ちもついてくるようになるから不思議です。
比較よりも、自分との対話を
この時期、よく耳にするのが「みんなはちゃんとできてるのに、自分だけできていない気がする」という声です。ですが、そのみんなも、実はあなたと同じように不安を抱えていたり、元気が出ない朝を過ごしていたりするものです。小さな「自分にできること」をひとつずつ積み重ね、「がんばった自信」につなげてください。
誰かに頼ってもいい。あなたはひとりじゃない
「どうしても気分が落ち込む」、「ずっと元気が出ない気がする」。そんな感覚が続いているとき、自分でも理由がわからないまま、心だけがどんよりと重くなっていくことがありますよね。そういうときこそ、自分の内側だけで抱え込まず、誰かに頼っていいんです。むしろ、頼ることこそが“今の自分を大切にする行動”だと私は思います。
名古屋大学には学生相談センターなど、学生の心の健康をサポートするための仕組みが整っています。専門のスタッフが、あなたの話を決して否定せずに、丁寧に耳を傾けてくれます。悩みの大きさや深さに関係なく、「少しだけ話したい」、「モヤモヤを整理したい」という気持ちで足を運んでいい場所なんです。
また、話すことが難しいときは、ノートやスマホのメモ帳に自分の気持ちを書き出してみるのもおすすめです。言葉にするだけで、自分の感情が整理されたり、「なんだ、意外とこんなことで悩んでいたのか」と客観視できたりすることもあります。あるいは、信頼できる友達や家族に「最近ちょっとしんどくて……」と打ち明けてみるだけでも、心の中にあった重みが少し軽くなるかもしれません。
私自身、かつてしんどいと感じていたときに、ほんの一言「最近どう?」と声をかけてもらえただけで救われたことがあります。だから、逆に自分から「聞いてもらっていい?」と声を出す勇気は、何倍もの温かさとして返ってくると伝えたいです。
忘れないでほしいのは、あなたが感じているその不安や疲れは、決してひとりだけのものではありません。名古屋大学のどこかで、同じように頑張っている誰かも、きっと同じように立ち止まっています。だからこそ、自分を責めすぎず、誰かに寄りかかる選択肢を持っていてください。それは「甘え」ではなく、立ち直るための力強い第一歩です。
まとめ
もし今あなたが「この時期しんどいな」と感じているのなら、それは決して恥ずかしいことでも、弱いことでもありません。そんな気持ちを抱えているあなた自身にこそ、大学生活の中で一番優しくしてあげてほしい。あなたはひとりじゃない。あなたのペースで、少しずつ進んでいきましょう。拙い文章ではございますが、最後までお読みいただきありがとうございました。
Profile
所属:創薬科学研究科博士前期課程1年生
出身地:愛知県
出身校:愛知県立岡崎高等学校